2016年 第4回ふくしまの子どもたち
「のびのび信州サマーキャンプ」報告(上)

3回に分けて今年度のサマーキャンプ報告を掲載いたします。

●今回のキャンプについて

4回目のサマーキャンプですが、今回から宿舎が標高1550メートル
の自然豊かな須坂市峰の原高原にある「長野県須坂青年の家」に変
更となり、名称も「のびのび信州サマーキャンプ」となりました。
私たちスタッフもリフレッシュした気持ちで準備を行い、新たなプ
ログラムなども考えました。

今回の参加者は10家族21名の参加でした。内訳は保護者が6名、小
学生11名、幼児が4名でした。またキャンプとは別に今年の春から
長野市松代町の通年利用の民家滞在の保養支援も行ってきましたが、
こちらの方は9月までに6家族25名が利用されました。原発事故か
ら5年が経ち、家族それぞれの事情に応じた保養支援が必要だと感
じています。これからもできる限り両方のタイプの支援を継続して
いきたいと思います。

今回のサマーキャンプも多くの皆様のご協力を得て、事故もなく無
事に終えることができました。協力いただいた皆様に感謝申し上げ
ます。来年以降の宿舎がどうなるかまだ未定ですが、原発事故後5
年を経て福島などではこれから健康被害が増えていく可能性が高い
ことを考えれば、息の長い活動を継続していく必要があります。そ
のためにも、今後とも長期的なご支援・ご協力をよろしくお願いい
たします。

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●7月25日(月) 曇り

いよいよ「のびのび信州サマーキャンプ」のスタートです。梅雨明
け宣言がなく、ちょっとお天気が心配ですが、須坂市峰の原「長野
県須坂青年の家」に5泊6日滞在します。今回は福島駅西口に8時
45分集合。少し曇っていましたが、バスの運転手さんは昨年と同じ
方で、リピーターの参加者もいらして、懐かしく心強く感じました。
子どもたちだけの家族が2組あり、お父さんや赤ちゃんを抱いたお
母さんが、心配そうに見送ってくれました。6家族14人が乗車し、
予定より早い8時55分出発。途中の那須高原サービスエリアで栃木
県那須町の小学生2人が乗車し、バスの中ではお昼を一緒に食べ、
皆でしりとりゲームをしてにぎやかに過ごしました。上田菅平イン
ターで高速を降り、午後3時10分に「青年の家」に到着。

オリエンテーションでは、所長さんから温かい歓迎のお言葉をいた
だき、施設の様々な使い方の説明をしていただきました。自己紹介
をしながら、おやつを食べ休憩。宿舎の周りは緑にあふれ、大きな
グラウンドもあります。早速、ほとんどの子どもたちが捕虫網・虫
かごを持ってグラウンドや草むらに駆け出して行きました。夕方5
時過ぎに須坂駅に到着された家族を迎えに行き、6時から皆で一緒
にボリュームある夕食をいただきました。高校の運動部の合宿もあ
り、食堂やお風呂はいつもにぎやかでした。フリータイムには子ど
もたちはロビーに集まってきて、折り紙、読書、将棋などをしなが
ら、思い思いに過ごしていました。夜遅く福島県から東京に避難し
ている家族が到着し、10家族21人全員が揃いました。

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●7月26日(火) 雨のち曇り

朝はキャンプ中毎朝6時半のラジオ体操から始まりました。希望者
だけの参加ですが、幼児も含め半数以上が気持ちのいい朝の体操で
目覚めました。

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今にも降りそうな空の下、バスで15分ほどの菅平牧場へ出発。菅平
牧場(標高1600m)は、花の百名山根子岳(ネコダケ2207m)への登山
口で、ここから約1750mの展望台までゆっくり歩こうという計画で
したが、残念!やはり雨になりました。霧の中に放牧された牛が見
えます。それでも小雨でしたからウサギとヒツジのふれあいコーナ
ーへ。初め屋根の下で肩を寄せて動かなかったヒツジたちが出てき
てくれて、みんな大喜び。レタスの葉っぱや草をあげたり楽しそう
でした。

青年の家に戻りお弁当を食べたあと、所長さんのご指導の下、輪切
りした木や枝でフクロウの置物を作りました。さまざまな大きさの
輪切りを自分で選び、体や目にしていきます。可愛いものやユニー
クなもの、子どもたちの心は柔らかいなと感心しました。

