あと数時間もすると
新しい元号が発表されますね。
「平成」が発表されたときは
昭和天皇崩御の直後でしたから、
あの有名なシーンの小渕さんは当然黒ずくめの姿で、
画面全体がなんとなく沈んだトーンだったように思います。
そんな中、真っ白な紙に墨でくっきりと、
若木のように素直な字で書かれた『平成』
その書だけが妙にさわやかに際立っていて、
その落差に違和感というか、
なんとも言いがたいアンバランスな印象を
抱いたことを思い出します。
史上初のテレビでの元号発表で
さぁ明日からは平成が始まりますよ、と言われて、
歴史上最も長かったという昭和の時代が
こんなにもあっけなく終わってしまうのか、
と 当時浪人生だった私は
ただただ呆然と画面を眺めていました。
たった7日間で終わることになってしまった
昭和64年の名残りを惜しむゆとりもなく
ざわざわと落ち着かない気持ちでした。
(平成のスタートはセンター試験の直前で、
「みなさんは平成元年度の新入生として
大学に入学できるってカッコいいですね」と
ヨビコーの先生から激励されたっけ…余談)
「現天皇が生きている間に譲位する」
そのためにきまりごとに特例を設けたり
いろいろ準備は大変だったようですが、
私はこのかたちの「代替わり」を
とても好ましく受け止めています。
新しい元号を、喪の悲しみの中ではなく
ただ楽しみに待てるって素敵なことだなぁと。
気に入るかどうか、の不安はありますが^^;
「平成」を迎えたときは
いきなり継母を紹介された子どもみたいな心境でしたが、
つぎの元号は、
新一年生が真新しいランドセルを与えられるみたいにワクワクできるといいな、
なんて能天気に願っています。
平成がもうすぐ終わってしまうのはさみしいけれど、
心の準備ができるのはいいものです。
さきほど、就職先の街に引っ越した長女から
「おはよー!起きたー!」
とLINEがきました。
ついに今日は入社式です。
がんばって掴んだあこがれのお仕事、
元気に働くことができますように。
横浜の桜はいま八分咲きくらいです。
(これは一昨日長女が撮ったものです
…忘れ物を取りに早くも里帰りしてた(^^;;)
『初春の令月にして 気淑く風和ぎ
梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす」
という万葉集の一節が典拠とのこと。
日本人のことばから生まれたというところに
グッときました。