ハリの父親、つまり私の元旦那は

三人兄弟の3番目だ。

一番上の長女とは、9歳離れてて

その下のお兄さんとは、5歳離れている。

ハリの父親は、その兄弟たちと違って

お母さんの周りに纏わりついていた、自立していない大人とでも言おうか

元旦那の家庭は、かなり複雑なBroken Familyなのだが

私が結婚してハリを産んでから

お義姉さんをはじめ、元旦那の従姉妹も気を使ってくれ

家族を嫌っていた弟を、中に呼び戻す努力をしてくれた。

実際には、家族の中でも礼儀を知らず、横柄な態度で家族を怒らせてばかりいる

元旦那が一番悪いのだが

元旦那は、お兄さんが嫌いだとか

お姉さんがすぐに怒るとか

人の所為にして、家族の集まりにも顔を出していなかった。

と言うか、誰も彼を呼びたがらなかったらしいけど。


だから、私が家族に加わっても

同じように、場の雰囲気を壊し

家族に失礼なことを言ったり、ずうずうしい態度を取ってる元旦那がいた集まりは

みんなの顔がだんだん変っていくのが見れて、ちょっと申し訳ないと思っていた。

唯一、ハリの存在が

その嫌な雰囲気を和ませていたけれど

クリスマスなどの集まりの後は

『弟には、しばらく会いたくない。』とお義姉さんの愚痴を聞く羽目になっていた。

離婚した後では、『これで弟を呼ばなくて済む!』と言って

お義姉さんやお義兄さんの家族が集まる中、私とハリだけが誘われたりした。

私はその後で、よく考えた結果

『家族の集まりには私たちを呼ばないで、弟である元旦那を呼んであげて欲しい。』とお願いした。

『私には、家族がいなくても友達がたくさんいる。でも、あなたの弟には友達がいないから

家族に見放されたら、一人ぼっちのままになってしまうんだよ。』

『でも、それは彼の自業自得でしょ。大人なんだから、自分の態度を変えなくては

人が自分の周りから離れていくって、そろそろ分かっても良い年でしょ?』

そんなお義姉さんは、

弟である私の元旦那の心の苦しみは

半分も分かっていなかった。

私が結婚した後で聞いた話を

義姉に伝えたら

彼女は凄く後悔していた。

自分の取った態度が、弟をこんな風にしたのかもしれないと。

彼女は、長女としての責任さえ感じていた。

あって数時間もすれば、結局は喧嘩で終わる二人だったが

だんだんとお互いの距離が測れるようになってきた。

ある年から、心の底から憎んでいたお兄さんに対しても

元旦那は心を開いた。

あれほど私が、考え直して受け入れるように伝えても

全然変らなかった元旦那の考えを変えたのは

彼らの年齢だった。

『もう年で、いつ病気になってもおかしくないと思ったら

兄を避けてるのがおかしく感じるようになって、電話をしたんだ。』と言っていた。

お兄さんは、もしかしたらお姉さんから話を聞いていたのかもしれない。

今まで毛嫌いして、態度も悪かった弟を

なんでもなかったかのように、家族の輪に引き入れてくれた。

お陰で、元旦那は電話をかける人間が出来た。

ハリを連れて行って、成長を自慢できる相手もできた。

でも、ここまで来るには凄く長い道のりだった。

お陰で、病気で薬漬けになり

今までとは同じ考えが出来ないお姉さんに会いに行く現実。

もっと前から仲良くしていたら、

お姉さんと、もっと楽しい時間を過ごせただろうに。

病気の彼女を励ます為に遊びに行くなんて・・・

人生とは、皮肉だなと思う。


元旦那は大人なので、もっと早くから自分の問題を見つめて、

自分を変える努力をしなくてはいけなかったのかも知れない。

でも、その前に思うことは

一人の人間の人生が

周りの大人の所為で、どのように影響を与えられるのかということ。

元旦那を見て、私は色々と考えてみた。

彼が、家族と一緒にいられないような人生を送っていたのは

彼の人格のせいか?

親の育て方のせいか?



そんなことを考える為に『もう一つの家族』と言うテーマで書いていこうと思う。