放射能から子どもたちを守ろう!
長野での保養キャンプの継続のために皆様の
ご支援・ご協力をお願いいたします

2011年3月11日の東日本大震災による福島原発から今年で間もな
く5年を迎えます。しかし原発事故の収束はまだまだです。放射能
汚染水は増える一方であり、一部の除染は進んでいるものの放射線
量の高い地域に多くの住民が住んでいます

それにもかかわらず、原発事故により避難した地域への帰還が着々
と進められています。あたかも原発事故による影響は何もなく、も
う安全だという主張すら堂々となされています。そういう中で子ど
もたちの健康と生命を守ろうとする親たちは厳しい状況に置かれて
います。

私たちは2013年から、ふくしまの子どもたちを迎えてサマーキャン
プを実施してきました。わずかな期間だけの保養キャンプですが、
毎回多くの参加申し込みがあります。期待の大きさと責任を痛切に
感じています。微力ではありますが、これからも保養活動を継続し
ていく覚悟です。

今年のサマーキャンプですが、昨年までの宿舎が使用できなくなっ
たため、今年から宿舎を変更して継続します。そのため昨年までの
「信州まつしろサマーキャンプ」という名称も変更することとなり
ます。具体的なことはまだ検討中ですので、改めて報告いたします
が、とりあえず今年は昨年までと同規模でキャンプを実施します。
日程は今までと同じく7月25日から30日までの5泊6日です。

ただ、いずれ再度新たな宿舎を確保する必要性が出てきます。
費用的にも今まで以上に必要となります。そこで長野周辺の皆様に
さらなるご支援・ご協力をお願いいたします。

具体的には、40名前後が宿泊できる宿舎の情報がありましたらお寄
せ下さい。そして運営スタッフとしての参加や、サマーキャンプ時
のボランティアとしての参加が可能でしたらご連絡下さい。また、
できましたら募金をお願いいたします。往復のバス代や食費などで
多くの費用がかかります。運営資金は基本的に募金でまかなってい
ます。いくらでも結構ですので、以下の口座への振込をよろしくお
願いいたします。募金をいただいた方へは毎年キャンプの報告書を
お送りしています。

郵便振替口座 00590-8-101192
 加入者名    子ども信州ネット・北信

問い合わせ:斉藤純子
   メールアドレス bunanohahouse@rio.odn.ne.jp
   電話/ FAX 026-222-0213

1・16 ふくしまの子どもたちの保養を考える
集い

日時:2016年1月16日(土)午後1時半-4時半
会場:北長野・吉田公民館3階大会議室

      (信濃吉田駅・北長野駅下車すぐ)
●ドキュメント映画「チェルノブイリ28年目の子どもたち」上映
●「第3回ふくしまの子どもたち 信州まつしろサマーキャンプ」
 スライドショー上映
*入場無料

2013年夏より福島の子どもたちを長野に招いてサマーキャンプを実
施してきました。福島原発事故による放射線被ばくの安全キャンペ
ーンが進む福島では、子どもたちの甲状腺がん多発が明らかになり
つつあります。チェルノブイリ原発事故後のウクライナ・ベラルー
シでは子どもたちの保養キャンプの有効性・必要性が確認されてい
ます。今こそ日本でも子どもたちを守るキャンプを広げていく時で
とを一緒に考えましょう。北信地域の皆さんのご参加・ご協力をお
願いいたします。

主催:子どもたちを放射能から守る信州ネットワーク・北信
(略称:子ども信州ネット・北信)
問い合わせ:斉藤純子 
メールアドレス 
bunanohahouse@rio.odn.ne.jp
電話/ FAX 026-222-0213
報告が遅れましたが9月23日に長野市で行いました、映画上映と講
演会の報告です。

鎌仲ひとみ監督の新作映画「小さき声のカノン―選択する人々」は、
鎌仲監督が3年半にわたり取材した作品です。福島とチェルノブイ
リを、国境を越えてつなぎ、被ばくから子どもたちを守ろうとする
お母さんたちの姿を生き生きと描き、ベラルーシや日本で行われて
いる保養の様子を伝えています。

