まいが家です。
J禁、P禁、ご本人様筆頭に各種関係全て当方とは無関係ですのでご理解よろしくお願い致します。

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 1日の始まりは朝食の準備から始まる。4人いる弟の内、時間に余裕を持って起きられるのが2人、ギリギリになるのが1人、日によって変わるのが1人。必然的にご飯をかき込んでいる時間はないので用意するのはいつもパンだった。夜は弟たちの好きなものを作るので朝は自分が好きなものにしている。だから今日も例に漏れずサンドイッチを準備した。あらかじめ耳の切られているパンじゃなくて食パンを買ってくるのは切り落とした耳を3時のおやつにするため。スティックラスクになって俺の腹に収まっている事を知ってるやつは今のところいない。
 鼻歌を歌いながら準備を終えて手を洗う。そのままキッチンを出て階段を上がった。目覚ましを駆使して確実に起きてくる直下の弟はそのままにしておいて問題ないので、時々寝坊する真ん中の弟から起こしていく。

「さぶ~~入るぞ~~って、あらまあ。」

 雑多に置かれた好きなもの。バスケットボールにバットにユニホーム。正面の壁にはしろごろが描いたイラストが飾ってある。大好きで溢れた部屋の端に置かれたベッドにはこの部屋の張本人を真ん中にしてしろとごろが眠っていた。それぞれぴったりとさぶの体に頬をくっつけてすやすや気持ちよさそうに眠っている。

「んふふ、かあいいなあ。」

 どうやら今日の双子の気分はさぶちゃんだったようだ。毎日自分のところに天使たちが来る事を祈っているじろくんが見たら泣きそうだが、これはこれで天使の図なので泣きながら尊いと携帯で連写しだす事だろう。とか冷静に考えてる俺もすっと携帯を取り出して無音アプリで静かにピクチャーフォルダに収める。

「さて。おっきろ~~朝だぞ~~。」
「……ん……いっちゃ、?」
「ふふ、しろのが早いんかい。ふふふっ。」
「いっちゃ~~……。」
「おはようしろ。」

 こしこしと目を擦りながら起きた可愛い双子の片割れが手を伸ばしてくるので抱き上げる。寝起きでぽかぽかな体がぷにぷにで気持ちいい。この後何もなかったらこのまま抱き枕にしてひと眠りしたいくらい気持ちいい。きゃあきゃあ嬉しそうな声を上げるしろに頬擦りしてからポンポンさぶの肩を叩いた。

「さぶーー。おーーきーーてーー。」
「ん~~?」
「起きてさぶちゃん。朝だよ。」
「だよーー!」
「んむむ……。」
「うぐうっ。」
「うわっ、こらこらごろを潰すな!」

 むずがって隣のごろを抱き潰すさぶをさすがに引きはがす。腕からころんとベッドに転がったごろの顔がすごく渋い。これはまずい。

「いっちゃんだ~~おっはよーー!」
「おはようさぶ。しろ連れて先下行っといて。着替えさせてご飯食べててくれる?」
「いいけどなんで?」
「ごろが泣きそう。」
「へっ?」

 腕の中のしろをさぶに渡して代わりにベッドのごろを抱き上げる。
 じっと俺を見てくれてる目がもう決壊寸前だ。ここで泣き出したらしろまで釣られてしまうから朝から大合唱になってしまう。それじゃあ幼稚園に遅刻してしまうので出来れば泣き止ませるのは五郎だけがいいが……。

「っうあああああん!!!!」
「ははは!」

 遅かったか!
 盛大に泣き始めた五郎につい爆笑したら俺の声に張り合うように五郎の声も大きくなる。これじゃあ四郎と合唱というより俺と合唱だな。なんだか楽しくなってきた。

「あああああん!!」
「あはははははは!」
「おおーーい、兄さーーん。楽しそうなとこ悪いけどそろそろご飯食べないとやばいよーー。」
「はははっん?ああ、じろくんおはよ。また写真撮ってんの?」
「動画です。」
「どっちでもいいよ。」

 意外にも泣かなかった四郎とさぶちゃんにもおはようと返しながら入口で携帯を構えているじろくんは、ちょっと唇を尖らせてこっちを見てる。みんなが集まってんのに自分がいなくて結果のけ者にされたみたいで拗ねてるらしい。しっかり者のこの子のこういうところが好きなんだよね。

「んじゃあじろくんも起きたし、みんなでメシにすっか。」
「「はーい!」」
「あいっ!」
「びえあああああっ!」
「ははははは!」

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