所謂「国譲り」では、大国主神は高皇産霊尊から幽界の神事を託されます。また、その祭祀は天穂日命が司ります。出雲国造家の祖先である天穂日命が司った祭祀は千家尊宣氏によれば「その昔、大国主神が祀っておられた神を、出雲国造が大国主神に代わって祀るという使命と、もう一つは大国主神そのお方を国造が祀るという使命」の二つの意味があるといいます。出雲国造家の祭祀とは下記になります。

1、大国主神が祭っていた神

2、大国主神自体を祭る

 

天穂日命を祖とする出雲国造家が代々その祭祀を引継ぎますが、何を祭るかと言えば大国主神だけではなく「大国主神が祭っていた神」だといいます。この神々とは結局、天照大神と豊受大神になります。要するに大国主神はその祖先神を祭っているわけです。大国主神(大己貴神)の和魂という三輪の神が太陽神なのはこのためです。『神武天皇と卑弥呼の時代』では、「孝」が接頭する孝昭、孝安、孝霊、孝元天皇を大国主神(大己貴神)と推定したのはこのためです。

 

天照大神ー大国主神(孝昭、孝安、孝霊、孝元天皇)ー国譲り