今回のお酒はこちらの『天寿』です。
秋田県由利本荘市の地酒です。由利本荘市には『雪の茅舎』の斎彌酒造様がありますが、天寿酒造様とはかなり離れた場所にあります。由利本荘市はだだっ広いところですし。
なお、天寿酒造様の銘酒ですが、秋田県以外の人には『鳥海山』のほうが知られているかもしれません。
今回はいわゆる夏酒。アベリアの花から抽出した花酵母で醸したお酒です。アベリアの花言葉は"謙譲"、フルーティーな味わいになるとか。
花酵母はもともと東京農業大学が開発したものですが、愛知県でも名古屋大学やあいち産業科学技術総合センター食品工業技術センターなど花酵母の研究が盛んであり、前に飲んだ『長誉さくらこうぼ』もそのひとつでした。
今回の『天寿』は東農大の花酵母が用いられています。天寿酒造様のお酒はほとんど花酵母らしいとのことです。てことは、随分前からそうしたお酒を飲んでいるってことかな?『鳥海山』は日本酒に本格的にハマる前から美味いと思ってたお酒ゆえ。
さて、味わいはいかがでしょうか?
含むと馥郁とした甘味が広がります。熟した林檎というか焼き林檎的な甘味というか。酸味や苦味はあまりありません。飲み口は柔らかく、コーティングされたかのように滑らかな感じ。後味は東洋のスパイスのような刺激を伴いながら切れていきます。
翌日以降は甘味が落ち着き、レモンスカッシュのようになってきました。苦味もちょっぴり。なんだか夏の暑さに欲しくなるタイプの酸味だなぁ。だから夏酒なのかもしれません。