2018年の「第6回 ふくしまの子どもたち のびのび信州サマーキ
ャンプ」は、例年と日程を変え8月16日から21日までの5泊6日
で行われました。さらに日程の変更だけではなく、今年は初めて参
加費を無料としたこともあり、募集開始直後に定員に達し、多くの
キャンセル待ちが出る程の応募がありました。参加者は子ども19名、
保護者7名の合計26名でした。
猛暑が続いた今夏ですが、キャンプ中は概ね天気にも恵まれ、予定の
プログラムも無事進行し充実したキャンプとなりました。また今回は
初めて6名の大学生ボランティアにもスタッフとして参加してもらい、
子どもたちともすぐ仲良くなり自然の中で思い切り遊ぶことができま
した。
今回のキャンプに協力していただいた全ての皆様に感謝申し上げます
。私たちも高齢化が進んできていますが、若い方々の力を借りてこれ
からも可能な限り活動を続けていきたいと思います。今後ともご支援
・ご協力をよろしくお願いいたします。
以下キャンプ期間中の報告です。
以下キャンプ期間中の報告です。
8月16日(木) 雨のち曇り
いよいよ「のびのび信州サマーキャンプ」のスタートです。今年は記
いよいよ「のびのび信州サマーキャンプ」のスタートです。今年は記
録的な猛暑で晴天が期待されるところですが、今日の長野は大雨注意
報で気温も低い予報。
集合場所の郡山駅前は晴れ。ここで13名が乗車。お父さんお母さんに
集合場所の郡山駅前は晴れ。ここで13名が乗車。お父さんお母さんに
見送られ、9時30分に出発。ここから長野まで6時間の旅です。途中、
阿武隈インターで7名乗車して合計20名。
長野に入ると大雨。でも、15時45分に長野市小田切の青少年錬成セン
ターに到着したころは、曇りながら雨が上がり一安心。スタッフに出
迎えられ、自己紹介をして、センターの方から歓迎の言葉をいただき、
説明を受けました。
部屋の確認、荷物の整理をすますと、子どもたちは、すぐに屋外へ。
センターの周りには、緑いっぱいの芝生のスロープが広がっています。
地面や草木は濡れていましたが、アスレチックで遊んだり、補虫網を
持って虫取に駆け回りました。

5時半に一組の家族6名(両親子
ども4人)が到着して26名全員集
合。
入浴、食事の後も、大学生のお兄
さん、お姉さんと遊んだりスタッ
フのおじさんと腕相撲をしたり。
9時半の消灯で皆、すぐに眠りに
つきました。
8月17日(金) 曇りのち晴れ
朝は6時半のラジオ体操でスタート。
今日は戸隠高原へ。今年は全員で戸隠神社奥社への参道を30分ほど歩
朝は6時半のラジオ体操でスタート。
今日は戸隠高原へ。今年は全員で戸隠神社奥社への参道を30分ほど歩
いて隋神門まで行きました。ちっちゃい子たちは30分かけて坂道を登
りよく頑張りました。樹齢300年の美しい杉並木で写真を撮って一休
み。皆で一口ゼリーと塩あめで元気をリチャージ。小さな子どもたち
は引き返して牧場へ。他の面々は段々急になる杉並木の坂道をハアハ
ア言いながら奥社に到着。残念ながらギザギザしたゴジラの背のよう
な戸隠山は雲の中。でも登った達成感がすがすがしい。皆いい顔をし
ていました。帰りは転がるように坂道を下る子どもたちにハラハラし
ながら下山してキャンプ場の河原で牧場組と合流してお昼。連日の猛
暑が嘘の様に気温が下がって、大人たちがブルブル震える中、子ども
たちは唇が青くなっても川遊びを楽しみました。

