大衆演劇のねじれと夜の部の集客問題への提言。 | 大衆演劇西高東低ブログ☆川崎大島劇場真夏の夜の夢★

大衆演劇のねじれと夜の部の集客問題への提言。

きょうび、大衆演劇の観客の9割以上は女性ですよね。にも関わらず、芝居の内容はどちらかというとオッサンが喜びそうな演目が多いとは思いませんか?


股旅物に渡世物、血糊を使った大立ち回りなど、どちらかといえばオッサン向きですよね。役者もどちらかというとオッサン向きの芝居の方が好きみたいです。そもそも、女形があまり好きではないという役者もちらほらいますからね。


いわゆる大衆演劇のねじれというやつです。芝居はオッサン向けなのに観客はほぼ全員女性というやつですね。観客はオッサンが喜びそうな血生臭い芝居だとか、時には女性差別的な内容だったりもします。


そもそも大衆演劇の黎明期は女性ばかりが観に来たわけではないですから。酔っ払いのおっさんが舞台上の役者と喧嘩するなんてこともあったそうです。意外とおっさんおっさんした男臭い世界だったみたいですね。どさ回りと言われたように、煌びやかな世界ではなく、どこか物寂しい世界だったと思います。昭和の大衆演劇には哀愁が漂っていたような気がします。知らんけど。


舞踊ショーが導入されたのもマンネリ打破と女性客が増えてきたというのがありそうです。オッサンオッサンした芝居三本立てではやはり女性には水に合わないと考えたのでしょうか。近年では前狂言も行われることがレアになり、芝居と舞踊ショーの二本立てか、顔見せミニショーを挟んで三本立てだったりします。もはや、芝居よりも舞踊ショーの方が比率が高くなってますよね。


女性向けの芝居を増やせばいいと思っても、大衆演劇の主役は男性で、どうしても男尊女卑になりがちなんです。芝居の舞台が江戸だったり明治大正昭和ですからね。女性が日陰の存在だった時代が舞台になってるわけですから、そもそも女性に光なんて当たらないわけです。


釣り忍にしても鶴八鶴二郎にしても湯島の白梅にしてもハッピーエンドではないですからね。梅川忠兵衛は心中物ですし。


三婆は例外中の例外かも知れません。主役はおばさんですからね。あとは意地悪婆さんとかお玉の亭主くらいしかないかな。女性がスポットライトを浴びる芝居って数える程しかございません。


いっそのこと宝塚みたいにオール女性の大衆演劇というのも面白そうですけど、そもそも女優が少ないのでなかなか難しそうです。


どうしても大衆演劇のコンテンツはオッサン向けが多くなりがちで、内容の8割はオッサン向けだと思います。にも関わらず、お客さんの9割は女性だったりします。


お客さんに寄り添うならば、やはり芝居を女性仕様にシフトした方がいいと思うんですね。喜劇を多めにすることで、男女の性差をあまり感じさせないようにするとか。江戸や明治から昭和を舞台にするにしても男尊女卑ばかりではないですし。


女性ファンをさらに増やそうとするならば女性向きに芝居の内容もマイルドにした方がいいかもしれません。喜劇要素を増やして、分かりにくいところは噛み砕いて誰が見ても分かるような構成と演出にするとか。


昭和の頑固なオッサンを唸らせるような芝居をやったとしてもあまり集客には反映しないと思います。まあ、そんなコテコテの大衆演劇、きょうびどこもやってないとは思いますけど。


そのうち芝居は週末だけにして、平日は舞踊ショーだけにするとかなるかも知れませんね。


そうなるとくだらない踊りは減らさないといけないと思います。大衆演劇あるあるのどうみても時間稼ぎ、つなぎのための踊りとかあるじゃないですか。アレ、意味ないですからね。くだらない踊りでお茶を濁すのであれば適当に曲でも流して撮影タイムにするか、トークでもした方がいいと思います。踊るならばそれなりにきちんとやるべきだと思いますし。


あとは夜の部平日5時半開演とかやめた方がいいと思います。専業主婦か、隠居か、ニートか、自由業か、FIREしたひとか、見に来れるひとも限られて来ますからね。そりゃ、集客に苦戦するわけです。


夜は7時から、早くても6時からでいいと思います。芝居も踊りもそれぞれ50分ほどにコンパクトにして、木戸銭も1500円以下にすれば集客できると思いますよ。


いっそ、芝居やめて舞踊劇にするとかね。流石にイブニングショーだけで2000円以上取るのは難しいとは思います。歌舞伎町劇場は強気ですよね。芝居は土日だけにして、芝居と舞踊ショーのフルパックの時のみ2000円取るとか。課題は平日夜の集客ですから。


それか、平日は芝居一本のみにするか。芝居だけで千円くらいで観られるならば、行きたいというひとも増えると思うんですよね。