最後に、子供を叩く親に関してです。

感情に任せて、子供を叩く親。

この親は、

先ず子供を躾ける前に、自分の躾から始めたほうが良いですね。

保育園で子供たちに教えることで

一番初めの段階に教えることが

「頭にきたときは、暴力を使わずに言葉を使いなさい!」と言うことです。

まだ2歳児、3歳児、あるいは5歳や6歳になっても

感情が上手くコントロール出来ずに

手が先に出てしまう子どもが居ます。

それは仕方の無いことだと分かって居ても

私たち大人は

繰り返し子供に伝えます。

「頭に来たからと言って、友達を叩くのは良くないよ。

おもちゃを投げたらいけないよ。誰かに当たったら怪我をするでしょ?」

これは、子供の体が大きくなるにつれ

自分でコントロールできるようになっていきます。

叩かれた子供には

「叩かれたから痛い!あなたに叩かれて私は怒っている!

叩かれることは、嬉しくないよ!頭にきたよ!」とか

「痛くって悲しい!もう二度と同じことをしないで!」と言えるように育てています。

これが、コミュニケーションや社交において成功する為に必要なことです。

なのに、家庭がその最低限のルールを守れない家庭だったらどうでしょうか?

感情に任せて、人を殴る人間が家にいる。

叩かれて悲しかったり、悔しくてもそれを声に出して言ってはいけない環境。

子供は親のやるように、自分の思い通りにならない時は

全て暴力を使う方法を選ぶかもしれません。

理由が無いのに、気分で人を傷つけることもあるでしょう。

なぜなら、それは家ってはいけないことだと教えるべき大人が

毎日のように、家で暴力を使っているのですから。

また子供は、学校に通うようになって苛められた時に

自分が嫌なことは嫌だといえるようになって居なくてはなりません。

嫌なことを我慢し続けるのではなく、それを嫌だと拒否して

勇気を持って、そこから離れることを覚えなくてはいけません。

なのに、家庭内で逆のことを教えていたらどうでしょうか?

親が子供を叩いたり蹴ったりするけれど

子供はその暴力を黙って受け入れなくては成らない。

叩かれて痛かったと声を大きくして叫べない。

自分を叩いて傷つける人間の元から、離れる権利も無い。

そういう家で育った子供は、慢性的に暴力や苛めに関わる人生を選ぶと思います。

他に選択肢がなくなるのです。

自分を尊重して、嫌なことから逃げる方法を親から学べないからです。

子供に躾をしたい人、まず自分の躾を完璧にしてから

小さな子供を躾けましょう。

大人のあなたが自分を躾けられないのなら

小さな子供に高望みをするのはやめましょう。



さて、自分の身の回りの人が

子供を叩いている場合

これは残念ですが

止められません。

下手に口出しをすると、子供がもっと被害にあうので

それだけは避けてください。

子供を叩く人間は、自分こそが完璧な人間だと思いがちです。

自分の間違いに気付きたいなどとは、これっぽっちも思っていません。

そんな人間に助言をしたら、子供がさらに殴られるだけです。

遠まわしに、それがいけないことだと気付かせて上げられたら良いのですが

それは無理です。

アメリカのように、公共の場で子供を思いっきり叩いていたら

すぐに通報されて、子供を取り上げられるような社会でもありません。

そんな社会だったら、裁判所が強制的に

親の暴力を直させることも出来ますが

それは今の日本では考えられません。


もしも自分が親戚だったりしたら、その子供が自尊心を失わないように

その子供との絆をしっかり作り、常に子供を理解してあげ

一緒にいるときに、子供がリラックスできるような環境を作り

お互いの間に信頼関係を作っておきましょう。

人間はたくさん叩かれた場合

体の痛みはある程度忘れられますが、心の痛みを忘れることは難しいのです。

親に理解してもらえなかったという心の痛みを抱えて育つ子供に

少しでも助けに成れるように

親戚であるあなたが、その子供を陰で支える大人となる方法があります。

その際に、子供を叩く親を目の前で否定してはいけません。

その子供を大事に思うから叩いてしまっているのだということを心に止めて

子供の前で

「親が子供を叩くなんていけないことだ!」と言うのはやめましょう。

自分を生んだ人間を憎むように仕向けてはいけません。

叩かれたことが本当に嫌だったら、その子供は叩かないことを選べると思います。

それには、その気持ちを支援する

暴力を使わない大人との繋がりが大事です。

私たちは、世直しマンではないので

目の前にいる、間違った子育てをしている人を片っ端から捕まえて

注意することは不可能です。

本人に気付いてもらわない限り、これは変えられません。

ましてや、自分の家族が間違っている場合は

いちばん厄介です。

その子供と顔を見合わせる機会も多いでしょうし

生まれたばかりの赤ん坊だった頃に比べて

明らかに、子供の顔がひねくれてきてるとか

目が悲しそうだとか

大きな変化に気付いてしまうかもしれません。

でも、子供のためを思ったら

近道で直す方法はないと頭に入れておくのが良いと思います。

その子供にはかわいそうだけど・・・そんな親の元に生まれたことが運命なのです。

冷たい言い方に聞こえてしまいますが、子供を必要以上の被害に合わせないためにも

子供を叩く人に対する助言は、くれぐれも気をつけてくださいね。