センターに戻って、信濃町「ミ
ツバチ会」の方々から頂いたた
くさんの野菜を運んだり仕分け
して、お母さんたちが宅配便で
送る野菜を皆でワイワイ言いな
がら箱詰めしたりしました。夕
食後は毎年松本市から駆けつけ
てくれる「がらくた座」の人形
劇。木島知草さんのエネルギッシュな笑顔に皆引き込まれ、素晴らしい
時を共有しました。

(交流会)
人形劇終了後、お母さんたちからの要望もあり、短時間の交流会を開
人形劇終了後、お母さんたちからの要望もあり、短時間の交流会を開
きました。お母さんたちから出てきたのは、保養キャンプを実施して
くれることへの感謝の言葉でした。参加者の大半が放射能問題に対す
るとらえ方では地域の中において孤立していて、唯一保養キャンプに
参加して同じ思いの親たちやスタッフと交流することで、何とか福島
での生活を維持していけるというつらい思いを口々に語りました。ま
た今回のサマーキャンプの参加費用を無料にしたことへも、「大変あ
りがたい」という声が相次ぎました。今回の参加者も夏休み前半で他
の保養キャンプに参加された方も多く、無料だとしても長い間移動す
るのは大変だと思います。それでも「子どもたちを守りたい」という
強い思いが伝わってきました。
「復興」を強くアピールしている福島では、保養への参加すらも隠さ
ざるをえないという困難な環境にあります。とは言っても周りの一見
何も気にしていないという親たちも、無料で配布されるミネラルウォ
ーターには大きな関心を示しているように、本心を隠しているのでは
ということでした。保養キャンプへの大きな期待が寄せられた交流会
となりました。
8月18日(土) 晴れ
今日は、錬成センターの野外炊事場でディキャンプです。恒例のカレ
今日は、錬成センターの野外炊事場でディキャンプです。恒例のカレ
ーライスづくり。薪に火をつける人、飯ごうにお米を計ってとぐ人、
ジャガイモや玉ねぎ、ニンジンを包丁で切る人など、それぞれやりた
いことに挑戦です。小さい子もトウモロコシの皮むきをしたり、お母
さんたちはサラダに使う野菜を切ったり、みんなで協力して作りまし
た。

キュウリ、大根サラダ、キャベツ
サラダ、ゆでトウモロコシが出来
上がり、総勢57人でおいしくいた
だきました。
2時からはスイカ割り。大きなス
イカが2つ、目隠しをした人にま

わりから右、左と声援が飛び、外れたり、見事に命中したり。最後に
はちょっと崩れたスイカをみんなでいただきました。
その後はフリータイム。毎年来てくれる「気持ちいい快」のメンバー
によるアイロン温熱療法は、順番待ちになる人気でした。
夕食後7時からはキャンプファイヤー、錬成センターに宿泊するほか
夕食後7時からはキャンプファイヤー、錬成センターに宿泊するほか
のグループと合同で行いました。火の神さまの登場にはじまって、た
いまつによる点火。勢いよく燃える焚火のまわりで、蚊に刺されない
おまじないダンス、じゃんけんゲームなどをし、80人近くの人と楽し
く過ごしました。最後にはセンター所長が晴れ渡る夜空に打ち上げて
くれた120発の花火に歓声が上がりました。
8月19日(日) 晴れ
錬成センターの小林さんの案内で近くの富士ノ塔山へハイキングに行
錬成センターの小林さんの案内で近くの富士ノ塔山へハイキングに行
きました。錬成センターに隣接するアスレチックを通り過ぎ、山道を
歩きました。標高998メートルの山でしたが、思っていたよりはきつ

い坂道などもありました。そ
れでも子どもたちは元気に上
って行きました。途中小林さ
んからパワーストーンの大き
な石を教えてもらい、磁石を
回りました。その不思議な石
を触ってパワーをもらい、み
んな大いに盛り上がりました。
山頂からは長野市の南部の地
域が眼下に見え、よく晴れていれば富士山も見えるということで、山登
りの楽しさを感じることができました。
ハイキングから戻りお腹がすいたところで、昼食は流しそうめんでし
た。そうめんの他にもトマト・ウインナー・ジャガイモ・トウモロコ

