ミツルの映画・ドラマレビュー


ホワイト・ライズ(原題: Wicker Park) 2004年製作 アメリカ映画

【キャスト】
ジョシュ・ハートネット…マシュー役
ダイアン・クルーガー…リサ役
ローズ・バーン…アレックス役
マシュー・リラード…ルーク役

【あらすじ】
結婚を控えたビジネスマン、マシューは、2年前に突然姿を消した元恋人リサを偶然レストランで見かける。かつて心から愛したリサの面影が頭から離れないマシューは、リサの行方を捜し始める。やがてマシューはあるアパートの一室にたどり着くが、住人はリサと同じ名前を持つ別人(アレックス)だった。落胆するマシューだが、彼女には大きな秘密と嘘が隠されていた…。

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愛し合いながらも2年前、ある理由で離れ離れになってしまったマシューとリサ。2年の歳月を経て故郷に戻ってきたマシューは再びリサを探し始めます。傍にいるのになかなか巡り合うことができない二人。そこに謎の女性(アレックス)も絡んできて物語は思いもよらぬ方向へ進みます。

過去と現在を行き来するようにストーリーが展開する本作。初めのうちは細切れのシーンの連続に「?」な気分になりますが、見続けていくと徐々に1つ1つのシーンがまるでパズルのピースが合わさるように重要な意味をなすものと気づいていきます。それと同時に浮かび上がる悲しくも残酷な真実に思わず唸ってしまうこと間違いなしです。

この作品はカテゴリーとしてミステリーの部類に入るのですが、主要キャラ4人の恋愛模様がとても切なく描かれているので私はむしろラブストーリーとしてオススメしたい作品です。

マシュー役のジョシュ・ハートネットがとても素敵で、一途にリサを思い続ける不器用な青年役を繊細に演じています。愛する人への思いとカメラマンの夢を捨てて2年の時が経ち、エリ-トビジネスマンとなって婚約者ができても心の空白を埋められずリサを探し求めてしまうマシューがなんとも切なく、胸がキュンキュンさせられます。

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マシューに会いたいとリサがルークに電話をかけるシーン。リサがマシューを思ってポロポロと涙を流すのですがこれまた見てるこちらまで胸が締め付けられるような気分になります。

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そしてラストの空港でのシーンは必見です。ネタバレになってしまうので画像は載せられませんが、誰もが胸を打たれる美しいシーンに仕上がっています。切ない恋愛映画を見たい人にはオススメです。ぜひご覧あれ。

実はこの映画リメイク版でオリジナルはフランス映画なんですね。『アパートメント』というタイトルです。

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【キャスト】
ヴァンサン・カッセル…マックス役役
モニカ・ベルッチ…リザ役
ロマーヌ・ボーランジェ…アリス役
フィリップ・エコフェ…リュシアン役
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このオリジナルがまた秀逸でして、リメイクで興味をもたれた方はぜひオリジナル版を見ることをオススメします。私としては、ミステリーとして楽しむなら『アパートメント』を、恋愛映画として楽しむなら『ホワイト・ライズ』をオススメします。

オリジナルはより恋愛の残酷さが描かれていてラストは悲劇的です。しかし伏線につぐ伏線が幾重にも貼り巡らされた脚本はスリリングで圧巻の一言。ミステリーとしては断然こっちが楽しめると思います。

また、アリス役とリュシアン役の二人の役者さんが素晴らしい。こんな女性なら思わず男性もフラフラっとなってしまうだろうなと思わせる美しく凄みの効いた演技を見せてくれるロマーヌ・ボーランジェ、全然イケメンではないのにリメイク作よりも断然男の色気があってなおかつ報われない想いに苦しむ男の哀愁を魅力的に演じたフィリップ・エコフェの演技は一見の価値ありです。神秘的な美しさを持つモニカ・ベルッチも良かったです。

ただ、主人公の男性役のヴァンサン・カッセルはあんまり好みじゃなかったかな?あと優柔不断で嫌でした。「結局そうなるわけ?」みたいな。主役の描き方では断然リメイク版が素敵です。