昨日6月11日(月)、「給食食材の継続的な放射性物質検査の実施を求める請願」を提出しました。

1.件名 
給食食材の継続的な放射性物質検査の実施を求める件

2.要旨
給食食材の継続的な放射性物質検査の実施、および情報提供を求めます。
1)以下の食材を中心とした食材ごとの検査を実施して下さい。
現在まで高い頻度で汚染が確認されている食材
主食となる米・パン(小麦)
毎日摂取する牛乳
その他、国の検査で汚染が確認された食材や保護者が不安と感じる食材
2)子どもに不必要な被曝はさせないという目的のために、十分に低い定量下限値での検査を実施して下さい。
3)検査結果については市のホームページのほか、保護者に分かりやすく、文書などでの情報提供をお願いします。

3.理由 

 福島第一原子力発電所の事故による食品の放射能汚染は、今後長期にわたる問題です。特に成長期の子ども達の放射性物質への感受性は大人の10倍ともそれ以上とも言われており、子ども達に何を食べさせたらよいのか、私たち保護者は日々の食材選びに頭を悩ませています。
所沢市の給食はこれまで、農薬や遺伝子組み換え作物、食品添加物などに配慮して提供していただいています。また、今回の事故を受けての食品汚染の問題にも、子どもたちに不必要な被曝をさせないという姿勢で大変注意を払って対応していただいております。これは今まで実施された食材検査やまるごと検査が、すべて不検出という結果であったことにも表れており、感謝申し上げます。
今後長く続く食材汚染の問題と対峙するにあたり、食材検査は内部被曝の低減につながります。子どもたちにとって大きな楽しみの一つである給食の安全、安心が確保されるよう、是非継続的な検査の実施をお願いします。

1)国の基準値以下でも安全の保障はありません。子どもたちには可能な限り放射性物質ゼロの給食を提供するべきと考えます。
4月から、食品の基準値が改定されました。新基準値は暫定基準値から大幅に数値が下げられたものの、「食品からの被曝を年間1ミリシーベルト」とするものです。外部被曝、内部被曝を併せて年間1ミリシーベルトを許容限度とする現行の法律とは矛盾しています。札幌市では、4ベクレル/kg以上の放射性物質が検出された場合は念のため使用を控える、という姿勢を示しています。所沢市としても、子どもに提供する給食はゼロベクレルを目指すという姿勢で、臨むべきと考えます。そのためにも、検査による安全性の確認をお願いします。

2)現在の国の検査体制では、一部の食品しか検査されていません。
現行の検査はサンプル検査であり、これをもって市場に流通している食品はすべて安全、という事は出来ません。23年度産の米の検査では、同じ地域であっても、地形や土壌の質、肥料の与え方などで放射性物質濃度に大きな差が出たとされています。本来であれば、田畑ごとに放射性物質濃度が異なるという前提で安全性を確認することが必要です。
今後の汚染が懸念される魚貝類などは、産地による判断だけでは安全を確認することが難しいと思われます。また、埼玉県も食品の放射性物質の検査対象自治体とされています。水産物、農畜産物とも、積極的に検査を行い、少しでもサンプルを増やすことが必要です。

3)比較的安価なシンチレーション式検出器でも、有効な検査が実施できます。
所沢市では今まで、検査を外部機関に委託し、ゲルマニウム半導体検出器による精度の高い検査を行ってきました。非常に高価な機器ですが、独自にこの機器を導入し、給食食材検査に使用する自治体もあります(杉並区、神奈川県秦野市など)。
多くの自治体が導入しているシンチレーション式検出器は、ゲルマニウム半導体検出器に比べると分解能や定量下限値では劣りますが、感度がよいという利点もあり、160万円程度の機器でも、1時間で4~5ベクレル/kg前後まで測定することが出来、さらに時間をかければより詳細な測定も可能です。
今後、必要に応じて、ゲルマニウム半導体検出器、シンチレーション式検出器を使い分けることにより、より効果的な検査体制が確立できるのではないでしょうか。

4)給食丸ごと検査では、汚染された食材の濃度が薄まってしまう、という問題点が指摘されています。
今年1月から5月にかけて、給食一週間分をまとめてミキサーにかけ測定する丸ごと検査が実施されました。しかし丸ごと検査では、汚染された食材が他の食材と混合されることにより濃度が薄まり、汚染の実態が分かりにくい、という問題点が指摘されています。本来であれば食材ごとの安全性を確認するべきところを、検査機器や検査時間の不足から、やむを得ず補助的に実施するのが丸ごと検査であると認識しています。
食材検査を第一に考えて実施していただきたいと思います。

5)文書による情報提供で、すべての保護者に分かりやすく食材情報をお知らせください。
現在、食材の産地情報や検査結果を、市のホームページで公開していただいています。今後の検査結果等も、同様にホームページでの公開をお願いします。また、すべての保護者に分かりやすく情報が伝わるためには、文書によるお知らせが基本となると思いますので、紙媒体での情報提供をお願いします。保育園や自校調理校においては、各園・各校の事情に照らし合わせて食材産地情報についても、文書などでお知らせいただくようお願いします。