※この日記は長くなります
先日日本のママ友と久々にテレビ電話
小学生に上がった息子くんの話を聞きたかったので本当〜にためになった
・登下校
・お迎えに行く時間
・学校に楽しく行っているか
・自分の仕事の調整
・役員のこと
などなど‥
ここスイスでは小学1年生になっても大きな変化がなかったが、日本の保育園生から小学生に上る変化はかなり大きいものだ。
そして電話を終えてからずっとモヤモヤ‥考えてしまうのが
「日本の小学生忙しすぎる件」そして「それを一手に支える働く母の負担半端ない件」
我が子が通う学校の1日の流れはこうだ。
登校→午前中にお外遊びタイム、スナックタイムあり→午後にお外遊びタイムあり、15時ごろお迎え(その後は家に帰って好きなことして遊ぶ)
ここに1時間程度の習い事をさせている日もあるが、学校からは教科書や宿題がないので帰ってからは基本遊んでいる上に学校でも遊びの時間が長い算数もあるにはあるが毎日はない。(それに遊びながら数を理解する、みたいな勉強法なので基本的に机に座って授業はしていない)
ちなみに水曜日は午前で学校が終わる(現地校は水曜日は休み)。
それに引き換え日本の小学生(with働くママ)
4月に入学から1週間後には5時間授業、毎日算数と国語の宿題プリント各1枚に音読、授業後に学童→18時ごろお迎え後、帰宅後に即宿題。
それに週2で公文か学研に通っている子がほとんどだとのこと
それに加えてスイミングともう一つ習い事(土日)している。
ママさんはフルタイム社員だけど、子が学校に慣れるまではと、学童のお迎えを早めに16〜17時台にしているそう。
(ちなみに学童自体も2つ使い分けている)
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そうだった。。これが日本の小学生のリアル。。
働くママのリアル。。
詳しく聞くには、帰宅後すぐに宿題をさせ、その間はつきっきりで見てあげる必要があるため、終わってから夕食作り・お風呂・寝かしつけのフルコースは
かなり忙しそう。
そう、シンプルに保育園の頃と違うのは「宿題」と「次の日の準備」があることだ。
保育園の頃さえワンオペで家庭と育児を回すのはヒーヒーして休む間もないフル稼働の毎日だったけど、
そこに「子供の様子をよく見てあげないといけない」のが加わる感がある。
実際小テストで低い点を取ってくることもあり、それは問題の意味がわかっていないことが多く、
宿題では丁寧に教えながら付き添っているみたい。
忙しいですよね、お母さん。。それら全ては母の役目・・(うちと状況が似ているワンオペに近い家庭なので大変参考になる・・)
日本では当たり前のこのスパルタ小学校詰め込み授業と、母がスーパーサイヤ人的に全てをこなす努力の毎日・・
「こんな毎日に戻れるんだろうか?」(現在こちらで就労していない)
との心配も深いけど、それ以上に、こっちの小学生生活となんでこんなに違うんだ??という点が引っかかっている。
最近読んだ育児書として、ボーク重子さんの「非認知能力の育て方」と「佐藤ママの子育てバイブル」があるけど、
この二つは対照的だ。
前者は海外・ワシントンDCで子育てし、娘を全米優秀女子高生に育てた方の子育てが学べて、
後者では四人の子供を東大理Ⅲに入れた、教育者の経験もある完全日本の子育てが学べる。
後者はスパルタ的(暗記のために何度も繰り返しの)学習法で、前者は「考える力・問題解決能力」を養うための学習法。
それはそのまま海外の高卒資格獲得のテスト等が「考えさせる」ものが重視されているのに対し、日本の入試テストは「暗記」がベースになっているからというのに関係していると思う。
授業そのものも、海外では英語や母国語を使った「意見」を述べさせるのに対し、日本は「読み・書き」そして「読解力」を鍛える。
実際に日本の小学生の宿題を見ていても、簡単な文章を読んで「くまさんは、りんごを拾った後に何をしましたか」1、2、3を並び替える、
みたいな「並び替えたけど、だから何」的な内容が多い(偏見かな・・?)
