実は、古代中国において鳥は「霊の使い」を表わし、星の名前を言う時は「鳥星」と言うそうです(白川静、梅原猛『呪の思想:神と人との間』参照)。つまり、このことから霊と星に関係があることがわかります。セバとサフのヒエログリフに、鳥と星のシンボルが含まれていることもこの考えに関係しているかもしれません。

 

🐱セバ(星)

🐱サフ(オリオン座)

 

では、次のヒエログリフを見てみましょう。

🐱セバと読む「門」を意味するヒエログリフ

  

「冥界」や「門」を意味するヒエログリフも星と鳥のシンボルが含まれています。更にどちらも家の図面を表すシンボルが含まれています。おそらく、「冥界」のヒエログリフは鳥(霊)の家(星)を意味したと思います。そして、「門」のヒエログリフは死者の魂が冥界(家=星)に入る入り口を指していたのだと思います。なぜなら、古代エジプトにおいて星は死者の領域である冥界だったからです。古代において、死者は星の中で生き続けたと考えられていました。星は西に沈まず不滅のものと考えられていたので(例えば北天の星はイケムウ・セクと呼ばれ、「滅びない星」を意味した)、古代エジプト人は星のように生き続けたい願いがありました。そのため、棺には星が描かれました。

 

このように、星は「死者の冥界」を表し、鳥は「死者の魂」を表すのではないでしょうか。つまり、古代エジプトにおいて死者の魂は星(冥界)に入るための門をくぐり、星(冥界)の中で生き続けたいと考えていたのかもしれません。

 

参考にした主な文献

近藤二郎『星座の起源:古代エジプト・メソポタミアにたどる星座の歴史』誠文堂新光社、2021年。

松本弥『物語 古代エジプト人』文藝春秋、2000年。

マンフレート・ルルカー著、山下主一郎訳『エジプト神話シンボル事典』大修館書店、1996年。

矢島文夫『古代エジプトの物語』社会思想社、1974年。

Wilkinson, T. (2005). The Thames & Hudson Dictionary of Ancient Egypt. London: Thames & Hudson.

 

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