映画の中のお母さんたちの姿が、私たちのサマーキャンプに参加さ
れたお母さんたちと重なり、今できる支援を続けていこうと心あら
たにしました。

鎌仲監督の講演は、福島原発事故後の放射能被ばくの状況と保養の
大切さを訴えるもので、最後に保養を含めた子どもを守る新たな文
化運動の必要性を語られました。

イメージ 1














イメージ 2














イメージ 3














イメージ 4















参加者は午前・午後併せて140ほどでしたが、アンケートには「保
養の大切さが良くわかった」などの感想が寄せられ、今後会の活動
に協力したいという申し出もありました。

上映会終了後鎌仲監督から以下のメッセージが寄せられました。こ
れは主催した私たちだけではなく、福島のお母さんたち、そして全
国各地で保養受け入れを行っているすべての人々への大事なメッセ
ージだと思います。


「あきらめない仲間たちへ」
いろんな時代があったけれども、今ほど子どもたちの未来や命が危
機にさらされている時代はないのではないか、と感じています。

東京電力福島原発事故によって大量の放射性物質が放出され、汚染
が広範囲に広がったにもかかわらず、被ばく対策が適切に行われて
いない。それどころか逆に凄まじい勢いで安全キャンペーン展開さ
れています。そのキャンペーンのおかげで本来されるべき対策や補
償が踏みにじられているのです。

こんな理不尽で矛盾した状況でも、原発事故の影響から少しでも子
どもたちを守りたいと保養活動に動く仲間たちが全国にいることが
「希望」です。

政府が「安全」と言おうが、いわゆる「専門家」たちが影響がない、
と言おうが、原発事故以前のような状態には戻らないと、自分の意
志と思考で動く人たちに心からのエールを送ります。

保養は子どもたちが抱えざるを得なくなった病気の花束を開かせない
ために有効であることが科学的にも実証されています。

私たちはつながりあってこれからもあきらめずに、枯れない泉のよう
に命を守る活動を続けていきましょう。
 
 鎌仲ひとみ


2015年 第3回ふくしまの子どもたち
信州まつしろサマーキャンプ報告(下)

7月31日(金)晴れ

 朝から気温が上がり猛暑日となった31日。午前中お母さんたちは、
お土産を買いに松代のスーパーへ。地元野菜のコーナーが充実して
いるJAのスーパーでは、野菜や果物が新鮮で安いと、たくさん買い
求めてダンボールに詰め、多くの人が宅急便で送っていました。地
元のスーパーで売っているのは福島や茨木産の野菜で、遠くのもの
は少なく値段も高いとか。不安を抱かずに子どもたちに食べさせた
いという切実な思いが伝わって来ました。28日に収穫したジャガイ
モも、重いから持っていかないのでは、というスタッフの予想に反
して、ほとんど持ち帰ってくれました。

イメージ 1














 午後は家族ごと温泉とプールに分かれて、暑い中元気で最後の一
日を楽しみました。

 夜の花火は、小さい子もできる手持ちの花火を一人一袋づつ大事
に楽しんで、最後は大人が火を着ける大きな花火に歓声を上げてい
ました。

イメージ 2

















 花火の後、幾人かのお母さんたちから声があがって、親たちだけ
で交流会Ⅱが開かれることになりました。交流会Ⅱは午後8時から
10時頃まで談話室で行われ、その間子どもたちの面倒をスタッフた
ちが見る形となりました。今回は子どもたちもお母さんたち・お父
さんも大変仲が良く、お母さんたちが洗濯をしながらの話の中から
交流会Ⅱが実現できたようです。交流会でどのような話がされたか、
詳しくは、スタッフは知りえていませんが、きっとお母さん・お父
さんたちが、孤立の中で互いに今後の繋がりをつくって行く方策な
どが話し合われたのでは、と思っています。

