気象系51。遅刻バニー(8/2)の日。ちょっとえろい。
J禁、P禁、ご本人様筆頭に各種関係全て当方とは無関係ですのでご理解よろしくお願い致します。

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 恋人である大野くんは毎週月曜日が定休日だ。時々予期せぬ仕事は入るもののそれもひと月にあるかないか。明日は完全に休みのようで昼間一緒だった仕事中ずっとテンション高く楽しそうにしていた。メンバー5人の休日は意図的に被らないようになっていてオレの定休日はまた別の曜日で設定されてる。けれど今回は他の現場のスケジュールの都合で突然時間が空いて、大野くんが休みの月曜に珍しくオレも休みが重なるという奇跡が起きた。
 だから家に帰るのを凄く楽しみにしていたんだ。先に上がっていた大野くんから、お前ん家にいるなって連絡が入っていたから余計に。法定速度をちょっとだけオーバーしながら急いで帰宅した玄関を開けるまでは顔がニヤけるのを止められないくらいには。
 なのでちょっと、出迎えてくれた大野くんを見た時に急激に気持ちが萎んでしまったのは申し訳ないと思う。なにせ期待値が大きかったので。

「おけえりまつもっさん。飯にする?風呂にする?それとも俺?」

 開いたドアの中にはいわゆるバニーガールの格好をした大野くんがない胸をむぎゅっと寄せるような前かがみのポーズで立っていて、ウインクまで決めてアピールしてる。古くから使われる誘い文句を添えて。それが据え膳と言うにはあからさま過ぎて逆に引く。

「あっ、なんだようでっけえため息ついちゃって。ひでえぞ!」
「風邪ひくから着替えなさい。」
「お前があっためてくれっから大丈夫。」
「あっためません。」
「なあんでだよお!」

 いつも通り靴を脱いで揃えてから洗面所へ。手洗いとうがいを済ませている間も大野くんはオレの服の裾をぎゅっと握って揺らして、もっとなんか言う事ねえのかよっ!とお怒りだ。

「据え膳だぞ!」
「男がみんなイロモノが好きなわけじゃないからな。」
「いろもんじゃねえよ可愛いだろ?お前可愛いもん好きじゃん。」
「大野くんは可愛いよ。でもその恰好はダメだろ。違うだろ。」
「ちがくない。」
「オレが違うっつったら違うの。」

 可愛い×可愛い=大好き、みたいな女の思考にゃなんねえんだよ。可愛いと可愛いを足しても掛けてもダメなもんはダメでそそられないのだから仕方ない。いつかの番組でもオレは古風な性格で突飛なもんはダメみたいな占いもあったし。そういうの信じてないけど割りと的を得ていたと思う。

「だいたいこういうあからさまなのはドン引きだって言ってるじゃん。」
「俺だってまどろっこしいの嫌いって言ってるじゃん。」
「それでこれ?」
「誘惑されねえ?」
「されない。」
「ばか!」

 ぽかっと背中を叩いて大野くんがオレの上着と鞄を持ってさっさとリビングに引き上げていく。その後ろ姿を見送りながら思案したのち、オレはそのまま風呂に入った。誘惑と言うからにはそういうコトをしたいのだろうし、それならこの先何を仕掛けられても大丈夫なように体を綺麗にしておきたい。
 玄関での謳い文句はちゃんと本気だったようで、風呂場はイイ感じに温められていたしお湯も適温だ。この分ならご飯も用意されているのだろう。何を選んでももてなしてくれるつもりで準備していてくれたのは嬉しい。これがオレのシャツを着ただけの大野くんだったらオレも手を出していた。風呂場に連れ込んで真っ先に大野くんを食べていた。

