湊かなえさんの作品は
告白以来久々の読書となりました
「イヤミス」の女王と称される
「湊かなえ」さん
※イヤミスとはミステリー小説で
読後に嫌な気分になる小説のこと💦
その代表格と称されるのが「告白」
今回の湊さんの本作は
ミステリーではなく
新境地?「登山」のお話でした
山 女 日 記 湊 か な え
登山をテーマとした山ガールの物語
全7編からなる連作長編
家族や世間の様々なしがらみに悩む
女性が実在する山を登り切ることで
自身を見詰め自分を取り戻していき
読者も読後心地よい気分になる
イヤミスにあらず
晴れやかな物語ハレモノでした![]()
目 次
1 妙高山(新潟県)
日本百名山2454m
こんなはずでなかった結婚
語り手は百貨店に勤める律子30歳
登山靴を買ったことが
きっかけで同期と登山に
マリッジブルーの律子は
不倫してる同期の由美との登山💦
2 火打山(新潟県)
日本百名山・花の百名山2462m
捨て去れない華やいだ過去
語り手は老人ホームに勤める美津子
美津子がお見合いパーティに参加し
山好きの男性神崎と出会い
デート登山をすることに
3 槍ヶ岳(長野県・岐阜県)
日本百名山・花の百名山3180m
日本で5番目に高い山
父に言ってしまったあの言葉
語り手は1章の律子達の先輩しのぶ
幼い頃から登山を父に教えられ
自由に登れる一人登山を好むしのぶ
途中で知り合った老年登山初心者と
同行登山する羽目に
4 利尻山(北海道)
日本百名山1721m
日本最北の百名山
拭いきれない姉への劣等感
語り手は家の農業を手伝う
殆ど仕事のないフリー翻訳家希美
医者と結婚した姉との二人登山
口うるさい姉だが、姉にも悩みが
姉の口から意外な言葉が・・・
5 白馬岳(長野県・富山県)
日本百名山・花の百名山2932m
夫から切り出された別離
語り手は4章の希美を登山に誘った
姉として登場していた美幸
前回と同様に妹の希美と
今回は娘七花を加えて3人で
白馬岳の登山に挑戦する
6 金時山(神奈川県・静岡県)
日本三百名山1212m
金太郎伝説で有名
突然見失った将来の目標
語り手は第1章の二人の同僚舞子
第1章の律子と由美の妙高山登山は
目的地が富士山でないことで
突然ドタキャンした同僚の舞子が
彼氏が推奨する富士山でない
金時山への登山に行くのでした
7 トンガリロ山
(ニュージーランド)
世界複合遺産1968m
いつのまにか心が離れた恋人
第4章の希美が被っていた
登山帽の制作者である
帽子作家の柚月が語り手です
元彼吉田と以前登ったトンガリロを
回想しながら登山
そして1~6に登場した人物が
一堂に会するのでした
2014年に出版された
登山をテーマにした全7編の
山ガールの連作長編小説でした
※2016年幻冬舎文庫から
文庫本化された際に番外編として
「第8章カラフェスに行こう」が
追加され発売されたようです
第8章は図書館でまたの機会に
随分前ですが、「山女日記」は
NHKでドラマ化されました
山女日記(2016年)
~女たちは頂きを目指して~
主演は工藤夕貴さん
NHKオンデマンド会員の方は
いまでもご覧になれるそうです
その後NHK「にっぽん百名山」に
湊さんゲスト出演もされていました
湊さんは元々学生時代から登山好き
暫く登山から離れられていましたが
12年のブランクを経て2010年に
登山を再開されたそうです
そんな登山をされる中
本作を執筆されたようですね
人は大なり小なり荷物を背負ってる
ただ、その荷物は傍から見れば
降ろしてしまえばいいのにと
思うものでもその人にとっては
大切なものだったりする、むしろ
かけがえのないものだからこそ
降ろすことができない
だから模索する
それを背負ったまま
生きていく方法を
↑※本作中からの抜粋
山々の臨場感あふれる
自然の美しい情景
登山を通して自分を見つめ直し
変貌していく女性に共感しました
そこに登山の魅力があるのでしょう
登山、足腰も鍛えられていいですね
無理のない自分にあった山を
登ってみたくなりました(笑)
イヤミスの女王の湊さんの作品とは
思えない爽やかな気分になれました
そして、爽やかな香りの果実が
香川の友から届きました
柚子・みかん・キウイ
ゆふ空から柚子の一つをもらう
種田山頭火
冬至(22日)には柚子風呂、感謝
炬燵に入ってみかん
を頂きながら
読書は寒い冬の楽しみのひとつです
今は皆の顔思い浮かべて
年賀状の制作を愉しんでいます
寒さが厳しき折
温かくしてお過ごしください
良い一日を!
お付き合い頂き
ありがとうございました♪







