今回はこちらの『鬼乙女』です。

夏酒の『恋』の続篇『幸』となります。
紅葉とそれに合った秋色な和服が風情あっていい感じです。島田の鬼乙女ちゃん、心なしか『恋』のときに比べて大人っぽくなった?
スペック上では特別純米酒扱いですが、調べてみるとどうやらひやおろしのようです。
『恋』と比べたら、生酒から生詰、かつ熟成されたといったかたちか。
さて、お味はいかがでしょうか。
上立ち香は控えめ。液性は軟らか。 今回は舌に来る刺激もそれなりに強めで、酸味もあるためか即座に切れる印象。結果として、ひやおろしにありがちな苦味とかは感じません。
常温に近づくにつれて林檎にも似た香りが立つようになり、豊潤な甘味やコクも滲み出てきて……あぁいいわぁ。徐々に良くなっていくなぁ。
幸せとは温かさのなかから育まれていくものと、そういうことですかね。
なんだろ。今年飲んだ28BYのひやおろしのなかでも下手すればトップクラスかもしれない。
『冩樂 なごしざけ』にも比肩しうる、もしくはそれ以上に出来のいいひやおろしに出会えたかもしれません。甘味と淡麗さの両方においてメリハリの効いた日本酒である『鬼乙女』ならではの持ち味が、ひやおろしのスタイルと合致していたのかも。
『鬼乙女』、個人的にますます注目したくなったなぁ。