Ver.2 | sgtのブログ

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歌うことが好きです。コロナ禍で一度はしぼみかけた合唱への熱が''22年〜むしろ強まっています。クラシック音楽を遅まきながら学び始める一方、嵐の曲はいまも大好きです。


いつもお邪魔させていただいているブロガーさんが、ある日素敵な歌の解釈を上げられたのに触発され、
ぜひこれをもとに創作させてほしいとお願いし、快くお許しをいただいたものの、
いざ取りかかってみるととんでもなく大変でした。


その解釈から真っ先にに思い浮かんだのは、
光源氏が亡き紫の上を想う心情でした。


この歌の情景は源氏物語と合うのじゃないか、と考えだしたら止まらなくなり、そのうちに源氏の視線、夕霧の視線、どちらも成り立ち得るように思えて、とにかく書いてみたいと思ったのです。


実は一度、「夕霧の立ち位置のつもりで」強引に現代の状況に置き換えたものを書いて(つまりこれがVer.1でした)上げていたのです。


ところがいざ読み返すと、こんなの読んでもちっとも嬉しくないなぁと興ざめし、こそこそ下げる、という意味のないことをしたりして、
私のイメージだけではあまりにも貧しくて、この歌の世界はとても表現できないと思い知りました。


じゃあ、やめときゃいいじゃない。
そもそも誰も求めてやしない。
ひとつ失敗作をこさえておいてまだ懲りないの?
という心の声も聞こえます。
けれども、思い立ったらまずは書いてしまわないと冷静になれない、我ながら困った性分です。
Ver.1はいわば、横道にそれた妄想を一掃する露払いだったのだと、どこまでも自分に都合よく考えることにします。


ズルいやり方ではありますが、ここは最初のひらめきに戻って、
源氏物語の世界観をお借りしようと思います…ですから、オリジナルの創作とは違うものになりました。
歌にも、源氏の君にも、失礼にならないよう精一杯頑張ったつもりですが、
格闘した結果は以下の通りです。


多くの方に愛されている歌に勝手なことをして申し訳ありません。
前説がくどくどと長くなったことも、あわせてごめんなさい。
ご不快な場合は、どうかどうか「回れ右」でお願いしますm(_ _)m
















♯♭♯♭♯♭♯♭♯♭♯♭♯










憂き夜に












散りかかる花びらにふと見上げた
おぼろにけぶる月を縁取る光は
可憐な少女のやわらかな頬
どんなに時を経ても 心はあの日へと飛んでいく


追いかけるほど離れていく
雲のように遥かな存在に魅入られて
触れられなくても求め続けていた
危うく 若かった日々


無茶なこともしてきた
さすらう漂泊の身となっても
ひとの心を徒らにかき乱し
やみくもに 想いの溢れ出すにまかせて


もう還らないと知りながら
今夜あてもなく待ってみる
あの汚れのない微笑みに逢いたくて


あなたに遅れまいと誓ったのに
こうしてひとり数える夜の
なんと無為なことか!










萩に置かれた露の消えゆく暁
命の限りが迫る気配にとまどう
変わらない姿がすぐ近くにあるのに
魂はもう あまりにも遠くて


遂げられなかった約束が
さまざまに像を結び思い出される
いまこそ叶えようと身を尽くしても
飛び立ってゆくのを とどめ置けない










闇の中 静かに舞い散る花びらが
呼び覚ます遠い日の幻影
出逢いからひとつながりの調べのように
心をざわめかせる


あなたのいない夜を重ねたとて
何の意味があるだろう?
今すぐにもあなたを追いかけたい
雲間を抜け輝く空の彼方へと


心ならずも永らえるこの身は
夜ごとの月にあなたを想い焦がれている