健康被害3世代~チェルノブイリ26年後~
痛みを訴える右足に手を当てる子若順一さん
(ウクライナ エルコツィー村で):北陸中日新聞
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20121001160549536 (一部抜粋)
事故から26年後のチェルノブイリを視察した日本の作家やNPO法人が、現在進行形の被害や苦しみを相次いで報告している。
福島の子どもらに、同じ悲劇を繰り返させてはならない。
俳優で作家の中村敦夫さん(72)が険しい表情で語る。
4月中旬から1週間の日程でウクライナを訪れた。
健康被害に苦しむ住民や医師らに話を聞いた。
テレシェンコ医師によると、事故時に18歳以下の人に施した甲状腺がんの手術は90年に64件を数えたが、「それが2010年に約700件に上った」と説明した。
小児甲状腺がんは、飲食を通じて放射性ヨウ素を喉にある甲状腺に取り込み、細胞ががん化した病気だ。
事故の4年後ぐらいから急増し、90年半ばをピークに減った。
ところが当時の子どもが大人になった今、甲状腺がんを多発している。
半減期が長いセシウムが蓄積されて被ばくしているとの報告書もある。
事故から約20年もたって生まれた子どもに、
放射線の影響をうかがわせる障害があることを報告している。
原発から西に約80キロのナロジチ市で、
市民病院の近くに住むブラート君(8つ)。
心臓や甲状腺に障害があり、
生後4カ月をはじめに5回も手術を受けた。
年の離れた2人の姉も甲状腺に障害がある。
母親は事故時、10代後半だった。
中村さんは「ほかにも筋肉まひや発達障害など、さまざまな病気に苦しむ子どもたちがいた」と話す。
(日刊ゲンダイ2012/11/8)