古代エジプトにおける鳥と霊の関係を示す例はたくさんあります😲!

 

 

①   ヒエログリフにおいて、鳥は「生命」及び「霊魂」を表す。

 

②   古代エジプトの霊の要素の1つであるバー(人格を司る)は、死者の頭部を持った鳥の姿で描かれる。バーは、ミイラから抜け出して故人の墓と冥界を自由に移動していると考えられていた。新王国時代(紀元前1550 -1069年頃)以降、バーの特徴である「自由」は、より強調されるようになった。

 

③   古代エジプトでは死者はツバメになりたいと願っていた。ハヤブサやサギ、不死鳥などの鳥にも変身したいと思っていた。『死者の書』86章には、神の国にあるどの門でもくぐり抜けられるツバメになりたいことが書かれている。

 

例えば、「海」を意味するワジェ・ウルと読むこのヒエログリフにツバメが描かれている。この「海」は、おそらく古代エジプトの創生時における原初の丘(この世界のこと)を生み出した水の深いふちのことを指しているのかもしれない。ワジェ・ウルのワジェは、「マラカイト(明るい緑色をした銅鉱石)」を指す。初期の葬送に関した文書においては、永遠で新鮮な緑の草木でおおわれた「マラカイトの野」には神に祝福された者がいると記されている。

 

水の深いふちから生まれた「原初の丘」は創造と復活の強力なパワーを持つシンボルで、ハヤブサの神の留まる場所だったため、古代エジプトの神殿の原型だった。だから、神殿の最深部である至聖所(神の像がある場所)は「原初の丘」を表すために、清い砂の丘の上に、他の部屋よりも高く建てられている。これらのことを総合して考えると霊がツバメになって、神が留まる「原初の丘」を生み出した水の深いふち、つまり神の世界に行きたかったことを意味したのだろうか?

 

🐱ワジェ・ウル(海)

🐱ワジェ

 

④   ホオアカトキは、アクと呼ばれる死者の霊の姿を表すシンボルだった。アクは、バー(人格のこと)とカー(生命力のこと)が合体し、来世で永遠の命を得た死者の霊の姿。ホオアカトキは、日の出と結びついて再生の場とされた東の河岸段丘の崖に生息していたため、再生した魂ととらえられた。

 

アクになると神に近い能力を得るため、死者の家族によって敬われた。例えば、家族が困ったことに直面した時、手紙を通じてアクに助けを求める。そして、アクは夢の中で救いを求めた家族の思いを叶えるとされた。例えば、知恵文学『アニの教訓』には、家畜や穀物の盗難、家族間のいざこざや人の無力感もアクの所業のため、アクを満足させなければならないという教えが書かれている。この教訓は死者の霊に責任転嫁しているようにも思えるが、当時の人々が先祖霊を意識していたことはわかる。墓はアクと生者との交流の場だった。

 

 

このように、古代エジプトでは霊が鳥のシンボルで表されることがわかります!そして、ツバメは「自由」を、ホオアカトキは「再生」をシンボルとして強調していました。同じ鳥でも種類によって強調される意味が異なるのがわかります。

 

参考にした主な文献

松本弥『物語 古代エジプト人』文藝春秋、2000年。

マンフレート・ルルカー著、山下主一郎訳『エジプト神話シンボル事典』大修館書店、1996年。

矢島文夫『古代エジプトの物語』社会思想社、1974年。

和田浩一郎『古代エジプトの埋葬習慣』ポプラ社、2014年。

Wilkinson, T. (2005). The Thames & Hudson Dictionary of Ancient Egypt. London: Thames & Hudson.

 

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