気象系51。なんかよく分からなくなった。
J禁、P禁、ご本人様筆頭に各種関係全て当方とは無関係ですのでご理解よろしくお願い致します。

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 長く携帯とにらめっこ。もうどれくらい経ったのか分からないがふと浮上した意識ではぶるりと体が震えたから冷えてしまうくらいにはどうしようかと悩んでいた事になる。

「なにやってんだろ。」

 そう呟いてぼふりとベッドに転がった。頭のなかでは天使の俺が、

『きっと疲れてるんだよ。おやすみの連絡だけしてそのまま寝てしまおうよ。』

 と言っていて、悪魔の俺が、

『あっちの都合なんか知るか。寂しくさせたんだから会いに来いくらい入れろよ。』

 と囁いている。どっちにしろ連絡入れるのは確定なのか。なにもしないで寝るのはなしなの?

『『なし!』』

 ああ……はいはい。本当に俺ってまつもっさん大好きね。昔は平気で何日も連絡返さずに居たのに。今じゃ、連絡するね、なんて言ってた昼間の一言にこんなにも振り回されている。あほらしくなって携帯を放り投げてから目を閉じた。天使も悪魔も、ああっ!とか叫んで残念がってるけど知った事じゃない。そもそも誰かに左右されんのは嫌いなんだ、俺は。

 チクタク進む秒針の音がやけに大きく感じる。それが気になって全然眠れる気がしなくて仕方なくまた携帯を手にとった。カメラロールで唯一フォルダわけしてある釣果の写真を見る。

『なんでそこは潤くんじゃないんだよ!』
『そろそろ潤のフォルダも作れよな!』
『そうそう。結構頻繁に見返すんだから困らないと思うよ。』
『ていうか今こそ潤を眺めながら分ける時間に充てるべきだろ。』

 俺の渾身の釣果を前に喋るな。集中できないだろうが。

「ああもううるせえな黙ってろ!」
「オレまだ何にも言ってないけど?」
「へっ?」

 ……あれ。まつもっさんがいる。
 固まったままベッドから見上げる俺の前でコートを脱いだまつもっさんが、ちょっと待っててとか言いながら消えた。遠くで水の音がして直ぐに帰ってくる。

「手洗うの忘れてた。」
「ああそう……じゃなくて。なんでいんの?連絡くれたっけ。」
「してないけど……思ってたより撮影長引いちゃってさ、遅くなったからもう来た方が早いと思って。」

 そう言ってにやりと笑ったまつもっさんが、ただいまと俺の体を引っ張り上げて抱きしめた。

 天使と悪魔はいつの間にかいなくなっていて、俺は静かにまつもっさんのぬくもりを噛みしめる事が出来た。


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