台湾を楽しむには、
三つの中国語が話せればきっと充分だ。
ニーハオ、シェイシェイ、
そして、ハウチー(美味い)だ。
そんなことが頭をよぎったのは、
永康街という台湾の美味いものが集まる地区で、
昼飯を食べたときのこと。
台北牛乳大王でマンゴースムージーを飲み涼をとり、
台北駅まで歩き、そこからMRTで二駅南へ行く。
中正紀念堂駅で降り、炎天下の中20分ほど東へ歩くとそこが永康街だ。
まだ昼前だったということもあり、
そして暑さで喉がからからだったこともあり、
日本人観光客のみならず、地元でも超人気店らしい「アイスモンスター」へ。
カキ氷の上に山盛りのマンゴーのトッピングで有名な店。
マンゴーのみならず、さまざまなフルーツをふんだんに使い、
冬でも行列が絶えないそうだ。
列の前にいた日本人の団体は、ほとんどがマンゴーカキ氷を頼んでいたが、
俺はどうしてもパッションフルーツが食べたくて、そちらを選んだ。
出てきたカキ氷は、まさに「アイスモンスター」だった。
スケールがでかい。写真のパッションフルーツはそうでもないが、
隣の席の人が頼んだマンゴーカキ氷はすごい。
マンゴー三つ分は使っているのではないかという迫力。
とはいえ、パッションフルーツだって、カキ氷の上にアイスが三つ乗っかっている。
完食は厳しいかと思ったが、意外といけた。
なぜなら、美味いから、の一言に尽きる。
少し公園のベンチで休み、
地図を片手に、いざ、お目当ての「老張牛肉麺」へ向かう。
40年以上の歴史を持つここの名物は、トマト味の牛肉麺だ。
休日の昼時とあって、店の前には長蛇の列ができていた。
ふだんは行列が大嫌いなのだが、
「庶民の美味いものは並んでも食う」と覚悟を決め、
とりあえず入り口で受付を済ませようとしていたら、
なぜだか「そこで待ってろ」と促され、
数分後、列を尻目に座席へ案内してくれた。
日本人だからか、一人だからか、
よく分からないが、すぐに食事にありつけた。
さてさて、注文したのはもちろんトマト牛肉麺。
好物の二品がミックスされているのだから期待しないわけにはいかない。
さっそく一口。
スープもズズズ。
「美味い!」
思わず隣の台湾人に、
「ハウチー!」と声をかけてしまったほど、美味かった。
サッパリとしているのだけれど、コクもある。
月並みな表現で申し訳ないのだが、とにかく、美味いのだ。
一気に胃袋に流し込み、
「もう一杯!」といきたかったが、
振り返ると列がさらに伸びていたので、
会計を済ませ、外に出た。
しかし、本当に「ハウチー」な国だ、台湾は。
牛肉麺を食べたらまた汗が吹き出てきたので、
道すがら気になっていた露店のキウイジュースを買って飲む。
俺の好物、フレッシュネスバーガーの「キウイプロテクター」を、
さらに倍濃くした果肉のかたまりのような飲料で、これも大ヒット。
あっという間にぐびぐび飲み干してしまった。
「ハウチー」で腹も心も満たされた俺は、
永康街を後にし、
次なる目的地、「猫空(マオコン)」へ向かった。