さびしんぼう

もう20年ほど前の作品です。

最初は私、この作品を知りませんでした。

＾＾；

でも当時ラジオの番組で欽ちゃんファミリーの小西さんが素晴らしい作品だから是非見て欲しいという様な

事を何週かにわたって語っておられて。。。小西さんがラジオで号泣したんだと話されていたものの何で？って半信半疑でした。

しかも黒澤明氏も見る様に勧めていたというのでまぁ物は試しに位で見たものでした。

しかし作品の冒頭の辺りは笑わせる場面が多く何で泣けるんだろう？号泣？って思いながら見てました

でも。。。時間が経つにつれてその意味が理解できました。

10代という半分子供で半分大人の時期に甘酸っぱい切ない初恋を経験した方ならわかっていただけるんではないでしょうか。

私はちょうど、この作品を始めてみた当初は10代後半（出演している富田靖子ちゃんとは1歳違いだった（はず））だったので本当に自分の感情と相通じるところがあって凄く感動しました。

主人公であるヒロキ君の前に突然現れたさびしんぼう。。。最初はへんてこな奴なんだけどなぜか憎めない。。。。ヒロキは謎の多い少女「百合子」に恋しているものの思いを告げることも出来ず切ない日々をすごします。

百合子は何故か母親の形見の着物を着ていたり、好きになっていただいた方の顔だけを見て欲しいという謎の言葉を残したりするんですが。。。

でもそんなヒロキに普段は何も語ろうとしない父親が一緒に風呂に入って「（人を好きになったら）何もかもを含めて全部好きになれ！」と語りかけるんです。。。

ヒロキは思い切って百合子に会いに行く。。。でも。。。初恋は実らない。。。傷心で戻ってきたヒロキをまっていたのは水に濡れてはいけないはずのさびしんぼう。。。「大好きだよ」というさびしんぼうの声を聞いてヒロキはしっかりとさびしんぼうを抱きしめます。。。

実はさびしんぼうはヒロキの母親がかつて少女だった頃に演じたキャラクターで。。。

ヒロキの名は当時母親が大好きだった人の名前。。。そんな母親の淡い想い出をすべて愛している寡黙な父親。。。

そういうことがラストになってわかってきます。。。

ラストシーンはあれほど嫌がっていた父親と同じ寺の住職となったヒロキ。。。その寺の自室でピアノを弾く百合子にそっくりな少女。。。

映画では何も言いません。。。

でも私は初恋が実ったって信じて見てます。。。。

今の10代、20代の方々には古臭く感じちゃうかもしれませんが。。。。

間違いなく名作ですし是非見て欲しい作品です

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