ハリがプンスカして帰って来た割には


あっさりと直ぐに落ち着いたから


実際の所どうなのかな?と思い


二人ともベッドに横になってから


何気なくオヤジの事を聞いてみた。


そしたら


ハリは沢山言いたかった事があった様で


言いたい事を思い出しながら


あー、こんな風に言われた事も腹が立った


こんな事も言われたけど、完璧にアイツが悪い


昔はこんな事があった


などなど


次から次へと言いたかった事を話してくれた。


普段のハリは、私が元夫の事が大嫌いだから


私がムカつかない様に


あまり父親の話を私にしないと言う事も有るけど


考えると腑が煮えくりかえるから話したく無い


と言う理由も有って話は避けて居たらしい。


でも私に吐き出したら少しスッキリしたから


もう少し話して良いか?と


どんどん父親の酷さっぷりを話し始め


私はそれに同調して


そーなんだよ、そこがムカつくんだよ!


昔っからそこが問題なんだよ!


ばっかじゃ無いの?


ふざけんな!


とか言いたい放題相槌を打った。


ハリが4歳の頃に離婚をして


ハリが私と住みながら、私達が親権を共有すると言う家裁の強い勧めで


いざ離婚が出来たら、ハリの前で父親の批判をしたり悪口を言ったりする事は


自分の理性が保てる限り頑張って我慢して来た。


それは泣いても笑ってもハリにはそのクズの血が流れて居て


クズの遺伝子を受け継いでいる訳で


父親を否定すると言う事は


ハリに取っては、ハリの遺伝子を否定される事になり


ハリの親の悪口を言うと言う事は


ハリを傷つけると言う事だから


だから


ハリが自分で父親の事を知り、理解するに任せて


私から余計な考えを植え付ける事はしない様にして来た。


離婚する前、元夫は自分の事ばかり考えて居て


私やハリは奴隷とそのおまけ、程度にしか考えて無かったと思う。


まあ、今も変わらないけど。


週末になると、自分の好きな事を狭い家の中でやりたいから


一日中外出して居てと言われて


私はベビーカーに乗せたハリを連れて一日中外をうろついて居た。


まだハリが小さくて私も疲れて居て


公園の芝生の上で、起きて居る赤ん坊のハリの横で寝てしまった事もある。


父親は趣味でかなり大掛かりな木工の様な事を家の中でやるため


ベッドルーム件リビングルームがおがくずだらけになる上に


大麻を吸いながらやりたいから、私が怒るし


ハリには良くない環境だと言って


私達を家から追い出して居たのだ。


お小遣いをくれるなら良いけど


私はほぼ一文無し状態で外出させられて居たから


周りでベビーカーを足元にはべらせてコーヒーショップで雑談してる親たちが


とても羨ましかった事を覚えてる。


離婚した頃はハリも大きくなって居て


私もバイトしてお金を持って居たけど


父親がハリに時間を使わなかった事は変わらず


だから


離婚した途端に


ハリに会いたいと言って


自分の面会時間を主張してくれて


「あー良かった。


これでハリも父親と過ごす時間が手に入る」と


思ったものだった。


しかし


週一のお泊まりで


ハリからかなり苦情が来て


ハリは父親の所に泊まりに行きたく無い気持ちから


大きな嘘をつき


ハリの嘘から、私はCPSに連絡をする事になった。


父親から脅されたとか、父親が足を蹴ったとか


色々とハリが言うので


虐待の通報をしたのだ。


結果父親は、ハリに虐待などして無くて


その調査機関からは私の頭が狂ってる扱いを受けた。


ハリのカウンセラーは、お泊まりを無くした方が良いと言うので


再び家裁に申請して、ハリの面会を


お泊まりから


週に4時間だけの面会に変えた。


面会の時のハリの受け渡しは


ハリの父親が私に対して暴言を吐いたりする人間だった為


警察署で毎週引き渡しをして居た。


警察署にハリを連れて行き


私はハリを警察官に渡して去る。


