2023年7月2日(日)
もう7月。
1年の半分が過ぎた。
今日の午後、是枝裕和監督の映画「怪物」を見に行った。
とにかく、お勧めする。
予告編にリンクを貼っておいて言うのも難だが、
何の先入観もなく見に行ったほうがいい。
ちなみに、音楽は坂本龍一さん。
映画の音楽すべてを作る体力は残っていなかったそうだが、
最期の力を振り絞って、2曲提供したそうだ…。
見る者によって、心に去来するものが全く違う映画だろう…。
というより、映画の最初のあたりを観て
湧き上がってくる感情が、
映画が進むにつれ、まったく違ったものになっていく…。
(ネタバレしないように、
その印象は、今日のブログの一番最後にサラっと書いておくので、
映画観た方は、どうぞ)
この映画、もう一度見たいくらい。
パンフレットの解説に、内田樹先生の文が載っていたのも嬉しかった。
実はこの内田先生の文章は、
パンフを買わなくてもここ(→「内田樹の研究室」)で読める。
それは知っていたのだが、
映画を見終わるまで封印していたのだ(笑)
それにしても、子役の2人の演技が凄すぎる。
-----------(↓ 以下、多少のネタバレあり)---------
最初は、湊の母に感情移入しながら見ていた。
息子の担任の暴言・暴力、それに対して謝罪を申し入れるが、
校長以下、「死んだような目」の先生方が、
感情のない紋切り型かつ心が伴わない「謝罪」をする様。
あぁ…こういう場面は様々なところで見かけるよな…という怒り。
ところが、映画が進むにつれ、湊の母には「見えなかった部分」が
次第に明らかになっていく。
湊の母だけではない。
出来事の背景が、次々と明らかになっていく…。
そうしたものを見ていくにつれ、
人間というものは、いかに見えない部分があるか、
そしてその見えない部分が見えないままに、
物事を判断し、それに基づき行動し、
人と分かり合えず、すれ違っていくのか…。
そして、様々な恐れのため、
自分の本心とは裏腹な言動をしてしまう悲しさときたら…。
しかし、最後はちゃんと救いのある映画。