1988年に発売されたデッドエンド通算3枚目のアルバム。
丁度そのころは日本でもメタルが盛り上がっていた時期。
僕の周りで一番人気だったのはアンセム。
1987年にBOUND TO BREAK、1988年にGYPSY WAYS、1989年に
HUNTING TIME という三連続の熱い名作メタルを発表していた。
夏は、おばあちゃんが経営していた海の家でアンセムのテープを
流していたっけ。暑い夏に熱いアンセムが合っていたなぁ。
そして、1989年にはXがBLUE BLOODを発表。一気に日本メタル
シーンの頂点に立った。Xはメタルに興味がない人も巻き込み、
本当にブームといっていいほどの人気だった。
もちろん、アルバムの内容も良かったしね。
そんな日本メタルシーンで、デッドエンドの格好良さは抜きんでいた。
陰鬱な、でも力強さと艶かしさを両立しているヴォーカル。
タイトで曲を引き締めつつ、劇的に曲を盛り上げる楽器隊。
誰ひとつとして似ている存在が思いつかない。
あまりに独特で美しい彼らを真似するバンドが大勢出てきた。
その後出てくるビジュアル系バンドは少なからずデッドエンドの
影響を受けていると思う。
10の I Can Hear The Rainの美しさを聴いてみて欲しい。
こんな完成度の高いハードロック・へヴィーメタルチューンが日本に
いままであっただろうか。MORRIEの抑えた絶叫とYOUの歌い上げる
ギター。
デッドエンドはある程度の成功は得た。
でも、後にラルクアンシェルを見ていると、もっともっと売れても良か
ったと心から思う。
恐らく、デッドエンドは「完璧すぎた」んだ。
完璧すぎて、人の持つ「熱さ」が感じられない~感情移入することが
難しい、と思う人が多かったんだろうな。
90点
I Can Hear The Rain。2:35からYOUのギターソロが始まる。この泣き
のギターを是非聴いて欲しい。亡くなってしまったのが本当に残念。