7月29日~8月3日の5泊6日で行われた「第1回 ふくしまの子どもた
ち 信州まつしろサマーキャンプ」の報告です。参加者は福島の4歳か
ら小学校6年生までの子どもたち20名と保護者5名のお母さんたちで
した。

7月29日(月)昼過ぎまで雨後晴れ
 
「黒姫高原キャンプ」の参加者も交えて、29日の朝郡山駅を出発した大型
バスは、予定より少し早目の午後2時過ぎに宿舎となった長野市松代町に
あるJA総合研修所に到着しました。松代の山の斜面に広がる農業大学校
の建物と混在して研修所の各施設があります。
宿舎は大学校の寮に近い高台の方にあり、景色も良く自然たっぷりのとこ
ろでした。到着直前まで雨模様でしたが、到着するころには雨が上がり、
晴れ間が見えてきました。
到着したバスから、少し緊張気味ではあるものの元気な子どもたちと、保護
者のお母さんたちが降りてくるのを見て、スタッフもまずは事に迎え入れる
ことができてホッとしました。
 
宿舎の部屋はツインのベッドにそれぞれ机がついているという研修所らしい
作りの部屋でした。事前の部屋割りにしたがって各部屋に荷物を置いて、し
ばらくしてからオリエンテーションを行いました。参加者とスタッフの自己紹介
の後、スタッフの小池さんからのリードで「笑いヨガ」などをやり、お互いの緊
張が解けてようやくリラックスした感じでした。
そしてスタッフ手作りの梅ジュースと杏ゼリーのおやつを食べてしばし休憩。
その合間に宿舎を提供していただいたJA長野中央会様から大きなスイカ
とりんごジュースの差し入れを受け、みんなニッコリ笑顔でした。
 
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その後ちょっとの空き時間に子どもたちはさっそく宿舎の外に出て、セミ
捕まえてきたり、セミの抜け殻を手に一杯持ってくる小さい子もいました。
 
イメージ 11夕方からは和
室に移動して、
地元松代の町
田さんと「うんと
こしょ」という
ループによるお
はなし会でした。
絵本や地元の
民話の紙芝居、
そしてエプロン
シアターという
体のあちこちか
ら飛び出すお化
けの縫いぐるみを使った話や、絵をどんどん貼り変えながら話が進行してい
くパネルシアターなど、小さな子どもだけではなく、おとなが聞いても楽しい
話に心が和みました。
食事は農業大学校の学生さんたちの食堂の2階でしたが、広くて
明るい眺めのよいところでした。ごはんとみそ汁はおかわり自由
で、毎回賑やかな食事となりました。
 
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7月30日(火)晴れ
 
2日目は真田10万石の城下町だった松代の町巡りでした。高校生のボランテ
ィアも3人加わってくれました。地元のボランティアガイドさんが解説をしてくれ
て、武家屋敷と文武学校をまわりましたが、文武学校の槍術道場にたまたま
練習に来ていた男性に見学をお願いしたところ、快く応じてくれて、棒術と剣
術の見事な型を披露してくれました。子どもたちもそれを間近で見ることがで
きて満足そうでした。
 
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その後松代のレストランで昼食をとってゆっくり休んでから、みんなが一番楽
しみにしていたプールに入りました。松代にある青垣公園市民プールは大き
なプールやウォータースライダーなどの他、小さな子どもがいろいろ楽しめる
プールもあって、子どもたちは元気いっぱいで福島ではあまりできなかった
プール遊びを満喫していました。
 
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宿舎に戻って夕方には、今度は松代にあるJAグリーン長野様から、地元産
のプルーンと桃をたくさんいただきました。一緒にふくしまの子どもたちへの温
かいメッセージも配られました。本当に感謝です。
 
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夕食の後は、外に出てみんなで花火をしました。子どもたちだけではなく、お
母さんたちやスタッフも久々の花火を楽しみました。
 
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7月31日(水)晴れ
 
天気に恵まれた7月31日、飯綱高原「子天狗の森キャンプ場」でディキャン
プを行いました。
福島からの親子25名に加えて、豊野からの小中学生12名、
その他スタッ
フ、ボランティアが加わり総勢56名に及ぶ大人数になりました。
10時にキャンプ場に到着。
午前中は5班に分かれ、「自然と仲良しビンゴ」で、飯綱の自
然を満喫しま
した。
お昼はカレーライスときゅうりとトマトのサラダ、スイカのデザ
ートでお腹いっ
ぱいに。
午後からは、木をこすり合わせて火起こしをしたり、その火で
焼きマシュマ
ロや遊ぼうパン体験。またフィールドアスレチック等をして遊びました。
楽しい時間はまたたく間に過ぎ、午後3時過ぎにはキャンプ場
を後にし、帰
途松代荘で温泉入浴をして宿舎に帰りました。
この日の写真はなしですが代わりにラジオ体操の写真です。キャンプの期
間中毎朝6時半から農業大学校の学生さんたちと一緒に朝の体操をしまし
た。
 
 
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8月1日(木)雨後晴れ
 
お天気はあいにくの雨ですが、この日は農業大学校の体育館をお借りして、
屋内でのクラフト体験が行われました。(その間に早朝希望する子どもたち
を連れて松代の農家の方にお願いしてカブト虫などの昆虫採集に行うこと
になっていましたが、雨のため中止で、その代わり農家の方が事前に用意
てくれたカブト虫が入った虫カゴをもらい、みんな最後まで大切に持って帰
りました。)
 