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<おたのしみコンサート> 午後3時半~

今年もプロの演奏家、松澤悠さん(ソプラノ)、早川育さん(フルート)、
滝澤ヒトミさん(ピアノ)がボランティアで来てくださいました。コ
ンサートの準備では、高学年の女の子たちが、黒板にチョークでタイ
トルや絵を描いて、折り紙できれいに飾り付けてくれたり、昨夜は動
物の可愛いお面を作ってくれたり、大活躍でした。前半は有名なプッ
チーニの歌曲やモ-ツァルトの曲、懐かしい日本の歌などを静かに聴
きました。後半は参加型で「アンパンマンのマーチ」や「さんぽ」な
どみんなが知っている曲を一緒に元気に歌い、「こぶたぬきつね」は、
動物のお面をつけて皆で盛り上がりました。恒例となった音楽物語
「スイミー」の演奏は、大型絵本とのコラボで、毎年心に染みる素敵
なひとときです。終了後、演奏家の皆さんと一緒に、近くのペンショ
ンの方が届けて下さった手作りのシフォンケーキでティータイム。子
どもたちは麦茶、大人はコーヒーを飲みながらおしゃべりしました。

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<案内>
講演会「子どもたちを放射能から守るために」
~チェルノブイリから30年、フクシマから5年~

と き 10月22日(土)14時(開場13時30分)
ところ ノルテながの
(長野市吉田公民館)2階 多目的ホール(
    長野市吉田3-22-41)
       ※できるだけ公共交通機関のご利用を。
      しなの鉄道・北長野駅徒歩2分。長野電鉄・信濃吉田駅徒歩1分
講 師 菅谷 昭 氏 (松本市長/医師)
      すげのや・あきら 1943 年千曲市生まれ。信州大学医学部卒業後、
      甲状腺疾患の専門医として活躍。1996 年に信州大学を辞め、チェ
      ルノブイリ原発事故の医療支援のためべラルーシ共和国に渡る。
      首都ミンスクの国立甲状腺がんセンター、高度汚染地域のゴメリ
      州立がんセンター等で、小児甲状腺がんの外科治療を中心に、5
   年半の医療支援活動を行う。2004年松本市長に就任。著書に『チ
   ェルノブイリ診療記』、『チェルノブイリいのちの記録』(いず
   れも晶文社)、『ぼくとチェルノブイリのこどもたちの5年間』
   (ポプラ社)など。
参加費 500円

私にとって「チェルノブイリ」は、奉仕の精神や慈善活動ではありませ
ん。もうひとつの人生を探す旅なのです。
われわれは同じ地球に生を受け、自分の意志とは関係なく、ただ異なっ
た国という環境のなかでそれぞれに生活しているだけではないか。広大
無辺の宇宙から見れば、地球も数ある惑星のなかのひとつにすぎない。
そう、われわれは地球人なんだ。少しずつでもよい。今こそ、国と国の
境を越えた援助の輪を広げてゆく必要があるのではないだろうか。それ
ぞれが自分のできる範囲で、何らかの行動を起こしてもよいのではない
か。柄になく、そんな思いが私の頭をかけめぐっていた。
わずか2週間。束の間のベラルーシ訪問は、私のこれまでの生き方に、
新たな強烈なインパクトを与えてくれた。そして、ここから私の生きが
い探しの旅は始まったのである。
(「チェルノブイリ診療記」菅谷昭著:晶文社刊より)

主催:講演会「子どもたちを放射能から守るために」実行委員会
後援:長野市、長野市教育委員会
[実行委員会問合せ先] 090-7251-1912(本道)
            026-234-2116(県原水禁)

「信州まつしろサマーキャンプ」「のびのび信州サマーキャンプ」
参加者皆様へのご案内(再掲)

「子ども信州ネット・北信」事務局担当の青山です。これまでの
「信州まつしろサマーキャンプ」及び今年の「のびのび信州サマ
ーキャンプ」参加者された皆様への呼びかけです。

キャンプ参加を通して得られたせっかくのつながりを継続してい
 くために、「子ども信州ネット・北信」から不定期ではあります
 が通信を郵送させていただきたいと考えています。併せて放射能
 被ばく関連の資料・情報のコピーなども送ります。

送付を希望される方は事務局青山宛てにメールをして下さい。な
 お他のお知り合いの参加者にもこの件を伝えていただけると幸い
 です。申し込みは随時受け付けていますので、お気軽に申し込ん
 で下さい。

以下の青山のアドレス宛に、「件名」を「キャンプ参加者」とし
 て、氏名・送付先住所などをお知らせください。


青山 正
hopeao21@yahoo.co.jp
「第4回 ふくしまの子どもたち のびのび信州サマーキャンプ」は
本日無事終了しました。今回は子ども15名と保護者6名の合計21名の
参加で行われました。くわしい報告は後日いたしますが、今回も多く
の皆様から様々なご支援・ご協力をいただきました。本当にありがと
うございました。

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「第4回 ふくしまの子どもたち のびのび信州サマーキャンプ」は
いよいよ来週から始まります。このキャンプは多くの皆様から協力を
いただいて行われています。今回だけではなく来年以降も継続してい
くために、さらに多くのご支援・ご協力をお願いいたします。

●募金をお願いいたします
郵便振替口座 00590-8-101192
 加入者名    子ども信州ネット・北信


問い合わせ:斉藤純子
   メールアドレス bunanohahouse@rio.odn.ne.jp
   TEL.026-222-0213