今回のお酒は『義侠』。
その純米酒スペックの『はるか』です。
以前飲んだ純吟原酒スペックの感想はこちら

"はるか"という文字がラベルにぎっしり。
"遥"
"悠"
"遼"
"久"
なるほどなぁ。そういえば『醸し人九平次』と『義侠』は愛知から離れた兵庫県にある山田錦(場所は違いますが)を使っている共通点があるんですよね。その『九平次』の最高級スペックの名前が『彼の岸』と言いましたか。
こういうネーミングも、"はるか"な"彼方"からやってきた恵みゆえなのかもしれないかなって。

アルコール分は14度と低めなほうですね。
しかし、たとえ純米スペックでも東条産特A地区山田錦100%使用という線は譲らないこの義侠イズム。
ここまでくると一種の哲学と化してるなぁ。他の蔵元じゃ純大吟にするなどひと手間かかるお酒にしかねないのが特A地区の酒米なのに。
飲んでみます。
上立ち香はオードソックスな吟醸香。時間が経つと若干スモーキーな具合に。
飲み口は軽快でなめらかーーツルツルではないーー。こしあん的な淡い甘味を伴いながら舌の刺激で切れていくタイプ。他の『義侠』に比べるととろみが少なく味わいも大人しめですが、それゆえ料理やお菓子と合わせても邪魔しないですね。
酒の主張は"はるか"に。食べ物のうまさは此処に。
愛知県のあちこちで買える名物お菓子『しるこサンド』
これもどんどん消化されていくというさま。
こういう脇役に徹した姿勢こそが日本酒本来の姿かもしれません。ここ最近生原酒ばっかり飲んでて忘れてかかってたなぁ。この感覚。