「学校に行きたくない」の聞き方 | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

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マスターインストラクターの谷川明子です。

私は学校に行けない子どもでした。

今から30年前、まだ「不登校」という言葉もなかった頃のことです。

母になって今度は娘が学校に行けなくなりました。

「学校に行けなかった」私と「学校に行きたくない」娘。

同じ経験があるのに、娘の「学校に行きたくない」がうまく聞けませんでした。


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「行きたくない!」はわがまま?!

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始めはズルズルと学校へ行かない日が増えていきました。

ある日娘が「学校行きたくない」とハッキリ言った時、「行きたくないはわがままだ!」と思いました。


私は行きたくても行けなかった。

行きたくないのなら、気持ちを変えれば行けるようになるのでは…そう思ったのです。

どうしたら娘が学校に行きたくなるか、そればかりを考えました。


楽しいことがあれば行くのか、嫌な事がなくなれば行くのか、と。

でも、そうではないと言います。


それならば…と私はこう伝えました。



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「学校で勉強するのが学生の仕事なんだよ。

勉強したくてもできない子が世界にはまだ居るんだよ。」

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実は私が不登校の時に、母から似たようなことを言われました。

「あなたは恵まれてるのに…なんで学校に行かないの?」


当時の私はそれを聞いて「お母さん、ごめんなさい。私もっと頑張らなきゃだよね」そう思っていました。


スグに学校に行けるようにはなりませんでしたが、数年後に復学するまでこの言葉は私の中に強く残りました。

お蔭で不登校を乗り越えられた!と思っていたのです。


だから私も、娘を諭しました。

「学校で勉強するのが学生の仕事なんだよ。勉強したくてもできない子が世界にはまだ居るんだよ。」


娘は「は?その子と私は関係ない!!」と強く反発しました。


その反応に、私は怒りを感じ反射的に言おうとしました。

「あなたは恵まれてるのに…」

言おうとして言葉が出てこなくなりました。

なぜか(言ってはダメ―ー!!)私の中で声がしたのです。




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傷付いていた自分に気づくと

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拒否反応の原因はすぐには、わかりませんでした。

その後「子どものこころのコーチング講座(初級)」を受講した時、まったく同じシチュエーションのワークがありました。


「学校に行きたくない」と子どもが言ったらどう聞くか。

諭されるとどう感じるか。

「学校行きたくないんだね」と聞いてもらうとどう感じるか。


子どもの気持ちになって台詞を聞いてみたら気が付いたことがありました。

諭された過去の私は、罪悪感を感じていたんだな。

恵まれてるのに、ダメな私、お母さんを悲しませてる私。


当時学校に行けないことよりも、お母さんを悲しませ困らせていることが、私には一番つらかったことを思い出しました。


この言葉を親から言われたら、当然罪悪感を感じるものだ、だから頑張ろうと思うはずだ!

私の中にある価値観に気が付きました。


だから思った通りの反応をしない娘に腹が立ったのだ、と。


そして本当は、恵まれてるのに…そう言われると、もう何も言えない、私が頑張るしかない。

諦めにも似た想いを感じていたことに気づきました。


だから娘にその一言だけは、言いたくない!と強く心が拒否したのかも、と納得しました。



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どちらも間違いではない

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自分の心の中で起きていたことが、30年経ってわかったことで、どうして

「学校にいきたくない」

を聞くのがこれほど苦しく難しいのかが、よくわかりました。


「そうなんだね」

と聞けば、本当に学校にずっと行けなくなるのではないか、という恐れも感じていました。


何か気の利いた事を言わなくては!そう思って焦るけれど、

自分が傷ついたような罪悪感をのせる言い方はしたくない!と無意識の中で抵抗していたのでしょう。



講座で習ったように

「学校行きたくないんだね」

ただオウム返しをしたり、

「そうか、そうなんだね」

と話を聞いてみると、娘はキレることは減り、行きたくないと言いつつ登校する日も増えていきました。


本当にこれには驚きました。


過去の私のように、もう誰に訴えても無駄なのだ、

と心に鎧を着て学校に戻るのと、愚痴を吐きつつも学校に戻っていった娘。


どちらがいい悪いはないのでしょうけれど、私は娘に合った「聞き方」を知ることができて、本当によかったなと思っています。

どんなネガティブ発言も聞くのが怖くなくなったからです。

そう思えたら、過去の傷ついた自分が、心の中で少し微笑んだような気がしたのでした。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。