外国硬貨
昨日は雨。
自宅の整理をした。
住み続けているうちに、
不要なものが空間を狭くしている。
今後とも使わないものを廃棄した。
そんななか、
押し入れの中から、
見かけない箱が出てきた。
外国の古い硬貨だった。
多量と言う訳でないが
ギッシリと箱に入っていた。
いつ手に入れたんだろうか。
たぶん、父が帰省から帰る時に
くれたんだろう。
田舎の習慣で、
帰るときには
野菜からお菓子からなんでも
とにかく、そこらにあるものをくれた。
マンションなので
車から自宅に荷物を持って上がるのは
けっこう骨が折れる作業だ。
荷物が多いと
なんどもエレベーターを往復することになる。
今はマンションの駐車場を利用しているが、
入居後、何年間かは、かなり遠い駐車場を借りていた。
何度も往復することは大変だった。
だから物をくれるのは有難迷惑に感じていた。
明石でも手に入り
田舎で必要なものまで車の中に放り込まれた。
まして、法事の後など
すぐに腐りそうな食べ物を
暑い車内に置いてるわけだから、
食べる気がしなかった。
そんな、どさくさまぎれにくれたのが
古い硬貨なんだろう。
震災の年に
父は、肝臓ガンでなくなった。
父がくれた硬貨…。
そのズッシリとした重さが
父の存在の重さであるような気がする。
時の流れが胸に滲みいるようだ。
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