欲しい胃薬がナイ・・・。 | こだま堂漢方薬局のブログ

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こんにちは。

こだま堂の長峯です。

 

こないだ出かけたときに、旦那ちゃんがイマイチ胃の調子が悪かったらしく、なのに頻用している「半夏瀉心湯」を持ってくるのを忘れた・・・んですよね。

 

そういうときに限って、晶三仙も何も持ってない・・・。

 

なので、ドラッグストアを何カ所か回ったんだけど・・・意外と売ってないのね・・・半夏瀉心湯・・・。

 

 

 

ドラッグストアで売っている胃薬と言えば、「大正漢方胃腸薬」かと思いますが、あれは「安中散料」「芍薬甘草湯」の合方で、「冷たい物の飲食などで、胃腸が冷えて不調になった」症状に使う漢方薬です。

 

テレビCMで、焼き肉飲み会で暴飲暴食!!大正漢方胃腸薬を飲むぞ!!・・・ってな感じのシーンがありましたが、焼き肉の暴飲暴食は胃熱になりそうだから、ん~ちょっと違うよね・・・というのは、漢方の専門家の多くが思うところだったのではないでしょうか!?(ビール飲みすぎで冷えたなら該当するかも・・・)

 

半夏瀉心湯の方が、清熱薬も温裏薬も入って、半夏はむかつきにもイイし、幅広く使いやすい胃薬だけど・・・。

 

ドラッグストアにはあまり売っていない理由が、一説によると「原料生薬が高いから」・・・だそうです。

 

日本人は、冷たい物や生ものが好きだから、温める胃薬の方が売れやすいのかもしれません。(もう一つ言わせてもらうと、本来はエキス顆粒の安中散より、散剤の安中散の方が効きますし、コストも安いんですよ~・・・飲みにくいけど)

 

 

 

さて、漢方の胃薬って、とにかくたくさん、いろいろ種類がありますが、一般の方にはなかなか合うお薬を選びにくいんです。

 

というのも、みんな効能効果が同じような記述・・・なんですよね・・・。

 

食欲不振、胃腸虚弱、吐き気、むかつき、胃アトニー、急性慢性胃腸炎、消化不良、胃もたれ、食べ過ぎ、胃痛、胃下垂・・・など、どの胃薬も大体似たようなことを書いてあるので、これじゃあ選べないですよね・・・。

 

たぶん、「食欲不振だけど、胃痛はないから、胃痛が書いてないこっちの漢方薬でいっか」とか、「こっちの方がたくさん書いてあるから、効き目がいいんじゃないかはてなマークと、いうような選び方しているんじゃないかなはてなマーク

 

本当ならもっと分かりやすく、

「冷たい物の飲食で不調になる胃の諸症状」とか、「脂っこい物や味が濃い物の食べ過ぎで起こった胃もたれ」とか、「常日頃から胃腸が弱く、食が細い人の消化不良」・・・とか、どういう状況で起こった胃の不調に効くのか書いてある方といいんだけどね・・・。

 

胃薬を選ぶ上で重要なのは、「寒熱」「虚実」です。

 

コレを間違えると余計に悪くなることも・・・ゲッソリ

 

胃熱なのに、温性の安中散を使ったら、余計にムカムカするし、胃寒の人に清熱の黄連解毒湯は下痢になるかもしれません。

 

虚しているのに、補剤を使わずに平胃散だけを長期服用していたら弱っちゃうかもしれないし、実証に補剤の四君子湯を飲んでもらっても良くならないでしょう。

 

漢方の胃薬はたくさん種類があるからこそ、しっかり弁証論治をしないと、選ぶのが難しいです。

 

特に、常用したり、長期で飲む場合は、証が変わっていくこともあるので、飲んでも調子が良くならない場合は専門家にご相談下さいね~チョキ