🐱子どものホルス神に授乳するイシス女神。
今日は古代エジプトの神々とギリシアの神々の関係について😃
「ディオニュソスのみならず、ほとんどすべての神の名はエジプトからギリシアへ入ったものである。ギリシアの神々がギリシア外の国から招来されたものであることは、私が自ら調査して確かめたことである。それも大部分はエジプトからの伝来であると私は考えている。例外としては前にも述べたポセイドンとディオスクロイのほか、ヘラ、ヘスティア、テミス、カリテス、ネレイデスなどが挙げられるが、それ以外の神の名は昔からずっとエジプトにある。」
(ヘロドトス著、松平千秋訳『歴史』上巻、岩波書店、1978年、195頁(2巻50))
「イシスはギリシアでいえばデメテルにあたる。」
(ヘロドトス著、松平千秋訳『歴史』上巻、岩波書店、1978年、199頁(2巻59))
イシスはエジプトの神の中でとても有名な神様です。オシリスの妹および妻であり、ホルス神の母親でした。イシスは呪術の使い手で、特に治癒の術を持ち、子供の保護を担っていました。子どものために尽くす母親の姿は男性にとって理想の女性像でした。そして、イシスは、その理想像に当てはまるように、よく幼児のホルスに乳を飲ませる姿で表されます。実はこのイメージは、キリスト教におけるイエスを抱いたマリア像にまで影響を与えました!
エジプトからギリシャ・ローマへの文化影響の観点から、西洋文明のルーツはエジプトにあるという意見もあります。ヘロドトスが述べるように、ギリシアの神々のルーツはエジプトの神々にあるのかもしれません。私は、ギリシアの神々や古代エジプトの神々に限らず、それぞれ似た役割を持つ神様は同根なのかなと思います。なぜなら、古代世界の各地域において自然や宇宙のエネルギーのあらゆる側面を神とみていることが主だからです。
参考にした主な文献
Wilkinson, T. (2005). The Thames & Hudson Dictionary of Ancient Egypt. London: Thames & Hudson.
片岸直美・畑守泰子・村治笙子『ナイルに生きる人びと』山川出版社、1997年。
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