文具好き・時計好きの皆さん、こんにちは!Q太郎です。

今回は、前回に続き、機械式時計の魅力についてお伝えしたいと思います。

 

 

1.機械式時計の精度

クォーツ式に比べて”狂いやすい”と思われている機械式ですが、その精度はどれくらいなのでしょうか?
例えば、ロービート(5振動)で、一日10秒進む時計があったとします。そうすると、一日に432,000分の50しか狂いがないわけです。誤差0.012%です。驚くべき精度だと思いませんか?ちなみに、もっとも安全な交通手段といわれる旅客機の事故(死亡)率は0.001%、クルマの場合は0.03%だそうです。

 

2.機械式時計は生きている

このように、勤勉で正確な機械式時計ではありますが、経年による潤滑油の劣化や部品の摩耗などにより、3-5年経つと徐々に遅れ出します。毎日何10万回と振動を繰り返していれば、機械といえども疲れるんです。ですが、オーバーホールに出して、きちんとメンテナンスしてあげれば、また正確な時を刻み始めます。人間と同じです。疲れたら休ませてあげましょう。1-2カ月後には、元気になって戻って来てくれます。

 

3.おいらの時計遍歴

おいらと機械式時計との出会いは、四半世紀前に遡ります。
当時は、まだまだクォーツ全盛期でした。クォーツに比べ、狂うわ維持費はかかるわ…そんな機械式時計を買うのはよっぽどの変わり者だと思われていたでしょうね。というか、おいらの腕に巻かれている時計を見て「おっ。コイツ機械式の時計してるな」とわかってくれるヒトは殆どいませんでした。
その1号機以来、機械式時計にさんざん散財してしまうわけですが…いまでも、全て完動品として維持しています。“正確に稼働する”機械式時計を複数維持するには、それなりの覚悟が必要です。 定期的に身につけ、3-5年に一度オーバーホールに出し…その間にもゼンマイが切れたり、バンドが傷めば交換してやり…と、とにかく手間と金のかかる奴等です。

 

4.手間も費用もかかるけど…

機械式時計は、身に付けたりゼンマイを巻いてやらなければ止まってしまいます。止まってしまえば、また時刻合わせが必要です。はっきりいって、めちゃくちゃ面倒です。
また、オーバーホールにかかる費用は5万円程度します。決して安いものではありません。クォーツなら新しいものが買える値段です。ですが、定期的なメンテナンスをしないと、正確な時を刻んでくれません。機械式時計を複数持つ場合、かなりのコストを覚悟しなければなりません。はっきりいって、金食い虫です。
でも、一度機械式時計を身につけてしまうと、クォーツには戻れません。

一日の半分以上は一緒にいて、主人のためにコチコチと地道に時を刻んでくれる…仕事でヘマしたときも、何かをやり遂げたときもそれを見てきた…従順で寡黙な相棒。
一方、動くも止まるも主人頼り…放って置くと、拗ねて止まってしまう…3年働いたら、疲れたから休ませてくれと主張する…手間のかかるヤツ。
機械式時計は、そんな生き物なんです。
もちろん、いくら手間と費用がかかっても、手放すことはないでしょう。