気象系51。
J禁、P禁、ご本人様筆頭に各種関係全て当方とは無関係ですのでご理解よろしくお願い致します。

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「……これは?」
「エプロン。」
「見りゃわかるわ。」
「やっぱキッチンに立つ奥さんにはエプロンしてほしいじゃん。」
「奥さんじゃねえし。てかなんでんなフリフリなんだよ。」
「フリフリエプロンつけた智が可愛くないわけがない。」
「着ねえよ?」
「なんで!?」
「なんでがなんでだよ。お前の方が似合うだろ。」
「オレは智が着てるのが見たいの。出来れば毎日。」
「毎日!?」
「決まってるでしょ。」
「決まってねえよ。お前ん家に住んでるわけでもねえのに無理だろ。」
「……だから一緒に住もうよ、ってお誘いなんだけど。」
「分かりづらい。ストレートに来い。」
「恥ずかしい。」
「とか言ってる場合か。」
「だって……。」
「その間においらが別のやつとルームシェアとかしだしたらどうすんだよ。」
「え?でも智はオレを選んでくれるでしょ?」
「その自信はあんのかよ……意味わからん。」
「当然智はオレを選ぶと思ってるけど、実際に誘うのとはわけが違うじゃん。」
「変わんねえわ。」
「変わるの!男心は複雑なの!」
「俺も男だし。めんどくさい。」
「め……っ!」
「選ばれる自信があんならそのまま強引に来いよ。」
「……いいの?」
「嫌なの?」
「ヤじゃない!」
「じゃあ言え。さん、はい。」
「オレと一緒に住もう。」
「いいよ。そのエプロンは着ないけど。」
「なんで!?」
「え?それって口実じゃねえの?」
「じゃないよ!着てほしいです。」
「いやです。」
「ええ……絶対可愛いのに……。」
「いいか潤。冷静に想像してみろ。」
「うん。」
「クッタクタになって帰ってきて泥のように眠った朝に、おはようとか言いながらフリフリエプロン着てキッチンに立ってるオッサンに出迎えられる光景を。普通に朝からどっと疲れるだろ。」
「オッサンじゃないし。智だし。」
「俺がいくつか知ってる?」
「知ってるよ。もう三十路超えたじゃん。」
「立派なオッサンだろ。なんなら時々ジジイとか言ってんだろお前。知ってんだかんな。」
「あれはテレビ向けだよ。まあ智はジジイになっても可愛いけど。」
「眼科行け。」
「てかそのシチュエーションで出迎えられたら疲れなんか吹っ飛ぶから。むしろ元気になるから。」
「……。」
「ちょっと。なんでそんな離れんの?」
「いや……その、別に人の性癖にとやかく言わねえけどよ。」
「ドン引きしてんじゃん。てか性癖じゃない!」
「興奮するんだろ?」
「する。」
「性癖じゃん……。」
「他のやつがやってもキモいだけだよ!?」
「他ので興奮してたらお前とは今日限りだよ。」
「想像させないで。てかね、そもそも智がやんなきゃ意味ないの。」
「はあ。」
「気のない返事だな。」
「他にどう言えと。」
「つまりね、オレはフリフリエプロンを着せる事が性癖なんじゃないの。」
「はあ。」
「着てる智に興奮すんだから、オレの性癖は智って事なの。」
「はあ。」
「ちょっと、真面目に聞いてくれない?」
「聞いてるって。」
「本当に?」
「つまりお前はどうしようもなく俺が好きって事だろ?」
「ええっと……そうなんだけど、そう言われると照れる。」
「なんでだよ。」
「えっ、」
「なんだよ。」
「着てくれるの?」
「着せたいんじゃねえの?」
「着てほしいよ!着てほしいけどさあ……。」
「ハッキリしろ。」
「着てください。」
「はいよ。」
「うわ……え、嬉しい……。」
「そうか。……おい、ちょっと待て。写真はやめろ。」
「だって残さなくちゃ。」
「残すなって。あっ、動画もダメだからな!?」
「いいじゃんいいじゃん。はい、智~~笑って~~。」
「ピース。」
「ふふっノリいいよね。そういうとこも好きだよ。」
「はいはい。」
「やっぱ可愛い。」
「で?理想のメシとかあんの。何かリクエストとかありそうだよな、お前。」
「お味噌汁がいい!」
「へえへえ。毎日?」
「毎日!」
「それプロポーズんなってんのわかってる?」
「へ?……うわ、っ!」
「照れんのかよ。」
「今度ちゃんとやり直させて!」
「はい以外の返事しねえけど。」
「でもやり直させて!」
「楽しみにしてる。」
「うん!」

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