1.羊毛フェルトのコロくま作り
羊毛フェルト作家の西浜三奈さんに来て頂いて、10時から始
まりました。西
浜さんが福島の子どもたちのためにデザインしてくれた「コロくま」を作りまし
た。土台に羊毛をかぶせて、ニードル針でチクチクと刺して形を作っていきま
す。それぞれ個性豊かな作品が出来上がりました。
 
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西浜さんはつながりを作ろうと「コロくま」NO.1000を目指しています。現在す
でに100を超えたそうです。
 
2.竹の箸作り
 体育館では竹を使った箸作りを行いました。
・まず最初に刃物の安全な使い方について説明を聞いてから
始まりです。
みんな怪我をしないようにね。
・ナタをつかって竹をパカッと割り、箸の太さにします。まっすぐ
割れたかな?
・ノコギリを使って、自分の使いやすい長さに切ります。
・先に向かって少しずつ細くなるように小刀で竹を削っていき
ます。竹が固
いのでなかなか思うように削れません。でも根気よく削っていくうちに立派
な箸になってきました。
・最後に紙ヤスリで仕上げて完成です。
・マイ箸をつくった後に、おみやげにお父さんの箸や、お母さん
の使う菜箸
を作ってくれた子もいました。
 
8月2日(金)午前中小雨後曇り
 
午前中は茶臼山動物園に行きました。高校生のボランティアが7名と看護
師ボランティア3名、それにスタッフが11名付いて、参加者親子と併せて
47名とこの日も大人数となりました。
5班に分けて動きましたが、子どもたちの体力、興味に差があったので、
高校生ボランティアにかなり助けられました。
 
昼食をバスの中で食べた後、徒歩で動物園に隣接する恐竜園に行きまし
た。広々とした園内には25体もの恐竜の模型があり子どもたちも楽しそうでし
た。
 
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この日の夕方には、参加者の皆さんに、ボランティアでご協力いただいた皆
様に、感謝を込めて参加型のコンサートを企画しました。ありがたいことにプ
ロの演奏家3人(フルート・ソプラノ・ピアノ)が、ボランティアで出演して下さい
ました。
コンサート会場の視聴覚室の飾り付けなどは、成り行き任せ
でと思っていま
したので、一切考えていませんでした。前日の1日は、クラフト体験の他はフ
リーでしたので、絵を描くことが好きな子どもたちに、『黒板にタイトルを描い
てみない?』と振ってみると、すぐ4人の子どもが『やりたい!』ということで、
聴覚室で準備が始まりました。アッという間に思い思いに絵やタイトル文
字を描いてくれました。明日まで内緒にしておいて、みんなをビックリさせよ
うということになりました。
これでは物足りないと思ったのでしょう。その夜は多くの子ど
もたち、お母さ
んが自主的に折り紙で輪つなぎ、花、切り紙、様々な素敵な作品をたくさん
作ってくれました。しかし、こんなに作ってくれたけれど、明日は茶臼山動物
園・恐竜公園とスケジュールがいっぱいですし・・・飾る時間はあるかしら? 
私が飾り付けて子どもたちが満足するかしら? まぁ臨機応変に・・・
そして当日、子どもたちは演奏家の方も感動する程、見事に
会場を明るく楽
しく飾り付けてくれました。
コンサートの様子は、新聞社の若い記者さんが取材してくれ、
8/3日朝刊の
記事となりました。飾り付けた写真は掲載されず残念でしたが、あの会場に
いらした皆様の心に焼き付いたのではないでしょうか。皆で作ったペットボト
ルのマラカスを奏で、心を一つにして歌った素晴らしいひとときでした。感動
『ありがとう』です。
 
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8月3日(土)曇り後晴れ
 
朝のラジオ体操は農業大学校の学生が夏休みに入ったので、こちらのキャ
ンプ独自で行いました。最後の朝食ですが、最初はあまり食べられなかっ
た子どもの一人がほぼ普通通りに食べられるようになりました。変化があっ
たのでしょうか。
食事の後、子どもたち一人ひとりから、「スタッフの皆様へ」とい
うタイトルの
入った心温まるメッセージや絵を一枚一枚描いたものを代表の斉藤さんに
贈呈されました。その一部を斉藤さんが紹介しましたが、大感激です。昨夜
遅くまでみんなで書いて(描いて)くれたようです。
 
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最終日を迎え、本当にみんながひとつの大家族になったような気持ちでし
た。大きなトラブルもなく、こうやって無事に最終日を迎え、子どもたちも心
なしか最初の頃より成長したかも、と思うようにもなりました。
予定通り9時半に黒姫からの参加者を乗せたバスにみんな
が乗り込み、
午後3時前には無事郡山にバスが到着したという連絡が入りました。
多少雨は降ったものの、結果的には天候にも恵まれた5泊
6日のキャンプ
でした。参加者の子どもたち、お母さんたち、JAの皆さん、松代の皆さん、
ボランティアの皆さん、本当にありがとうございました。
これで問題が終わるわけではありませんので、これからさらに息の長い活
動が求められています。皆様のご支援、ご協力を今後ともよろしくお願いい
たします。