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こどもモード

こどもモード by ⌘μ⌘

さて、今回のこのテーマは、僕自身のある意味「生涯のテーマ」でもありますので

話が色んな分野に飛んでしまうと思いますが、今回は初回という事で

思いつく事を羅列する形で、書き進めていきたいと思います。







では、「コントラスト」対照、という視点で色々なモノを見ていきます。

関連キーワードは「毒」「目立たせる」「人目を引く」etc....です。

作詞、作曲、編曲、プロデュース、映像、はたまた商品開発(?)のヒント

にもなるかもしれません。。。。









まずは、音楽で考えましょう。




例えば、Key C で 「ド ミ ソ」の和音が鳴っているとします。

コードはCですね。

ここで、メロディに何の音を使うか、によって、様々な「コントラスト」を表現できます。



まず考えられるのは、コードトーンの「ド」か「ミ」か「ソ」です、、、が

これは例えるなら、「青い背景」に「青い丸」を書いているようなモノで

コントラストとしては「弱い」です。

もちろん、それぞれ3種類で、違った色合いが出せるし、意図的にそうする場合もあります。




じゃあ、メロディが「レ」の音だったら、どうでしょう。

「青空」に「白い雲」が浮かんで聴こえてきましたか?

もちろん、人それぞれ感じ方は違うでしょうが、ちょっとコントラストが「強く」

なったと思います。




「ラ」の音だったら、、、ちょっと「土と太陽の匂い」がしますね。

色だと「黄色」背景の「茶色」の丸かな。




例えば「#ファ」だったら、、、これは独特ですね。

ちょっとだけ「毒」があります。

かなりコントラストは「強め」でしょう。




もう一つ行きましょう。

例えば「#ド」はどうでしょう。

う~ん、これは「コントラスト」としては「最強」です。

「黒」背景に「蛍光の黄色」の丸を書いているようなモノです。

ただ、Key C の歌モノでは、この音は歌えません。

Key Fm だったら、マイナートニックに進行するドミナントのC7のテンションノート

として、非常に有効な音使いには、なります。








話を Key C に戻して、平行調のAmに進行する「E7の時のメロディ」

の音で考えてみましょう。






もちろん、さっきと同じように、コードトーンである「ミ #ソ シ」は使えます。



特に「#ソ」は、導音といって、このコードE7の最大の特徴音でもあります。

強烈な音であるが故に、作曲初心者の場合は、この「#ソ」をメロディノートに

「知らず知らずのうちに」使ってしまう傾向があります。

僕もそうでした。



そうすると、どうなるかというと、、、、、、



もう結構「濃い」味付けの味噌汁に「更に」味噌を入れて、すんげぇ味濃くなっちゃった

という状態になりやすいです。

もちろん、コントロールできるのであれば、「意図的に」そういう部分を作って

その後に、さらっとした味付けの肉じゃがを出せば

「特別変わった事はしてないのに、この肉じゃが、うめぇぇぇぇ!」

という状態を作り出す事もできますが(笑)。




例えば、Key C のコードE7で、メロディを、さっきの例でも出た

♭9音程の「ファ」の音を歌ったりすると、、、、

実に情感のある風景を演出できます。

僕的には、色ではなく、もう「映像」が浮かんでくる感じです。









要するに何が言いたいかというと





「背景(コード)」と「主人公(メロディ)」を必ずしも「同じ色合いにする必要はない」

という事です。



時に、コントラストを「強め」「弱め」して、美味い具合に、流れとして味を整え

時に緩急をつけ、最初からエンディングまで聴かせれば良いわけです。




さっき、料理に例えましたが、コース料理も音楽も映画、小説、漫画もそうですね、、、、

全て「時間芸術」です。


最初からエンディングまで、どういう味付け、風景の流れ、色合い、ストーリー展開で

いかに「飽きさせずに」最後まで聴いてもらえるか。

その為には、その時々で「コントラスト」を様々な形で調整する必要があります。











「飽きさせない」「人の注意を引く」という部分で

ちょっと音楽から離れたモノを見てみましょう。






よく「綺麗なバラには刺がある」などといいます。

自然界でも「色の綺麗な生物」は大抵「毒」を持っています。

美しさで誘い、毒で死に陥れる訳です。


「毒」と「人を惹きつける魅力」は、紙一重の裏返しの関係にあるといえます。


「光」があるから「闇」がある。


「生」が魅力的なのは「死」があるから、とも言えます。

(この辺は色々と誤解を生む可能性があるので突っ込みません。あくまで「例え」です)





