ギャモンに限らず、人にものを教えるというのは、特殊な技術を要します。その技術を持っているか持っていないかで、教わる側の印象は思いっきり変わってしまうんですね。自分がギャモンを教えた人には、ギャモンを好きになってもらいたいですよね。自分が書くのは最終回になるかと思うのですが、最後にギャモンの教え方について書いてみたいと思います。教わるほうは、ギャモンのルールはわかって、ギャモンを好きになり始めている初級者という設定で。ここを見ている人は先生になるべき中級以上の人が多いでしょうから、その予定で書きます。
A:先生 B:生徒
例:初手65、相手31の局面
ダメな教え方
A「こっちのほうがレースで勝っていて、相手はインナーを作ったから、プライムに捕まらないようにして、レースに持ち込めばいいんだよ」
これがなぜダメかというと、用語をたくさん使っています。相手がその用語を知っているかどうか分かりません。さらに、用語を知っていたとしても、教える側は用語の意味をちゃんと把握しているので、少しのことしか話してないつもりでも、教わる側は、逐一用語の意味を考えながら聞かないといけないので、非常に疲れます。また、内容の理解も薄くなって、つまらないと感じるかもしれません。
良い教え方
A「こっちのほうが大きい目を振ったから、このまますごろくの競争になったらこっちが勝つよね?」
B「うん」
A「じゃあ、相手はここ(5pを指差しながら)を作ったけどどうやって勝ちに来ると思う?」
B「この一枚を閉じ込めに来る」
A「そう、だから、こっちは、この一枚が安全に逃げることができたら、有利になるよね。だから、それを目指そう」
という感じで、噛み砕いて教えることが大切です。悪い教え方では二行で終わってますが、教わる側は良い教え方の分量くらいの内容を二行で言われているわけで、理解するのはかなり大変です。
では次の例を考えましょう
例:自分がエースポイントゲームに押し込まれてしまっている時
ダメな教え方
A「相手が割れてブロットを打つことができたときのために、早くインナーボードを作ることが大切だよ」
良い教え方
A「これはすごく不利だよね?」
B「うん」
Aじゃあ、どうやったら逆転できると思う?」
B「66をたくさん振る」
A「確かにたくさん振ったら逆転できるね。でも、66を4回は振らないと逆転できないよ。4回振れる?」
B「多分無理」
A「じゃあ、他にはどうやって逆転する?」
B「相手の駒を打つ」(生徒のほうが打つという言葉を使ったので、先生もその言葉を使う。もし、戻すという言葉を使ったら、先生も戻すという言葉を使う)
A「そう、相手が一枚になったときに打つことができたら逆転できるよね。じゃあ、打つことができたときに、(インナーを指差して)どうなってたら勝ちやすい?」
B「壁ができてたら勝ちやすい」
A「そうだよね。だから、今のうちに壁を作ろう」
これらの教え方の違いは分かりますよね。もちろん、ここで言ったいい教え方というのが100点というわけではありません。生徒によっても変わるはずだし、先生によって教え方の色が違うのは自然なことです。しかし、間違いなく合格点の教え方で、悪い教え方よりいいというのは分かっていただけると思います。
また、難しい言葉を使わないで説明するというのは、非常に大変なことですが、これは自分のギャモンを見直すいいきっかけになるはずです。自分自身のギャモンの実力の向上にもつながります。
こういった教え方を身につけて、ぜひギャモンのファンを増やしていきましょう。
それでは皆さん、中野でお会いできるのを楽しみにしています。