イメージ 3
















8月1日(土)晴れ

 まつしろキャンプの最終日。朝のラジオ体操はお疲れの親子が多
く、参加者が少なかったものの早起きの子どもたちもいて、スタッ
フとともに最後のラジオ体操をちゃんと第2までやりました。

イメージ 4















 朝食後子どもたちは出発直前まで元気にロビー周辺で遊んだり、
テレビを観たりしていました。出発の時間が近づきロビーにて参加
者とスタッフ全員が集まり、最後の集合写真を撮りました。そして
いよいよ出発となり、参加者の大きな荷物はスタッフの車でピスト
ン輸送し、みんなはバスが止まっている駐車場まで元気に歩きだし
ました。駐車場に到着し、キャンプ途中から参加したお父さんがい
る家族が自家用車にて長野県内を観光してから帰るということで、
まず1家族がお別れとなり、スタッフともそれぞれ最後のあいさつ
を交わして午前10時前にバスが出発しました。

イメージ 5

















 松代のインターから高速道路に乗り、郡山まで途中昼食休憩も含
め3か所のサービスエリアでトイレ休憩でしたが、何とか予定通り
で渋滞もなくバスが進みました。バスの中ではDVDを鑑賞しながら
だったので、子どもたちもおおむね静かにしていましたが、当初予
定していた昼食休憩のサービスエリアに到着する前に「お腹がすい
た」という子どもが続出し、結局大半がバスの動いている時に昼食
のお弁当を食べていました。途中那須高原のサービスエリアで栃木
県から参加した2家族がバスを降り、残り8家族で終点の郡山駅前
に午後3時半前に無事到着しました。迎えの家族と再会し、たくさ
んの大きな荷物をバスから取り出し、各自の車に積み替えて、皆さ
ん無事に笑顔で帰っていきました。

イメージ 6

2015年 第3回ふくしまの子どもたち
信州まつしろサマーキャンプ報告(中)

7月29日(水)晴れ夜中雨

 連日の暑さの中、今日は涼しい飯綱高原でディキャンプです。
午前10時にバスが到着、現地のボランティアを含め総勢64人(小学
生以下24人、中高生5人、大人35人)の大所帯になりました。さっ
そくフィールドアスレチックに行きたい子が続出。お母さんや高校
生のボランティアと一緒に、カラマツ林の中の一周34もの遊具があ
るコースに挑みました。昼のカレーライスづくりにも数人が挑戦、
初めて包丁を握ったとはいえ、なかなか堂に入ったものでした。

イメージ 1















イメージ 9
















 お昼はカレーライスとキュウリ、トマト、モロッコインゲンのサ
ラダ、大きなブルーシートの上に三々五々、ボランティアやスタッ
フも交え、歓談しながらおいしくいただきました。
 午後一番は、人形劇団「がらくた座」の公演です。本物の大きさ
の赤ちゃん、手袋のあお君ときいろ君などにみんな釘づけになった
ひとときでした。

イメージ 2
















イメージ 3















イメージ 4

















 その後は思い思いに過ごし、おやつのスイカを食べてから午後4
時半、今日の宿、戸隠中社近くの横倉旅館に出発しました。
 横倉旅館は茅葺の宿で、松代の宿舎とはまた違った雰囲気で、お
互いの部屋に行ったり来たり、布団の山で遊んだり、大分テンショ
ンが上がりました。夕御飯の後には、読み聞かせグループ「ほんと
ぴあ」が来てくれて、戸隠の民話を方言で演じたり、絵本の読み聞
かせをしてくれて、戸隠の涼しい一夜が過ぎていきました。

〔夜の交流会〕

 戸隠の横倉旅館において夕食後、昨年と同様にスタッフとお母さ
んたちとの交流会を計画していました。しかしその前の民話のお話
会があり、時間が遅くなったため子どもたちの面倒を見なくてはな
らないお母さんたちがいて、自由参加としました。それでも5人の
方たちがスタッフの説明を聞くことから始まりました。