「バニーガールでさえなければなあ。」


 オレから言わせてもらえれば魅力半減なんだよな。
 しっかり体を温めてから出ると大野くんはリビングのソファに横になってるようで微かに大きな水色のクッションが見える。抱えて丸くなってるのかな。オレが来ても我関せずを通しているから拗ねてるのかもしれない。てっきりめげずに仕掛けてくるのかと思ってたオレは無反応に拍子抜けしてて、それならこちらもちょっと様子を見てみようという気になった。焦らしたいってのもある。ヤる気満々の大野くんは焦らされた後スゴいから。めちゃくちゃ求めてくれて可愛いの。だから、ご飯もらうねとひと声かけてテーブルに乗ったひとり分のご飯に手をつけた。いつもなら大野くんの分も準備してあるのに珍しい。黙々と食す間も微動だにしない背中をチラチラ伺い見る。
 ん~~、思った以上に反応が悪い。これ食べ終わったら抱きかかえて甘やかしてキスしないとダメかな?それはそれで楽しいしイチャイチャ出来るからいいけど。そんな事を考えながら食べ終わり、ご馳走さまと声をかけて食器を流し台に持っていった。面倒な事は先に片付けたいオレは直ぐにでも構いたいのを抑えて食器を洗おうと水を流す……と。

「……ん、あ、……っ、」

 水の音に混じって微かな声が聞こえてピタッと手が止まる。これって……まさか?

「……、っ、ふ、じゅん……っ!」

 そうだよね!?
 さすがに食器洗いを放り出してソファにそっと近付いたら泣きそうな顔でスンスンとオレの上着の匂いを嗅ぎながら服の上から懸命に自身を刺激してる姿がうつる。
 うっわ、なにそれヤバい可愛い。
 網タイツが邪魔なんだろううまく取り出せなくてもどかしそうに腰が揺れてる。

「う……、くっそ、じゅんのばかっ、」
「そんな事言うと触ってあげないよ?」
「んあっ!?」

 見えてた乳首をちょっとだけ摘まんだら甘い声を上げて鳴くから喉の奥で笑う。見上げてくる視線は強くて遅い!って非難してる。そんなぷくぷくほっぺを膨らましても可愛いだけで怖くない。

「なにのんびりしてんだよ。」
「先に色々済ませたら後の時間は全部大野くんのものじゃん。ご不満?」
「……風呂だって飯だって、お前の時間は俺のもんだ。」

 だから余計に拗ねてひとり遊びなんて始めちゃったのか。
 縛られるのが嫌いな大野くんはオレの事も縛らない。でも時折こうやって重めの独占欲を見せてくれる。普段は隠しててオレのために抑えてくれてる愛情を見せてくれるのが嬉しい。ちゃんと同じだけ愛されてるってわかるから。

「あ~~んってやってやりたかったのに……。」

 拗ねてこっちにくるタイミングを失って悔しいんだろう。ほんのりと頬を染めて唇を尖らせる姿が美味しそうでつい舌なめずりをした。バニーガールのままだとオレが集中出来ないので然り気無く頭の耳を取り除く。顔だけはいつもの大野くんになった唇にチュッとキスを落とすとちょっとだけ相貌が崩れる。ふふ、陥落までもうちょっと。

「この服って自前?」
「ネットで買った。」
「じゃあいいか。」
「おあっなにすんだ!」

 強引に片足を持ち上げてソファの背凭れに引っ掻ける。大きく開脚させた間に入り込むと恥ずかし気に慌てた大野くんが足を下ろそうとするからそれよりも先にタイツの網目に指を滑り込ませた。
 ビリビリビリッ
 思い切り引っ張って破くと綺麗な太ももが破けた円の隙間から晒される。
 ……これは思った以上に背徳感あるな……。
 ゴクリと喉を鳴らしたら、えっち!って言われて手を叩かれた。いやいや大野くん。目に期待が籠ってるけど?ちょっと反応してる大野くん自身を撫でて揉んであげる。

「あ、あっ、あ、」

 可愛い声で鳴いてトロンと見上げてくるからつい我慢出来なくて破いた付け根から直に触って軽く扱いた。

「んああっ!」
「弄っててあげるからそれ脱いで。」
「……んえっ?」
「じゃないとイかせないからね。」

 だってオレはありのままの大野くんを抱きたいので。そんなあ~~と情けない声を出す大野くんにニコリと笑って、手が動きやすいように更にビリビリとタイツを破いた。

***