⬇️オシリス神話に登場する神々。
🐱オシリス神。
🐱セト神
おそらく、オシリス神話は豊穣と再生を司るオシリスが植物として再生する意味合いを含んでいたと思います🐱。例えば、穀物(=オシリス)の種は、地中に入れられて(オシリス神話ではオシリスの死)、そのまま暗いところにいて(オシリスが冥界にいる)、そして新しい芽🌱を出した(オシリスの再生)ように。
シンボル学の研究者ルルカーは、オシリス神話の場面に込められた意味が2点あると指摘しています。
① セトがオシリスを箱に閉じ込めてナイル川に落としたこと。
→肥沃な土地に洪水が起こり、新しい穀物の収穫ができたことを意味する。
② セトがオシリスの体を14の部位に切り刻んだこと。
→このことは月🌛が14日間にわたって欠けることを意味する。最後の弦月はオシリスの足を表すと考えられた。月の満ち欠けは生と死を表し、オシリスの死と再生も表す。古代において、月の満ち欠けと植物の成長に繋がりがあると考えられていたため、神話上において神の手足がバラバラになることは、死者の蘇生のために欠かせない条件だった。
ちなみに、プルタルコスによってオシリス神と同一視されたギリシアの酒と豊穣の神ディオニュソスは、牛の姿をしたザグレウスと呼ばれ、ティタンたちによって八つ裂きにされた。このことは、豊穣の神オシリスが体をバラバラにされたことと共通している。
私は、オシリスの体がバラバラにされたことは大地にタネをまいたことを意味したと思いました👀。そして、オシリスが再生することはタネから芽🌱が出ることを表したと思います。豊穣の神のシンボルは種が発芽することだったと思います。そのことが神話に残されていたのかもしれません。
実は、ギリシア神話のハデスとペルセポネの話にも似たようなエピソードがあります。冥界の王ハデスにさらわれた大地と豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネはハデスの妃となって、一年の半分は地上で過ごし、残りの半分は冥界で過ごします。『ギリシア・ローマ神話』の作者トマス・ブルフィンチは、ペルセポネは「穀物の種子」の象徴であり、その種が地下(神話では冥界)に埋められて、母デメテルの元に地上にあらわれると解釈しています。つまり、ハデスとペルセポネの話は地中に埋められた穀物の種が春になって芽を出すことを表しているのではないでしょうか。オシリス神話とギリシア神話にこのような共通点があってとてもおもしろいです!
ちなみに、バラバラになったオシリスの部位は、ブシリスにオシリスの背骨(おそらくジェド柱)、アビドスにオシリスの頭、メンデスにオシリスの男根、フィラエにオシリスの脚があるとされました。これらの地には常に島の上(=原初の丘)にあったオシリスの墓がありました。
参考にした主な文献
マンフレート・ルルカー著、山下主一郎訳『エジプト神話シンボル事典』大修館書店、1996年。
吉村作治『古代エジプトを知る事典』東京堂、2005年。
Wilkinson, T. (2005). The Thames & Hudson Dictionary of Ancient Egypt. London: Thames
& Hudson.
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