シ・チクワ・ゼリーなどいろいろなものが流れ、子どもたちもおとな
も大満足でした。
午後からはプロの演奏家のフルートの早川育さんとピアノの瀧澤ヒト
ミさんによる恒例のお楽しみコンサートでした。今年はヘンデルの
「ラルゴ」の演奏で始まり、「涙そうそう」のしっとりとした歌、
そして「ドレミの歌」小さな子どもたちも参加して音符などのカード
を掲げながら元気な歌声が響きました。最後はいつもの音楽物語
「スイミー」で締めくくりました。
8月20日(月) 曇りのち晴れ
午前10時から、長野県の伝統食「おやき」を作りました。錬成セン
午前10時から、長野県の伝統食「おやき」を作りました。錬成セン
ターの職員が粉をこね、中身の具を用意してくれました。具はカボ
チャとキャベツの2種類です。お団子状の皮を手で平らにのばし具
を入れおまんじゅうのように丸めます。皮が破けないようにのばし
ながら、具を上手にくるむのがなかなか難しかったですね。それを
ササの葉で包んで蒸すのですが、今年は一つ工夫しました。大きな
蒸し器で一度にたくさん蒸すのでどれが自分の作ったものか分から
なくなるんです。そこでササの裏に自分の名前をマジックで書きま
した。自前の「おやき」愛着がありますね。そしてお味噌汁とサラ
ダとでお昼ご飯、みんな残さず食べました。
お昼を食べている頃にはすっかり晴れて暑くなってきました。午後
は、楽しみにしていたプールです。松代の青垣公園市民プールは小
さい子も入れるじゃぶじゃぶ池からスライダーを滑る大きな子まで

青空の下、2回の休憩をは
さんで思いっきり遊びまし
た。休憩の時飲んだリンゴ
ジュース美味しかったです
ね。帰り道、お母さんたち
はスタッフの車に乗り換え、
近くのスーパー「ツルヤ」
に寄りました。長野県内産
の食材を使ったオリジナル
商品など、たくさんお土産を買いました。最後の夜は家にハガキを
書いたり、花火をしました。
8月21日(火) 晴れ
今日は福島へ帰る日。朝のラジオ体操は昨夜“明日は出ます!”と宣
今日は福島へ帰る日。朝のラジオ体操は昨夜“明日は出ます!”と宣
言した男の子たちが宣言通り参加し、前庭いっぱいに広がって元気
に最後の体操をしました。その後朝食をいただき、掃除を済ませ、
昨夜洗濯した水着などを何とか自分の荷物の中にいれ、ロビーへ運
びました。これで準備OK!
出発前に、子どもたちやお母さんたちが心をこめて書いてくれた“
出発前に、子どもたちやお母さんたちが心をこめて書いてくれた“
メッセージ”が代表に渡され、スタッフ一同感謝、感謝。全員で集合

写真を撮った後、センターの職員の皆さんにお礼をして、さあ出発で
す。
バスは急カーブの細い山道をゆっくりと下り、車酔いをしないように
バスは急カーブの細い山道をゆっくりと下り、車酔いをしないように
と運転手さんが気を使ってくれました。高速に乗ってから『千と千尋
の神隠し』のDVDを見ていきましたが、子どもたちだけでなくお母さ
ん方も真剣に見ていました。子どもたちがこのアニメを見てどう感じ
たか分かりませんが、千=千尋のように人とのかかわりの中で得たお
もいやりや勇気をもって、自分の力で困難を解決していってほしいと、
ふと思いました。
バスは順調に進み、阿武隈SAで7名を降ろし、一路郡山へ向かい、3
バスは順調に進み、阿武隈SAで7名を降ろし、一路郡山へ向かい、3
時半前に到着。迎えに来た家族の顔を見て子どもたちはホッとした様
子を見せていました。皆さん5泊6日ご苦労様でした。お元気で!