 その後、DVD『28年目のチェルノブイリの子どもたち』の続編
部分を皆で視聴しました。内容はウクライナの保養の様子を紹介し
たものでしたが、どのような保養が必要かわかりやすく描かれてい
て、お母さんたちは皆熱心に見ていました。DVDを視聴した後、
スタッフが保養について詳しく説明をし、また、お母さんたちから
悩みなどが話されました。

 今年は原発事故後4年目ですが、このような保養キャンプに初め
て参加したという家族が何組かいたり、栃木県からの参加者もいま
したが、やはりそれぞれ地域では孤立していて、情報もあまりない
という話でした。原発事故直後はインターネットなどから多くの情
報が流れましたが、だんだんどれを信頼していいかわからなくなり、
結局限られた情報しか入手できないという現状のようでした。政府
はもちろんですが、行政からの情報も一方的なものだけで、かえっ
て不信感・不安感が募ってきていたようです。それだけに何とか保
養にだけは参加したいということで、今年ようやく参加できたとい
う家族がいました。交流会としては参加者、時間、ともに中途半端
なものとなり、少し残念なものとなりました。

イメージ 5

 













7月30日(木) 晴れ

 ほどよく薄い雲が広がり、さわやかな戸隠高原でした。前夜希望
を取り、半数近い親子が奥社まで往復2時間歩き、小さな子どもた
ちを中心にした残りは戸隠牧場で遊びました。


イメージ 6

















(戸隠牧場グループ)

 戸隠牧場は戸隠高原のキャンプ場の先にあり、広々としたところ
です。そこで牧場組の小さい子たちは馬に牧草をあげたり、小動物
と触れ合ったり、餌をあげたり、バッタを捕まえたりとゆったり過
ごしました。

 お昼には川の近くに設置したシートに集合して、地元の皆さんに
用意していただいたおにぎりと味噌汁、キュウリとミソマヨなどを
食べた後は、みんなが楽しみにしていた川遊びをしました。冷たく
てきれいな流れで、水深が10センチほどで小さな子どもたちが遊ぶ
のにちょうどよい川です。少し上流まで歩いたり、川岸の笹を集め
たり、石を拾ったりしました。最初は恐る恐るだった小さな子たち
も次第に積極的に水に入り、結局服をビショビショにしてしまう子
もいました。福島では怖くて川には入れないと、お母さんたちもし
みじみ喜んでくれました。

イメージ 7














(戸隠神社奥社グループ)

 比較的涼しい中、6家族15名が奥社入り口の鳥居を出発したのは
10時半過ぎ。随神門まで快調に歩く。途中オニヤンマが小川で卵を
産んでいるのを発見して、子どもたちが歓声をあげていました。鬱
蒼とした林の中を歩いていると心が癒されます。奥社参道の杉並木
で、一時誰も人がいなくて、圧倒される杉の大木の中でおごそかな
雰囲気に包まれました。先に行った子どもたちに迎えられ随神門で
休憩をとりました。

 最後の登りは大変だったけど行って良かったと、参加者は皆とて
も満足いていました。疲れた時、蕎麦饅頭とミニカップゼリーがう
れしかったそうです。

 随神門を過ぎると高い杉の林が続く。清涼な、そして神秘的な空
気が流れている。「ポスターにあったところですね」とお母さんた
ち。「すごいー。来てよかった!」と歓声をあげました。遥か先に
子どもたちが歩いているだけで、あたかも私たちだけが参道を独り
占めているようであった。“なぜ私たちだけが…”と不思議さを感
じました。やはり神はいらっしゃるのか?

 帰りは疲れた足取りが、下りに後押しをされてピッチが早くなる。
入り口の鳥居で子どもたちが待っていて、最後に大人たちが到着し、
駐車場へ。丁度迎えのバスが到着し、無事乗り込むました。「行き
の杉並木は素晴らしかった。最後の階段はきつかったけれど、その
くらいでないと戸隠神社の有り難味がわかないかも。来て良かった
!!」と、親たちも子どもたちも同じ思いであったでしょう。

イメージ 8