自己研さん本、知識本に飽きたときにはいつも小説を読むのですが、小説の偉大さを感じさせてくれる村上春樹氏。
『ノルウェーの森』『1Q84』『アフター・ダーク』と読んできましたが、いつもテーマは現実世界と非日常の世界の境界でさまよう人間模様。
見えている世界の狭さと精神世界の広さ、全く違う世界と実は隣り合わせにいる人生の脆さといった難しい題材にも関わらず、読みやすい。
読んでいるうちに世界に引き込まれます。
この本も、ドラマ「24」のように、複数の出来事が同時進行で進み、徐々にそれらがマージしていくタイプ。個人的には、『1Q84』と双璧をなす面白さだと思います。
現実社会に生きる私と図書館の女、非現実社会と現実社会をつなぐ博士と孫娘・そして世界の終りの僕と影。想像のなかで、荒唐無稽な世界を作り出し、そこに生き生きとした人間模様を描く想像力・構想力、すべてに圧倒されます。
不老不死は、時間を延長することではなく、時間を極限まで短くすることで得られる、「精神の世界」で達成し得るもの、という下りが特に印象に残りました。
純粋なエンターテーメントとしても楽しいですが、あえてここから学んだことを書くとすると、、、「何らのストーリーを展開するには、“ルール”作りが肝」ということかなあ。
ルールがあるからこそ、その中でどう立ち振る舞うかがドラマになり、心理的な変化もうまれる。戦略も出てくる。仕事も人生も同じかもしれない。
自分でルールを作らずにぼけーっとしていると、無味乾燥な時間が流れて行ってしまうのかもしれない。
今年もちょうど半分経過したことだし、早速何かをルール化してみよう。
- 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)/村上 春樹
- ¥620
- Amazon.co.jp
- 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)/村上 春樹
- ¥580
- Amazon.co.jp

