2014年7月28日~8月2日の5泊6日で行われた「第2回 ふくしま
の子どもたち 信州まつしろサマーキャンプ」の報告後半(7月31日
から8月2日)です。
7月31日(木)晴れ、夜激しい雷雨
(午前)善光寺巡り
子どもたちはお寺なんて興味ないかな?と思いつつも、長野と言えば
善光寺。仲見世通りでは、それぞれにソフトクリームを食べたり、お
母さんたちはお土産を買ったりと、楽しい時を過ごしました。善光寺
の方の案内で本堂前まで来た時、普段は早朝にしか行なわれていない
「お上人さんのお数珠頂戴」が行なわれるということで、子どもたち
も神妙に頭を下げていました。そして最大の関心事であったお戒壇め
ぐり。真っ暗闇の中、誰一人恐がって泣くこともなく通過。本堂で行
なわれていた法要に立ち会うことも出来、その厳粛さに感動したと話
すお母さん方もいました。

お昼は「峠の釜飯」。「釜飯のおぎのや」さんのご好意で味噌汁をサ
ービスしていただきました。容器の釜が珍しいのか、お土産に持ち帰
る子も。昼食後は、暑さの中疲れた様子もなく宿舎に戻りました。
(午後)クラフト 竹の水鉄砲作り
午後、男の子たちは竹で水鉄砲を作りました。長い竹の材料からどの
午後、男の子たちは竹で水鉄砲を作りました。長い竹の材料からどの
部分を使うか自分で選んで切り出します。2人一組になって作業をし
ましたが、 協力しあったチームほど早く完成したようです。完成し
た後はさっそく水鉄砲で 遊び、みんなびっしょりになっていました。
クラフトの後は、JAさんから差し入れていただいたスイカでスイカ
クラフトの後は、JAさんから差し入れていただいたスイカでスイカ
割りをし、 熱い午後を涼しく過ごしました。

(午後)人形クリップ作り
洗濯バサミを用いた人形クリップを子どもたち7人(女子のみ)とお
母さん6人で作りました。小さな布やレースを縫ったり縮めたり、ク
リップを包み込んだりは、小学生にはなかなか大変そうでした。途中
スイカ割で、一息ついて、個性豊かに全員完成。長野の思い出として
持ち帰ることができました。

(夜)お母さんたちとスタッフとの交流会
四日目の夜、福島のお母さんたちとスタッフとの交流会が開かれまし
た。今年はじめて企画されたもので、日頃の悩みや心配など、お母さ
んたちから話されました。
① 福島県の中で放射能のこと、子どもの健康のこと、食材のこと、保
養のことなど、心を許して話せる人がまわりになかなかいなくて、孤
立感を感じている。
② まわり「復興」「このレベルで健康に影響はない」などの雰囲気に
のみこまれそうになることもあるが、そのような中で自分の子どもは
自分で守らなくてはいけないと強く思っている。
③ 孤立の中で心の支えになるのは、県内の人とのつながりや県外の支
援をしてくれる方々の存在で、本当にありがたい。

お母さんたちが、震災直後の情報のない中、またその後の家庭内・外
での様々な不安・葛藤・孤立の中、自分の子どもを護りたいという一
心でこれまで生き抜いてきた日々。そこから発せられる様々な言葉は
返す言葉がないほど、重いものでした。一方、これからもお母さんた
ちを支援していかなくてはいけないのだという強い気持ちが湧いてき
ました。
最後に代表の斉藤さんが、「若いお母さんたちが、本当に全国で立ち
上がっています。自分たちだけじゃないので、お母さんたちみな心配
なのです。鎌仲ひとみ監督の映画を見る機会があったら是非見て勇気
をもらってください。」と話し、勇気づけました。
8月1日(金)晴れ
(午前)小布施・浄光寺スラックライン
小布施の街中でお母さんたちが先にバスから降り、子どもたちは10時
過ぎに浄光寺に到着。スラックライン場で地元の4名の子どもたちと
副住職さんが迎えてくれました。はじめは先生に当たる地元の小学生
たちが模範演技をして見せてくれました。数センチのラインの上で様
々な演技をして最後はバック転で決めます。「すごい!」という声も
上がりました。副住職さんから説明・注意を受けました。10級から1
級までのランクがあり、ひとつひとつランクが上がっていき、ランク
の証明書(?)がもらえるとのこと。「足元を見るのではなく、前方
を見つめるんだよ」とアドバイスされ、子どもたちは各小学生の“先
生”につき、綱渡り(スラックライン)に挑みました。

最初は誰もがなかなかうまくいかず、直ぐにラインから落ちてしまっ
ていたが、徐々にできるようになりました。しばらくしてスタッフの
方々にむいてもらった桃を食べ、その後ランクに挑戦。ほぼ全員、10
級~7級を認定されました。もっと上級を目指す時間があれば、子ど
もたちにとってはこれから面白くなるはずでは、と思いました。その
後浄光寺の境内の、すぐ近くの涼しい場所へ移動し、冷たい湧水など
を飲み一息入れ休憩。それからボランティアの人たちが用意してくれ
た紙芝居を楽しみました。
(午前)お母さんたちの小布施町中散策
参加者のお母さん全員の参加となった、小布施の町中散策。文字通り
小布施の町をあちこち眺めながら歩きました。ふらっとお店に立ち寄
りお店の人と話をし試食をしたり、お土産品や野菜を買ったり、ある
いは喫茶店でゆっくりお茶を飲んだり、あまり目的をもたないのんび
りとした時間でした。
スタッフに、あまり小布施に詳しい人がいなくてスタッフと一緒に右
往左往したグループ、逆によく知っていて自由に行動できたグループ、
いずれにしても、いつも子どものことをいちばんに考えこのサマーキ
ャンプに参加したであろうお母さんたちに、ほんの一時おとなの時間
を持てたことはとても良かったと思います。
(昼食)
お母さんたちも合流して、浄光寺のすぐ隣にある「まめ家」で昼食。
豆腐づくしの昼食であったが、子どもたちの中には足りなかったのか、
パンをいただいたものもいた。
(午後)おたのしみコンサート
14時に小布施にある藤岡牧夫美術館に到着。しばらく時間があっ
たので、館内の素晴らしい絵の数々を見させていただく。いよい
よコンサートが始まました。絵に囲まれた場所でのコンサートは
雰囲気としては最高。一般参加者もかなり来ていたようです。ク
ラシック、ジブリの映画のテーマ曲、そして「スイミー」。子ど
もたち、お母さん方、スタッフの描いたメッセージ入りの小さな
魚たちがひとつの大きな魚になった大きな絵を背景に、「スイミ
ー」を歌いました。そして「LET IT GO」は全員で歌い大いに
盛り上がりました。


最後にみんなで記念写真撮影。その後の後片付けが結構大変で、
長椅子が本物ですごく重たく、準備をしてくれた方に感謝、感謝。
コンサートの際はすべて埋まらなかった「スイミー」の完成作業を
宿舎に戻って夕食後に斉藤さんと子どもたちで行い、ついに完成で
す。

8月2日(土) 晴れ
あっという間に帰る日となりました。参加者の皆様からお礼のお手
紙や絵をたくさん頂きました。
そして二人の女の子が、デイキャンプに来て下さった木島千草さん
の手袋人形劇を真似て、スタッフのために『赤ちゃん・黄色ちゃん
人形劇場』を演じてくれて、最後に嬉しいプレゼントを心に残して
いってくれました。別れを惜しみながら10時に出発し、添乗したス
タッフより「午後3時頃に郡山に到着し、無事解散」との報告があり、
今年のサマーキャンプが終了しました。
