気象系51。雰囲気えろ。
J禁、P禁、ご本人様筆頭に各種関係全て当方とは無関係ですのでご理解よろしくお願い致します。

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 活動を休止してから自分の好きに出来る時間が増えたからか、朝をすっきりと迎える事が出来るようになった。ただそれも個人活動で忙しくしている恋人が部屋に来ると途端に仕事をしていた頃のようにけだるい朝になる。
 今日もだるい体をなんとか起こして顔を洗い、歯を磨き、着替えようとシャツを脱いだ。……までは良かったんだが。

「うっわあ……。」

 軽く俯いただけでも病気か?ってくらいうっ血してる胸。腹にあるのも見えてるし、視線を横にずらせば腕にもある。

「こりゃ足にもついてんだろうなあ……。」

 俺がカメラの前に立つ必要がなくなったからか、セーブしなくてもよくなった潤はそれまで我慢してた反動なのかキスマークを体中につけてくる。別に誰と会うともねえからこういう牽制は意味ないと思うんだけど、どうやらそういう事じゃないらしい。
 首筋につけられた噛み痕をなぞる。痛気持ちよくてよがってしまった記憶が甦って思わず頭を抱えた。やりすぎだろ、とは思うものの嫌じゃないんだから困ったものだ。
 もういい大人だというのに盛りのついた犬のように交わって、目も当てられないくらい愛を刻まれる。
 嬉しくない、と言ったら嘘になるけど嬉しいなどと言ったらひどくなるのは必至なので黙っておく。
 朝が弱い潤が起きてこないうちにニヤニヤするのを止めないと。からかわれて今日1日ベッドの上から降りられなくなる。顔を引き締めてごほん、と咳払いをしたらぎゅうっと後ろから抱きしめられた。

「おはよう……。」
「おはよ、はやいな。」
「んーー、智がいなくて、目が覚めた。」
「ごめん、起こしたか。」
「いや、起きた。」

 あくまで自分の意志だってことなのかな?俺が申し訳なく思わないようにしてくれる、こういう小さな気遣いが出来るところがモテるんだろう。男女問わず友達が多い潤は毎日誰かと居て、あっちにこっちに引っ張りだこだ。
 そんな人たちに向かって40歳を迎えて更に大人に相応しいダンディな笑みを浮かべる顔が、今は子供のように拗ねた様子を鏡に映してる。
 可愛いな。こういう顔を俺にだけ見せてくれればいいのに。

「このままだと風邪ひくよ?」
「じゃあ服着るから離してくれる?」
「なんで?」

 なんで、とは。
 鏡越しに潤と視線を合わせたら、なんか、ニヤニヤしてるんだけど。さっきまでの拗ねた顔はなんだったのか。
 ちょっとまってね、そう言って自分が着ていたパジャマの上を俺の肩にかけると流れる様に片手で腰を捕まえられた。そのまま残りの手で器用に顔を洗って歯を磨く。潤へ歯磨き粉を出したりとかちょいちょい手伝ってやってる間も俺はなにしてんだ?って気持ちでいっぱいだ。

「よし、これで大丈夫。」
「なにが?」
「ん?智を存分に愛してあげられるってこと。」

 眠気も飛んだのかさっぱりした顔でにっこりと笑った顔が近づいて、ちゅっと唇が奪われた。
 ということは、だ。

「え、まさか今からヤんの?」
「うん。智をあっためてあげないと。寒くて乳首立っちゃってるし。」
「ひゃあっ!」

 なにすんだよばか!ってぽかっ!と頭を叩いたが潤には全然きかなかったようで、俺の乳首をぐりぐり弄って引っ張って舐めてくる。

「あっ、あっ、や、ぁんっ!」
「朝だからなのかな?いつもより敏感じゃね?」
「そんなことな、あ、やっ!」

 朝の澄んだ空気の匂い、温かな太陽の日差し。光に照らされる潤が格好良くてこんな状況なのに見惚れてしまう。

「もっとキスマ増やしてあげるね。」
「もう十分だろっ!」
「まだまだ。全然愛し足りない。」

 合わせられた目の奥にギラギラ炎が揺らめいてる。こんだけ痕つけておいてまだ足りないの?どんだけ底なしの愛をくれるつもりなんだろう。その愛に溺れたら潤なしではいられなくなってしまいそうで怖い。
 でも同じだけ……いいや、それ以上に欲しいって思ってる。
 ふわりと抱き上げられてベッドに連れて行かれながら、俺はお返しに潤の耳に噛みついた。
 俺からの愛も伝わればいいと願いながら。

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