​新ダイヤ発表

3月21日、京都市交通局は6月に行われる新ダイヤの内容を公表しました。

京都市交通局:令和6年6月実施の市バス新ダイヤ (kyoto.lg.jp)

京都市中心部では、コロナ渦を抜けたということもあって久しぶりに系統の新設・増便が行われることになりました。そんな中で、観光客の利用をターゲットにした「観光特急バス」と「楽洛ライン」の新設がなされることになり、その系統には100番台が付番されることになりました。特に、通過運転を行う「観光特急バス」には、それに加えて「EX」を付けることになりました。コロナ渦前から京都によく来られていた(お住いの)方はすでにお気づきかもしれませんが、これは「急行バス」の事実上の生まれ変わりといえるのです。

  ​京都市バスの急行バス

急行バスは、2021年春ごろの運休まで運行されていたもので、主に鉄道駅と主要観光地を結んでいました。特に運行本数の多い、京都駅と祇園・平安神宮・銀閣寺を結ぶ急行100号系統、京都駅と二条城・金閣寺・北大路駅を結ぶ急行101号系統、北大路駅と金閣寺・出町柳駅・銀閣寺を結ぶ急行102号系統には、「洛バス」の愛称とともに、専用ラッピングバスでの運行もされていました。

最盛期には8つの急行系統が運行されていましたが、2021年春に新型コロナウイルス感染対策により運休。その後、復活することなく休止、そして廃止となりました。

  ​かつてのEXの勇姿

今回は、過去に撮った写真を紹介しようと思います。

こちらは2014年の正月に平安神宮に行ったときに撮影した1枚です。7歳の時に撮ったということもあり、少しぶれてはいますが…。鳥居のそばに2台のバスがいます。そのうち写真手前にいるのが、専用のラッピングをまとった急行100号系統の洛バスです。行き先表示器を見ると、1世代前の紫背景のものであったようです。いまでは黒背景になりましたが、個人的には紫背景の方が京都っぽくて良かったです。

こちらも先程と同じ日に撮影したものです。このバスも専用のラッピングをまとってますね。

このときはまだ「爆買い」とかが言われる前で、日本人が楽しく京都を観光できる時期だったように思います。

専用ラッピングは2020年ごろに、「洛バス」は、「観光系統」にとって代わる形で2019年になくなりました。

こちらは、少し飛んで2019年9月に四条烏丸バス停付近で撮影したものです。「洛バス」から「観光系統」への過渡期であったからか、観光系統ステッカーが貼られていません。

こちらも同じく2019年9月に撮影したもので、場所は京都駅前バス停です。少し見づらいですが、これは急行104号系統で、他の系統よりも少し早くに無くなりました。京都駅と四条河原町をノンストップで結ぶのが特徴で、結構重宝していたので、残念です。

こちらは2020年10月に七条京阪前バス停付近で撮影したものです。急行110号系統は、京都駅と祇園・平安神宮を結ぶ系統で、実質的に急行100号系統の区間便のような存在でした。

こちらは2021年1月に撮影したものです。「観光系統」となった後も、バスの車体にそれをアピールするためのラッピングを施していましたが、「洛バス」時代に比べて少々簡素なものとなっていました。「観光系統」となった2019年は中国人観光客が多かった時期であり、「観光系統」という漢字だけのネーミングもそれに向けたものだったのかもしれません。

こちらは2021年2月に京都駅前バス停のD1乗り場で撮影したものです。今でこそ繁忙期になると東山方面のバスが発着するD2乗り場の行列が良く起きますが、かつてはD1乗り場の方が多かったように思います。京都駅から東山通方面は、直接行ける鉄道路線がないということもあり、急行バスが他よりも頻繁に出ていました。その筆頭が、急行100号系統でした。これを含む一部の系統には、乗降時間短縮のため、前乗り後降り方式を採用していました。(京都市バスはもともと後乗り前降り方式を採用しています。)

こちらは2021年2月に四条河原町バス停で撮影したものです。

急行106号系統は京都駅と祇園を結んでいた系統で、こちらも急行100号系統の区間便的な存在でした。その後、2021年4月に急行系統が運休(最終的に休止)となったため、こちらが最後の急行バスの乗車ということになりました。

  ​よみがえるEX

6月に誕生する「観光特急バス」は従来の急行バスとは全く別物になっており、京都駅との速達性、地元民と観光客との棲み分けを重視したものになっているように思います。個人的には常に混雑している号系統や206号系統の混雑緩和を期待しています。京都で蘇る「EX」が成功することを願います。