今回は久しぶりに『七本鎗』となります。


 僕は今日12月3日で30歳となります。20歳の冬に味わった人生はじめての日本酒が『七本鎗』
 あれから10年近くが経つんですかね。でも『七本鎗』はそのころから僕の心に刻まれたお酒でもあるわけで。
 自分に自分への誕生日プレゼントに、この『七本鎗』を買えたことの幸福に感謝したいところですね。
 
  
 さて、今回は限定の活性にごり酒となりますね。
 このジャンルは今まで手をつけませんでしたが、いい機会なのでトライすることに。
 きっと『七本鎗』だから、どんな味であってもキレてくれるから大丈夫だという思い込みもありますけど。


 滋賀県の玉栄を60%精米。この辺は『七本鎗』の基本構築ですかね。ちゃっかり29BYでもあります。
 今の時期が新酒の時期だとなると、僕のはじめての日本酒は19BYの『七本鎗』だったのかな。なるほど。
 でもあのころの気持ちと同じく、炭酸の前に心躍りつつも一握の不安が入り交じりながらキャップを開けるわけです。



 沈殿したにごりの部分も昇る活性酵母の力学。
 これが、活性にごり酒……!


 上立ち香は乳酸的でかつ拡がる感じ。
 味わいは元気な酵母が生み出す強い炭酸によるシュワシュワ感は勿論、炭酸により強く収斂されていくところもありますし、本来の酸味もしっかり鋭利。
 奥からはカルピス的な乳酸の味わいと林檎的な甘味がやって来ます。澱があるほうがアップルパイ的になるのは『生道井』直取りにも近いかも。
 『七本鎗』らしいミネラル感というか、ベタつきの少ないカチッと硬質な液性がいい具合で働いています。このおかげで普通に飲んでも切れ味あるドライな味わいが楽しめますし、少し放置して炭酸が抜けても澱の甘味がしつこくなりません。
 ここだよなぁ。名前の如くに突いても薙いでも強い槍というか。
 
 こうして30代の日本酒一番槍となったこの『七本鎗』はいいお酒で満足でした。ほんと、10年前からいいお酒ですね。
 これからこの10年でどんなお酒と出会えるだろうか……

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