しばらく旅行に出て、更新しなかったため、危うく3日坊主になってしまうところでした。。
旅先の移動中に読んだ本について順次紹介したいと思います。
読書日記4冊目は、沢尻エリカと結婚したハイパーメディアクリエーターこと、高城剛氏の本。
著者に対しては、(失礼ながら)ワイドショーで見るその言動&風貌から胡散臭い人だな、という印象で、ややうがった眼で読み始めたのですが、要点が散漫でやや読みづらい文章だったことはともかく、面白い内容でした。
本書は大きく3つのテーマを扱っています。
①世界の航空輸送市場におけるLCCのインパクト及びその将来性
②日本の航空市場の特異性、問題点、将来性
③「個人開国」の勧め
内容として注目すべきは、一つ目のテーマ、LCC。
LCC(Low Cost Career)とは、長年世界の空を独占してきた大手航空会社に対し、価格競争を仕掛ける新興の航空会社のことで、アメリカで初のLCC、SouthWestが登場してから30年で航空券価格の大幅な低減をもたらして来たといわれています。
価格競争のための、コスト削減手段としては、
機内食の廃止、
予約・チェックインなどインターネット手続の徹底による人員削減、
賃金低い外国人パイロットの雇用、
発着料の安い郊外の空港利用、
などが挙げられています。
素人(私)のイメージでは、航空会社のコストは飛行機本体購入費&整備費、及び燃料費がほとんどを占めているのだろう、と思っていたのでちょっと意外でしたが、確かに日本のスカイマークや、アメリカのAirTranなどに乗ると機内サービスやチェックイン手続きが簡略化されていることを思いだしました。
航空輸送産業みたいな初期のインフラ投資が大きそうな産業でも、運営費・人件費の占める割合は大きいのですね。
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リースを考えず、勝手に頭の体操をしてみると、
有名なボーイング747の価格は220億位とのこと。
たとえば東京―ソウルは1160キロ、燃料であるケロシンがリッター0.07キロ飛ぶそうなので、片道約20000リッターが必要。リッター40円だとすると、燃料費は80万円。(そんなに大きくないのですね。)
一方、満席の400人が一人4万円払うと、売上は1600万円。仮に、諸経費除いて1000万円ずつ利益をあげたとしても、220億をかえすためには、2200回飛ばねばならない、、、、
なかなか利益をあげるのは大変そうですが、たしかに運営費は航空チケットに大きく影響しそうです。
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本書によると、今後も世界全体の経済成長に伴い、航空輸送業界は発展していく見込みであり、LCCのシェアもますます高まる見込みとのこと。
ちなみに本書のタイトル、「70円で~」はキャンペーンか何かの価格であって、常態化されたものではありません。文中でもちょっとしか触れられていません。
現在、アメリカに住み、頻繁に格安航空券を使用している私としては、上手なチケット入手方法があるのか!?と期待しての読書だっただけに、そこはがっかり。さすがにミスリーディングなタイトルだと思います。
2つ目のテーマ、日本の航空産業については、
・成田空港の問題点(高い発着料、不足する滑走路、東京から遠すぎるなどなど)
・羽田空港の問題点(発着便が多すぎる、滑走路が少ない、成田との歴史的関係)
・日本の航空行政の問題点(将来ビジョンがない、規制によりJAL&ANAを守りすぎ、消費者本位でない、成田・羽田論争のせいでハブ空港のポジション取れなかった)
・LCCの未発達(国内市場が中途半端に大きいことにより世界で勝負できるLCCが育っていないという、他の産業にも共通する問題)
といった厳しい見方が述べられています。具体的な打開策はないものの、日本の航空行政がもつ問題点を広く捉えていて、勉強になります。
3つ目のテーマ、「個人開国」は高城氏の人生哲学のようなものでしょうか。本書の最後にとってつけたように、まとめとして掲載されています。
大まかに言うと、
自分で考えたことをまずは行動に移してみよう、見聞きするだけでなく実際に現地に行って触れてみよう、そうすれば世界は広がる!
というようなことが書かれています。
至極なっとく。大好きなアントニオ猪木の言葉と通じるものがあります。
人は歩みを止めた時に、
そして、
挑戦をあきらめた時に年老いていくのだと思います。
この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せば
その一足が道となり
その一足が道となる
迷わずゆけよ
行けばわかるさ
こうした哲学を実践している高城氏が格好よく見えました。