代ゼミと大衆演劇〜オワコンからのはばたき加速度V字回復。 | 大衆演劇西高東低ブログ☆川崎大島劇場真夏の夜の夢★

代ゼミと大衆演劇〜オワコンからのはばたき加速度V字回復。

大衆演劇のメインの客層はお年寄りです。お年寄りの大半は足腰が悪いので、駅から徒歩10分でもしんどいと思います。


例えば、川崎大島劇場。川崎駅から徒歩だと30分近くかかります。最寄駅はないので、大半は川崎駅からバスに乗って来ますね。川崎市営バスでも臨港バスでも大体は「追分」というバス停は通ると思うので、とりあえず「おいわけ」に行くか否かを運転士に尋ねたらいいと思います。


「いいわけ」でも「おいぼれ」でもなく、「おいわけ」ですからね。


中には御老公の湯境店という、来客させる意思が全く感じられないような公演先もございますから。最寄駅がないんですよ。送迎も団体でないとやらないポリシーですし、タクシーでファンが相乗りして行くしかない場所にあります。タクシー代もバカになりません。


関東のセンターでなんとかたどり着けそうな場所にあるのは川越くらいなんです。次点はつくばでしょうか。最寄駅はつくばよりも荒川沖ですけどね。


無理ゲーみたいな場所にあるのに早起きしてプチ遠征するファンがちらほらいるとか。関東はもはやそこまでしないと大衆演劇を観られない環境なんですよ。


川崎は御老人が死ぬ気になれば歩けますし、なんだったら路線バスもございます。なんで、川崎に行かないんですか?まあ、商店街どころか、周りにはコンビニくらいしかない場所ですけどね。


三吉演芸場は一応横浜橋商店街というものがございます。昼間はそこそこ賑わってます。夜はゴーストタウンですけどね。いずれ、夜の部は無理になりそうな予感がします。


立川けやき座は町外れにあるとはいえ、立川駅から徒歩圏内です。ここも夜の部は厳しそうですけど。周囲にはコンビニもないし、喫茶店すらないので夜行くには確かに寂しいとは思います。


浅草木馬館と篠原演芸場はアクセスにも比較的恵まれてますね。浅草は浅草寺の真裏ですし、篠原演芸場は十条駅と東十条駅の間にある商店街のど真ん中ですし。


歌舞伎町劇場は新宿区役所の真裏にあるんですけど、お年寄りがたどり着くには少し大変かも知れません。繁華街にあるので寂しいことはないんですけどね。


足腰が悪い年寄りが劇場にアクセスするのは容易ではないんです。そこまで加味して劇場の場所を考えているのかと言われると、まあ考えてはないでしょうね。


小岩湯宴ランドが当たったのは小岩の駅前商店街にあるからです。まあ、あんな場所に健康ランドが建つことなんてもはやないでしょうからね。


劇場の立地が悪くて、ファンは高齢者の女性中心ですから。そりゃ苦境に立たされるわけです。まさに、構造的な問題ですね。


代ゼミが潰れた理由は少子化で中堅私大を目指す浪人生が減ったからです。元々は出来の悪い受験生を明るい雰囲気で鼓舞するようなパフォーマンス講師がウリの予備校でしたから。


合格実績は進学校の優秀な生徒にゴールドメイトというタダパスを配ることで確保して、出来の悪い受験生をお客様とするあこぎな商売だったんです。


それを踏襲しているのが東進ハイスクールですよね。「いつやるか、いまでしょ」とは、いつまで経っても本気を出さないお客様にとっては刺さる言葉だったと思います。


そういった生徒の大半はスマホかタブレットがあればいつでもどこでも授業が観れるスタサプに移行したみたいです。スタバでも図書館でも授業視聴できますからね。わざわざ予備校に行かなくても。


まあ、代ゼミはイメージで損してるところがあると思います。どうせおちゃらけたイメージしかないのであればとことんそれで行くというのもアリだとは思いますけど、今の経営陣にはその覚悟はなさそうです。


さらにいうと、代ゼミはもはや後継者を育成してないですからね。講師の高齢化に直面しています。


かつては若手の実力派講師がばんばん出てきて、トコロテン式にロートルを押し出して来たんですけどね。かつての西武ライオンズ、広島カープ、横浜ベイスターズみたいな感じです。


今の代ゼミには富田や西谷を押し出せるような講師は皆無なんです。つまり、今の講師が引退したら終わりなんですね。集客力のある講師、ネットなどでバズる講師など出て来てませんよね。それが全てです。今年の西武ライオンズばりにオワコン化してます。


古文の芸人枠みたいな講師で賑わっていた頃が懐かしいですね。つっちー、吉野がいた頃がピークでした。


代ゼミに覚悟があるのであれば、次はホストかオネエかYouTuberあたりに講師になってもらうとかどうでしょうか?バズるかも知れません。


大衆演劇も座長の高齢化という問題に直面してますね。40過ぎた座長が中心で、30代の座長となると半減します。20代ともなるとさらに激減しますね。今の若手でロートルを押し出せるほどの実力ある役者など皆無に近いのではないでしょうか?


さらにいうと、人気劇団ほど後継者が少ないというのもございます。都若丸や大川良太郎の後継者はいないですし。まあ、一人前になって独り立ちする前に大半は辞めていく世界ですからね。結局は座長の子どもくらいしか残らないんです。


さらにいうと、将来を案じて自分の子どもを座長にさせたがらない役者が増えてそうです。かつては役者に生まれたら役者くらいしか道がないような世界だったかも知れませんが、いまは勉強さえすればそれなりになんとかなりますからね。


また、大衆演劇ファンの固定化という問題もございます。御老人が健康ランドなどで安く観る娯楽というイメージが定着してるので、なかなか裾野が広がらないんですよね。


新風公演はなんとかイメージを払拭しようとしてやってるとは思うんですけど。大衆演劇の懸案である脚本と舞台の完成度を上げるということに果敢に挑戦しているところだと思います。


でも、大衆演劇の良さは気軽に観れて、役者との距離が近いところですからね。


あまり敷居を高くしたら役者との距離が遠くなりますし、暇だから温泉がてら大衆演劇でも観に行くか、といった気軽さがなくなりますよね。


新風公演は大衆演劇の完成度を上げてより質の高い舞台を魅せることでファンの裾野を広げようとしてると思うのですが、それによって大衆演劇のフッ軽さと距離の近さが損なうことになれば、諸刃の剣ですよね。


代ゼミがパフォーマンス講師を排除して、イカニモ河合塾あたりにいそうな、うぶな現役生相手にエラソーにしてる、どこかで生徒を小馬鹿にしてそうな、生徒との距離感がバグってる、中途半端な真面目系講師ばかりを前面に出したところでイメージアップになるとは思えません。


それだったら駿台や河合塾行った方がいいですし、代ゼミにそんなもの誰も求めてないと思いますし。


コンプライアンスを意識しすぎるがあまり、講師やテキストが小さくまとまりすぎてもアカンと思うのです。


今までのイメージを払拭しようとして本来の持ち味をかなぐり捨ててしまうのはもったいないと思いますね。


代ゼミから新たな芸人枠名物講師が爆誕するのか、大衆演劇から新たなスターが誕生するのか。


真面目な役者が増えるのはいいんですけど、大衆演劇のいろんな意味でいい加減さを体現しているような役者も必要だと思います。


所詮は大衆演劇ですからね。後ろの席でいびきかいてるようなおっさんがいるような感じがちょうどいいんですよ。