大衆食堂から脱却した矢場とんヒストリー。
予備校が活況だった80年代、名古屋の味噌カツの名店矢場とんは苦境に喘いでいた。倒産の危機だったそうです。
当時の矢場とんは味噌カツよりも串カツで有名だったとか。
ナゴヤ球場にも出店していて、矢場とんの串カツは球場の名物だったみたいですね。
味噌カツとは元々、土手鍋の残り汁にカツをつけて食べたのがきっかけだったとか。家系ラーメンの汁にライスを入れて食べるようなものですね。
そんな矢場とんも80年代に入るとファミレスなどの台頭によって次第に客足が遠のいたそうです。店舗が汚くて、若い人から見向きもされなくなったのが原因みたいです。
二代目の女将が奮闘し、90年代から少しずつ改革を進めていったそうです。
店の暖簾を変えてみたり、プラスチックのお皿を陶器に変えたり、パン粉や米なども一新したりしたとか。最終的にはメインバンクや税理士まで変えたそうですね。
初代の大女将と二代目はバチバチだったみたいです。嫁と姑の争いですね。
最終的には大女将を引退させて、二代目の改革を推進したみたいです。大塚家具はそれで失敗しましたが、矢場とんはうまく行ったみたいです。2004年には念願の東京進出も果たしました。愛・地球博を翌年に控えて、空前の名古屋メシブームも追い風となって大衆食堂からの脱却を果たしたとか。
矢場とんはなんだかんだでそこそこ高いですからね。個人的にはかつての大衆食堂時代の方が良かったような気がしますけど。揚げ物なんてがっつり食べたいですからね。串カツ然り、とんかつ然り。
個人的には味噌カツよりも新潟のタレカツの方が好きですけどね。薄いカツに出汁ソースをくぐらせたものが乗ってるんです。最近東京でもタレカツ専門店が増えてますよね。
矢場とんは今や名古屋メシの定番のひとつとして手羽先、あんかけスパ、味噌煮込みうどんなどとともにすっかり定着しました。
廉価版矢場とんとか、ジェネリック矢場とんみたいな店があるといいんですけどね。値段は矢場とん本店の半額以下にするとか。
大衆食堂は安いが一番ですからね。普段使いできないとなると、年に一度のごちそうみたいになりますから。観光客相手にすれば多少高くても中に入ってくれそうですけど、地元民の常連客も大事ですからね。
名古屋メシみたいに名古屋はどこかガラパゴスめいたところがあるけど、それが名古屋のアイデンティティになってますよね。観光地としては見どころも少なくてさほど魅力があるわけではないけど、食べ物をウリにしているところがあります。
スガキヤ、コメダ、ココイチなど、名古屋発祥のチェーン店もありますし。
かつて新幹線のぞみの一部列車を通過させようとしたら猛反発を食らって撤回したこともありますね。名古屋を無視することは許されないみたいです。中日ドラゴンズはここ数年パッとしないけど、トヨタ自動車は堅調ですからね。まあ、最近なにか問題起こしたみたいですけど。
愛知県イコール名古屋のイメージですけど、モーニング発祥は一宮、八丁味噌は岡崎だったりしますから。微妙にズレていたりします。