つまり、「相反する性質を持つモノに人は惹かれる」という事です。












具体例をいくつか挙げてみます。




他人数の男性アイドルグループでも女性アイドルグループでも

大抵、というか当たり前に「カッコいい」「可愛い」「綺麗な」メンバーを揃えています。

しかし、その中に「1人か2人」は「ん?この人はどーなの?」と思わせるメンバーが

必ず居ます。



この「ん?」と人々に思わせる事が重要です。


それが、グッと人々を惹きつけます。

ソコに目がいきます。

対照的に、他のメンバーを引き立てる、という効果もあるでしょう。







良い香りの香水を作る時には、ほんの微量、0.0数パーセント程

「人糞」を配合するという話を聞いた事があります。

その「相反する匂い」が入る事によって、より一層、香水の匂いが引き立ち

深みが増すと言われています。

フェロモン的な効果もあるのかもしれません(非専門分野なので詳しくは分かりませんが)。










ぜんざい、おしるこを「もうちょっと甘くしたい」という時は

砂糖を入れるのではなく、「塩」を入れて味を調整します。

「良い塩梅」という訳です。








僕が思う、世界で最も魅力的な歌声を持っている(いた)アーティストの一人が

カーペンターズのカレン・カーペンターです。

これは僕の感覚ですが、その歌声は美し過ぎて、時に「恐怖」を感じる程です。

「死」のイメージさえ感じさせます。

だからこそ、故に「魅力的」なのです。













「コントラスト」「毒」「相反する要素」

僕が何を言いたいのか、だんだん分かってきましたか?












話を音楽に戻しましょう。





例えば、こういう曲があったとします。


詞は優しい、メロディも優しく美しい、それに沿う様な優しく甘美なアレンジ、録り音も美しい…

全てが美しく優しく完璧に調和されたJーPOP。


感覚は人それぞれですから、「そういう音楽が好き」という人もいるでしょう。



「作品、創造物」として優れているかどうか、はココでは置いといて

商業的にどうなのか、という事を考えてみると、、、、、、



ココは僕のブログなので好き勝手な意見を書かせてもらいますが







断言します。







そんな楽曲は売れません。








何故か?


楽曲を構成する要素、全てが、「同じトーン」で描かれていて

言うならば、ただただ「灰色の景色が目の前に広がっているだけ」だからです。

「コントラストが弱い」「毒がない」「相反する要素がない」からです。



「ん?」「お?」と人々を「惹きつけるモノ」がありません。




「綺麗な曲ですね」、、、、、、、これで終わりです。










何度も同じ事を言いますが

「白」を「白く」見せるためには、後ろに「黒」が必要なんです。








ただ、コントラストは強過ぎると「眩しい」。


毒が強過ぎると、「普通の人」は近寄りません。


もちろん、「マニアックな方々」には絶賛されると思いますが。







毒は、「ホンのちょっと」でイイんです。







以前、僕は、「緑生い茂る山の中」で「全身真っ赤な着物を着た女性」を見た事がありますが

その「コントラストの強さ」「異様なまでの毒々しさ」に恐怖を覚えました。

ある意味では「強烈なインパクト」です。

しかし、それも、1時間、2時間「見続けて」いると「普通」になります。

要するに「飽きて」きます。








楽曲を構成する要素の「どの部分」で「コントラスト」を付けるか?

どれくらい「毒」を入れるのか?

「いい塩梅」は、どこか?






これはアーティスト、製作陣の腕に掛かっています。







ミスチルの初期の頃、小林さんが桜井さんに言った事があるそうです。

「優しいだけの男じゃダメなんだよ」






















さて、長々と書いてきましたが

しがない、いち音楽家の戯言です。

信じるか、信じないかは、、、、、、