そもそも、英語が母語の国は覚える文字はアルファベットのみ、26文字なのだから、ひらがな46文字に対して既に少なく、すぐに文法とか単語のステップに移れて、高学年では意見を述べる、という内容に移行して行くのは至極当然な気もする。
かたや、日本の場合はカタカナに漢字も覚えるが、常用漢字は2,136字らしい、多い。それに高校生になってから習う古文や漢文はまた新しい暗記分野だ。
暗記のオンパレード・・てか古文ってなんのために必修なんだ・・大学でやりたい人だけやればよくないか?
そして算数のレベルも海外よりかなり高い、というか速い。これも公式の暗記がセットだ。また暗記。
解を求めるような高校生レベルの難しい局面に入っても、パターンを覚えてやりこめばそれなりの結果が出せる。
だから良い点を取りたければスパルタ的に勉強するのが日本の場合必須で、それにそぐわず勉強嫌いになる子も多いと思う。
そして第二外国語の必修・英語。アルファベットを使う言語はヨーロッパ諸国でフランス語話者がドイツ語を学ぶのと異なり、
また思いっきり一からの学習である。
そして英語のテストでは、発音記号が出たり、単語の意味が出たり、とにかくこれも暗記である。単語帳丸暗記。
暗記・暗記・暗記・・・・暗記は基本繰り返しの学習なので勉強時間が多いほど覚えられるので、小3になると塾に通い、夜遅くまで勉強(中学受験対策・・)
※中学受験の内容は暗記偏重ではないかもしれない。知らない。
じゃぁ海外の「意見を述べるテスト」とはどんなものかというと、私が衝撃を受けたのはフランスのバカロレア。哲学を問うてくるのである
試験は7日間にわたって行われ、なんと各試験問題は1問、4時間にわたって回答するのだ。
例えば・時間から逃れることは可能か(哲学)
・労働は人々を分断するのか(経済社会学)
・文化の多様性は、人類統合の障壁になるか(科学部門)
など、各3問から自分で一つ選んで回答する。このバカロレアの点数が低いと卒業できない、大学の資格がないのだ。
上記の問題を解けるような人物を育てることに主眼を置いて教育を考えると、自ずと哲学を理解し、社会問題を理解し、自分の意見を育てることが必須になろう。
フランスのスクールものの映画とか見ていると古典を朗読したり、紙の本を持つ学生が描かれているが、普段からものの考えかたを意見交換するのが文化なのではないかな。カフェとか話し好きなのはそういった社会で起きている物事についての解釈を話し合うのが好きなんじゃないかな。
会社のランチタイムで国防についての意見を聞かれたりもするらしく・・
とにかく意図せずとも海外に来てしまった私が思うのは、こうした教育その他のあり方が日本と全然違っていて、
そして私はボーク重子さんの言うような「自力で問題解決していく力」を育てたいと思っても、
1年後には日本の公教育に戻っていく身。日本の教育がこれからの人材の育て方と言う点であっていようが間違っていようが、
本人が日本の公教育に合っていようがマッチしなかろうが、
日本の学校で青春のほとんどを過ごす息子にとって、日本の学校において落ちこぼれないのは、学校生活を楽しむうえで重要なのだ、、、、
じゃぁそう考えると、この幼い時期に2〜3年海外で過ごして多様な価値観を知ったり、ゆるい学校生活を送ったことは、
息子にとってどうプラスになるんだろうか???
英語も全くペラペラにならないし、(というかまだ喋れない)
「いろんな人がいるなぁ」と言う実感、と言う感じかしら。
何が言いたいかというと、日本に戻ってからの人生、また日本のみ、日本人・日本文化・日本の独特な社会の中でずっと暮らしていく。
今の暮らしとのギャップがすごいのだ。
ここで肌で感じた、教育の違いや文化の違い、こういう事が、まるで何も経験していなかったかのように日本社会に溶けていくのかなぁ・・?
日本にいて、海外の人と関わりを持つことってほぼないものね。(少なくともドメスティックな企業で働く私にとっては)
息子にとっても、私にとっても、何か意味のある形で、文化の違いの灯火を持っていたいものだ。
例えスパルタ勉強小学生になっていくにしても・・(なるのか・・???)
はぁ、それにしても本当に疑問。なんで日本人はこうも忙しい毎日を送り続けるのかな。
学生にとっては、大学入試が暗記すぎるのと、大人にとっては中小企業が多すぎるんじゃないかしら
みんなはどう思うのかな。