大衆演劇のダンディズムとは? | 大衆演劇西高東低ブログ☆川崎大島劇場真夏の夜の夢★

大衆演劇のダンディズムとは?

大衆演劇とは元々は労働者のおっさんの仕事帰りの娯楽として生まれた芸能なのではないか。


それゆえに繁華街よりも下町に劇場があり、夜公演がメイン、内容も労働者のおっさんが好むような血生臭い芝居が多かった。


労働者にとって、呑む、打つ、買うが楽しみなのは今も昔も変わらない。酒とギャンブルと女、それが自分への御褒美だったりします。


出稼ぎなどで地方から上京している労働者にとって郷愁漂う演歌は好んで聴かれ、歌われました。演歌も酒、涙、女が主題ですよね。


演歌と大衆演劇は心情的には近いものがあると思います。よく演歌は日本の心だとかいうフレーズがありますが、それは高度経済成長を支えた労働者の心であって、ぶっちゃけ、都会のホワイトカラーにはそこまで刺さらなかったのではないでしょうか?


マイウェイとか歌っているおっさんには演歌なんて別に興味なかったと思います。演歌は場末のスナックが似合うんですよ。


大衆演劇が下火になったのは映画に取られたというのもあります。任侠者など映画で多数作られたのも労働者の需要があったからです。


男は、無頼とか不良に対して、どこか憧れがあるんです。ヤクザ、チンピラ、ヤンキーだとか、アウトロー、アウトサイダーに対する憧れを吸い取って生まれた映画、ドラマ、漫画などの作品は数多いですね。


矢沢永吉が今でもアレだけ支持されているのも、永ちゃんはヤンキーのアイドルだからですよね。


石原慎太郎が支持されていたのも弟である俳優の石原裕次郎がどこかアウトサイダーな雰囲気があったからです。


石原慎太郎は「太陽の季節」という今考えてみればしょうもない小説を描いて一躍人気者になりました。若い頃は無頼漢剥き出しにして、社会に対してギラギラした態度を取っていたそうです。おっさんになってからは右傾化して、おっさんおっさんしたしょうもないおっさんに成り下がってしまいましたけど。老害というやつですね。


都知事として長い間居座り、都政を私物化。中国などに対してはノーと言うパフォーマンスをする反面、都政の利権に貪りつくハイエナに対してはそうせい、そうせいと好きにやらせてました。


豊洲市場も東京オリンピックも要は利権によるものですからね。都民は別にそんなもん望んでいたわけではないですし。


ゴリゴリ推して東京五輪を誘致して、最後には都知事を投げ出して、あとは知らんけどという感じでオリンピックを見届けてから安らかに死んでしまいました。石原慎太郎って一体、何だったんでしょうか?


大衆演劇とは男のダンディズムのひとつである、無頼漢、アウトロー、アウトサイダー、不良性などをギュギュッと固めた世界観を具現化した芸能だと思います。


だから、タバコ舞踊なんですよ。アレは、大衆演劇のダンディズムそのものなんです。オフィシャルタバコダンディズムですね。ただタバコ吸って、ヤンキー座りするだけで十分なんです。アレの一体なにがいいのか、なんて言ってはダメです。アレこそ、大衆演劇をわかりやすく体現したものですからね。


大衆演劇は悪い男の、悪い男による、悪い男のためのファンタジーなんですね。なので、元々は芝居オンリーでした。舞踊ショーなんて大衆演劇が下火になってから女性ファンを呼び込むために始めたオマケに過ぎなかったんです。


送り出しにしても、基本はちょいワルオヤジの世界観ですからね。高倉健みたいなものですよ。不器用なおっさんが送り出しなんてしたところで愛想なんて振りまけるわけがないじゃないですか?


まあ、いま、そんなことしたら潰れますけどね。劇団ビホー、ヤル気あるんでしょうか?少しは愛想良くしないとますますファンが離れると思いますよ。新規のファンなんて多分付きませんよ。座長はホントに花道に劇団残すつもりあるんでしょうか?


今の大衆演劇は9割は役者目当てに通っているおばちゃんですから。おばちゃんには愛想振りまかないとダメです。


演歌歌手だって愛想振り撒いてますからね。ただ、歌ってるだけじゃ集客なんてできません。最近では送り出しだってやってますからね。CD買った人限定ですけど。


大衆演劇も変わらないと行けないとは思います。ヤンキーだとか不良だとか、いま流行りませんからね。


まあ、EXILEとかもヤンキー文化の末裔のような気はしますけど。純烈だって硬派ですからね。ちょっとヤンキー臭がします。


チョン烈はよくわかりません。大衆演劇からも全く相手にされてませんし。いつかは花開くときが来るんでしょうか?


大衆演劇とは男の不良性とかアウトサイダーを具現化した世界である。それは芝居や舞踊ショーにも端々感じられるところがある。


だが、不良とかアウトサイダーが流行ったのは昭和までであり、ヤクザは新法によって殲滅し、暴走族も縮小傾向にある。半グレにはあまりいいイメージはない。トー横キッズと呼ばれる輩も一掃されてしまった。


タバコ舞踊だって嫌だというお客さんがふえているみたいですし、血糊さえみたくもないというお客さんがいる時代ですからね。


大衆演劇も脱ヤンキー、脱不良、脱ヤクザを目指して行かないといけないかも知れませんね。


長谷川一馬みたいな王子様キャラがウケる時代かも知れません。花道も王子様キャラを目指した方が良さそうですね。


ちいかわたかひろは王子様ではないですよね。やっぱり、ちいかわですよね。どこからみてもちいかわですよ。血威華我ですね。