自分のこれまでの経験から、ギター演奏に関して1つ確信して言える事。
「ギターはコード」
です。
音楽にそんなモノは存在しませんが、もし「勝ち負け」があるのなら
コードーフォームをより多く知っているギタリストには絶対に勝てません。
自分が大学のジャズ研に入り、ジャズの常套コードフォームを少しずつ
覚えていっていた頃。
地元のジャズ喫茶によく来られていたプロのジャズギタリストの方のプレイを見たり。
また福岡BlueNote(今はもうない)で外タレギタリストのプレイを見て思っていた事。
「あの見た事もないコードフォームはなんなんだ?」
その後も、ビデオ映像で見たり、この10年では凄く多くの映像がYoutube等で
見られるようになりました。
ギタープレイ、特にコードフォーム(ヴォイシング)に関しては
「見ないと分からない」
です。
でも、実際は見ても分からない(笑)。
では、どうやってやっているのでしょうか?
これはプロギタリスト、特にジャズ系のプレイヤーに関する話です。
アドリブと同じように、コードヴォイシングも
「アドリブ」
で作ってるように見えます。
実はそうなんです。
ジャズでは、アドリブの最中にメロディノートをトップノートにした
コードを瞬時に入れる場合が多々あります。
アドリブなので、次にどこを弾くか決められません。
自分の気分次第です。
「じゃあプロは、そんな沢山のトップノートを持つコードフォームを
メチャクチャ覚えてて、それを瞬時に使ってるのか?」
もちろん、いわゆるお約束、常套コードフォームも使いますし
それさえ星の数ほど知っています。
例えば、こういう教則本が市販されていたらどうでしょう。
「ギターコード完全版 全てのギターヴォイシングがこれで弾ける!」
こういう教則本を作る事は可能でしょう。
現に似たようなモノは売っています。
プログラミングすればパソコンで全てのフォームをはじき出す事も出来ますが
M7とM3が6弦、5弦に配置されたコードフォームなんて覚えても使えません。
しかし。。。それを全て覚えたところで、プロのような
高度なコードアドリブができるでしょうか?
「こんなの覚えられないよ~」
プロの方は口を揃えて言うでしょう。
じゃあ、どうすればいいのか?
思考の転換が必要です。
「コードフォームを1つずつ覚える」
のではなく
「指板上のスケールの音から自由にコードヴォイシングを作り出す」
先日、コードメロディを弾く際の「指板ダイアグラムチャート」を
メジャー系、マイナー系と作っていたのですが。
思いがけないコードヴォイシングがまだまだ沢山ある事に気づきました。
メジャー系コードの場合はアイオニアン(メジャースケール)もしくはリディアン
マイナー系コードはドリアン、もうちょい不安定な響きが欲しい時はメロディックマイナー
これらのスケールを元にして、スケール内の音を自由に組み合わせて
自由にコードヴォイシングを作る事ができます。
もちろん、M7と11thは同時に鳴らさない、とかの決まりはありますが
鳴らしてみれば、おかしいか美味しいか、は分かると思います。
ちょっと変、くらいが逆に「ジャズっぽい」事もあります。
プロの方は、メロディを弾いているのと同時に、その時の
「コードとスケールの音」
を指板上で把握していて、自由にヴォイシングしています。
最初の内は、マイナー1発系(モードっぽくなりますが)や
メジャー系でダイアトニックコードだけ使った進行の中で練習すると良いです。
手前味噌で、まだまだ修行が足りないのでお恥ずかしいのですが
そういう思考方法で「コードインプロヴァイズ」してバッキングしたプレイが
これです。
http://youtu.be/sRDC5_KD-0A
これは、BbのⅣーⅢーⅡーⅢを基本として、サビでⅣーⅤーⅥーⅤ
という感じで、曲調、メロディ自体が「ある意味モーダル」な雰囲気
を持っているので、こういう事をしています。
もちろん、ベース、ピアノがしっかり進行を弾いているので、
まあギターは自由に何でも出来る、という部分も大いにありますが。
Bbのメジャースケール内の音をランダムに組み合わせて
コードヴォイシングしています。
まあ、こういう曲やモード系などはまだ分かりやすいのですが
いわゆるジャズスタンダードとなると、なかなか手強いですね。
とはいえ、そこまで難しく考える必要はなく。
基本はメジャースケールとメロディックマイナーです。
ダイアトニックの場合はメジャースケールの音を
ドミナントの場合はメロディックマイナーの音を
上手くトップのメロディノートに重ねて、自由にヴォイシングする。
言うは易く行うは難し、ですね。
自分もまだまだ修行します。