そして父親が迎えに来る、と言うやり方。


ハリが大きくなったら


自分で近所に歩いて待ち合わせ場所に行く


そのうちバスに乗って会いに行く様にと変わった。


ハリの父親は身体に暴力は振るわなかったが


ハリの精神にかなりダメージを加えて居たんだな


と言う事が、昨日の会話で分かり


反省した。


子供には両親が必要だから


片方の親を離婚を理由に子供から取り上げては行けないと言われ


ハリの父親がハリに関わる様にして居たが


ハリは長年父親を見て来て


絶望感しか味合わなかった様だ。


それでもハリは相手が父親だから、親子としての情は有るし


出来れば人間として真っ当に、相手をリスペクトしてケアしようとずっと我慢して


頑張って来たのに


相手はハリを大事に思って無いのが丸見えで


あまりにも酷過ぎる。


ハリの堪忍袋の緒が切れたのだ。


ハリは父親と縁を切りたいらしい。


私的にはハリが繋がって居てくれると


憎まれっ子がとうとう消滅した時に連絡が来て


生命保険の申請が出来るから


有り難いって言えば有り難いけど


ハリはもう父親と関わり合いたく無いから


父親の消息を知る手立てがなくなる事を許してくれと言うのだ。


私はもう良いよ、頑張って繋がって無くてさ。


好きにしなさい、アイツはあなたが責任を負うべき事は何一つしてくれなかったから


もう良いよと言う話をした。


父親と繋がって居ると言う事は、父親の心配をすると言う事で


連絡が無ければ、病気や事故に遭ったのかと思うし


ずっと考え無くてはならない。


でも心配する度に裏切られた感覚を覚えさせられ


最後に嫌な気持ちが残るだけ。


ハリに電話をして来ても自分の言いたい事を聞いてくれる相手が居ないから掛けてくるだけで


ハリの話は聞かないし、同じ話を繰り返すだけ。


ハリの人生でハリが父親から貰った物は


要らない情報のみ、とハリは言い切った。


ハリは自分にこいつの血が流れて居るのかと言う事を


知りたくなかった。


父親の情報は知らない方が良かったと言われた。


知らなかったら、その事を心配しながら生きなくて済むからと。


まあさ


精神疾患が多い家族かも知れないし


身体のあちこちに問題が生じるかもだし


癌の家系でも有るけど


でもオヤジは長生きしてるし


長生きの家系なんじゃん?


「お母さんが楽天家な思考なのは分かるけど


僕は良い事ばかり見る事は出来ない性格なんだよ。


良い事と悪い事があったら


悪い事の方に注目しちゃうタイプなの。」


「だから、一緒に住んでる楽天家から


その考え方を学べば?」


「学んで変えられるもんじゃ無いんだよ。」


と言われた。


鬱になる家系で、おばあちゃんは双極性障害を発生してたし


色々と考えたら


心配なんだそうだ。


だから


深く考えなきゃ良いのにー


「お母さんはそこの部分が理解できないんだよ。


そう言う性質を持ってるから、


考え無い事が出来ないんだよ。」



ハリの怒りの吐き出しから


ハリが心配してる事など


少しだけ話をして


ハリ的には少しスッキリしたと思う。


私は嫌な事をいつまでもネチネチと覚えておかない様に


わざわざ思い出さない様にして生きているので


この話も直ぐに忘れそうだから


書き留めておく。


ハリの父親の酷さぶりは沢山のエピソードが有るが


同じ理由で何度も思い出さない様にしながら


心の衛生を保っている為


脳の奥にしまってある記憶を掘り起たら


嫌な話は沢山有るだろうなぁと思う。


ハリも今、この嫌な感情から訣別しようとしている所なんだなぁ。


なら


考えを改めさせるのは可哀想って話だ。


縁切りなさい。


良いよ、縁を切って。


ゴミ処理場で焼却して灰を土に埋めてお終い。


ゴミはいつまでも持ち歩かなくて良いよ。


長い年月辛い修行だったね。


これからは好きな人だけを周りに集めなさい。