PTでのお座りの練習は、各セラピストによってやり方は異なるので、これから書くことが絶対ではありません。
私が普段やっていることを参考までに書きます。

疾患によって特性はさまざまですが、大切なことは(昔、先輩に教わりました)、『坐骨で体重を受ける感覚をしっかり覚えさせること』です。
床上座位練習の場合は、あぐらから始めます。割座(女の子座り)や長座位はやりません。
※時々、自力で座れるという子がいても、それが割座なら即あぐらの練習をします。割座はなるべく避けていただくようにお母さんに理由を説明します。

あぐらで座らせる際、PTが体を支えたり、正面には肘をつける高さの台を置き、肘をついて体を支える練習をします。
この時のおもちゃは、主に見るだけで楽しめそうなものを選択します。
それは、手は体を支えるのに精一杯で、遊ぶ余裕はないからです。 

肘で体を支えるに慣れてくると、片肘をついたまま手を伸ばしておもちゃに触ろうとします。
こうなると、触って楽しめるおもちゃ(叩く、押す、引くなど)でも遊ぶことができます。

座位の感覚がだんだんつかめてきて、体幹が強くなってきたら、肘をつくのをやめて、手のひらをついて体を支える練習をします。
この段階になると、両手を離して遊ぶようになります。はじめのうちは、台から手を離した途端後ろに倒れそうになりますが、これを繰り返していくと、倒れないようにしっかりバランスをとる練習にもなります。
動くものに対して、多方向に片手を伸ばして取ることもできるようになります。

腕を肩から動かす動きが大きくなればなるほど肩は強くなっており、肩が強くなると手先の動きも上手になります。また同時に体幹がしっかりしてきたことにもなります。

ただ座って遊んでいるように見えても、子どもなりにしっかり運動し、鍛えて、自身の体を成長させています。

次回は椅子のお座りを書きます。