八田哲夫先生 著 『子どもが自分で伸びていく6つの習慣』より | 日米教育エキスパート岩永ルミの「子育てってオモシロイ!」

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7月の13日と14日の2日間に亘り、八田哲夫先生の教育講演会を開催いたしました。今回は先生が執筆されたご著書より、『子どもが自分で伸びていく6つの習慣』について一部ご紹介いたします。

八田哲夫著 経済界新書発行『子どもが自分で伸びていく6つの習慣』より

① 自分からあいさつをする

 子どもが自分からあいさつするようになるには、まず誘い水として、親が先にあいさつします。最初は親が「朝はあいさつするんだよ。こんなタイミングでこう言うんだよ」という見本を自然な形で示し、子どもはそれを見て学ぶのです。子どもが率先して「お母さん、おはようございます」と言ったら、「すごい。自分から言えたね」と認めてあげます。このようなやりとりが、自分からものごとをやっていく自主性、積極性の基盤になります。

② 靴をそろえる

 日本独特の文化である「けじめ」を自然に教えるためです。靴の向きを変えるのは、便利か不便かの問題ではありません。日本人が公私のけじめを大事にするからです。家に入る時に、靴の向きを変えながら、「仕事に間違いや、やり残しはなかったか。家に入り、私人になってくつろぐ前に、本当に今日一日これでよかったかを顧みよう」とするのです。靴をそろえる動作と同時に心を整えるわけです。

③ よい姿勢で座る

 「背もたれに寄りかからない座り方」と言うだけでいいのです。それだけで腰骨が立ち、力が抜けて負担のない座り方ができます。そして、足の裏を地面につければ完成です。

 背筋を伸ばしたよい姿勢では、マイナスの言葉や人の悪口は言いにくいものです。逆に、背中を丸めた悪い姿勢では、モチベーションの高い言葉はなかなか出ないと思います。

 そのように、よい姿勢はよい発想を生み、よい結果を招くということを、私たちは体験的に知っているのです。背もたれに寄りかかるのは、何かに自分の人生を預けてしまっていることにつながり、背骨がまっすぐに立つ姿勢は、まっすぐな生き方につながることも感じています。

 幼児教育は心の教育でもありますが、心は目に見えません。見えないものを扱うときは、見える形から入るのがセオリーです。

④「はい」と返事をする

 「すぐに『はい』と返事をすること」 特に小学校に上がった子どもを持つ親は、「背もたれを使うな」「足の裏を床につけろ」に「先生の目をずっと見てろ」を加えた三点セットを実践すれば、絶対に勉強ができるようになることを知っておいてください。そのうえで、先生が何かを言ったら、0.2秒で「はい」と返事をするんだよ、と教えます。『はい』と言うのは、答えを知っているというより、やる気があるという意味なのです。

 「はい」という返事には、目下、目上の区別をきちんと読み、自分が目下なら率先して目上に従い、助けようというけじめも含まれています。

⑤ 約束を守る

 「約束を守る(時間を守る)」

「約束を守る」ことの中の一つに、「時間を守る」という内容も含まれています。朝起きたらあいさつをするとか、靴をそろえる、というのも全部約束事です。あらゆるしつけを約束としてとらえるということです。その時、約束のレベルに留意します。

「レベル1」人との約束、「レベル2」自分との約束、「レベル3」天との約束

「朝7時に起きなさい」という約束は、レベル1の「人(親)との約束」です。親が手を出しています。あくまで、子どもがレベル2の「自分との約束」をするきっかけにとどめるようにします。そして最も大切なのは、レベル3の「天との約束」です。「誰も見ていないけど、やらなきゃいけない」という心です。

⑥ 早寝早起き朝ごはん

「幼児期、学童期の六つのアプローチ」の最後、六つめは生活のリズムです。「早寝、早起き、朝ごはん、規則正しい生活」です。夜ふかしや朝ごはん抜きなど、生活のリズムの乱れは予想以上に子どもの脳にダメージを与えます。

 よく「早寝早起き」と言いますが、人間は疲れてもいないのにそう早くは寝つけません。ですから、早く起こすことが習慣のスタートです。早く起きてしっかり食べ、学び、運動すれば自然と眠くなり、早寝が身につきます。早寝早起き朝ごはんができないと、学校の成績が下がり始めます。