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3月に、久しぶりにトランペットを吹く機会があった。高校時代の結婚パーティーでの余興で、同期の仲間達と約20年ぶりの共演が実現した。楽器はトランペット、トロンボーン、ユーフォニウム、チューバの金管セクションにフルートとスネアドラムを加えた6名編成。スネアドラム担当のK君が、この日の為に選曲とアレンジを担当してくれた。長年のブランクのある自分の為に、トランペットパートを吹きやすい音域に移調する等の配慮もしてくれた。
時代は進化していくものだ。楽譜とデモ音源は、K君がPCソフトで制作したものを事前にメール添付で受け取る事ができたおかげで、事前練習がはかどった。パーティー当日は、午前中にレンタルスタジオで合わせをしたのみで、本番へ。社会人にとっては実に効率的な練習方法だったと思う。

披露したのは、ワーグナーの「結婚行進曲」とバーンスタインの「ウェスト・サイド・ストーリーよりマリア」、「ウルトラセブンの歌」の3曲。
ワーグナーの「結婚行進曲」には、自分達が高校時代に演奏したスパークの「ジュビリー序曲」のフレーズが加わったり、「マリア」では楽器だけでなく、後半に歌を入れたり(しかも男声三重奏!)、「ウルトラセブンの歌」では新郎のホルン担当の同期にも、冒頭の有名な“雄叫び”で特別参加(!)してもらう等、色々と仕掛けの凝らされた演出になった。

トランペットは小学6年生の時に購入したヤマハのモデルから、高校2年時に買い換えたヴィンセント・バックのモデル(Vincent Bach Stradivarius Model 37、画像のケースは最近購入したソフトケースのもの )。高校生時代、エムパイア・ブラスのリーダーのロルフ・スメドヴィックやフィリップ・ジョーンズ等、Bachモデルの使用アーティストには憧れのトランペッターが多かった。購入以来、約20年が経過しており、へこみや銀メッキの変色等でくたびれていたが、数年前に楽器店に修理を依頼した所、新たな輝きを取り戻す事ができた。今考えれば、これが今回の演奏機会の第一歩となったのかもしれない。
本番に向けて、サイレントブラスを使っての練習。長年のブランクはあったものの、感覚は残っていたおかげで何とか音も出てくれた。「マリア」で参考にしたのは同曲が収録されているエムパイア・ブラスの音源(TELARC海外盤、画像:ジャケット)。

高校時代の仲間達と共に吹いた特別な時間。新郎新婦の門出をブラスで祝えたこと。吹奏楽をやっていて、音楽をやっていて、本当に良かったなと思えるひとときだった。